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音で物体を空宙に浮かせる「音響浮揚」技術に画期的新発見がもたらされた。今回の研究成果は、古代史の大いなる謎まで解き明かすかもしれない。
今年10月、物理学界で最も権威ある学術誌『フィジカル・レビュー』上で発表された論文が今、世界から大きな注目を集めている。豪シドニー工科大学(UTS)と英ニューサウスウェールズ大学(UNSW)による共同研究の結果、音で物体を宙に浮かせる「音響浮揚」技術に画期的なブレイクスルーがもたらされたというのだ。

かつて物体を空宙に浮揚させる技術はSFやファンタジー作品でしかあり得ないと思われていた。しかし1930年代、物体に超音波を照射して一定の圧力を加える音響放射圧の基礎理論を加マギル大学のL.V.キング博士が築くと、1950年代に研究が加速。その後、米フロリダ州立大学のL.P.ゴルコフ博士によって技術が確立され、音波を用いて(あくまでも小さな物体を)空宙に浮揚させることが可能になった。
音響浮揚とは、空気中を伝播する音の波が空間に固定されたままとなる「定在波」を発生させた時、その音圧の節が物体を引き寄せる性質を利用し、物体を捉えて宙に浮かせる技術のこと。しかしこれまでは、対象が球状だからこそ音響浮揚が起こり得るとの理解が一般的だった。ところが今回、研究者らはゴルコフの理論を拡張するとともに「ウィリス結合」と呼ばれる特性を応用。物体にかかる圧力とトルクを絶妙に変化させて“補足”位置をシフトすることで、球体以外の(非対称的な)形の物体まで浮揚させることに成功したというのだ。
つまり、これまで「音で浮かせることができるのは球体だけ」と思われていたが、「音であらゆる形の物体を浮かせることができる」事実が判明したわけだ。では、これが何を意味するのか? そう、古代史の大いなるミステリーである巨石文明の謎解明につながるかもしれないのだ。
世界各地に残る巨石遺構だが、重機も持たない古代人がどのように無数の巨石を運び、積み上げたのか、これまで多種多様な説が登場しながらもハッキリしたことは判明していない。しかし『ムー』2017年6月号では、古代人が用いた反重力技術の正体こそ「音による空中浮揚」だった可能性についてズバリ指摘している。


サイエンスライター、ケイ・ミズモリ氏の研究によれば、古代人たちは楽器と(天然の崖など)自然の地形を巧みに利用して巨大な定常波発生装置を作り上げ、巨石を浮かせて遠くに飛ばす技術を有していた可能性があるという。実際、洋の東西を問わず「古代人が巨石を空中浮揚させた」という神話や伝承は数多く残されている。たとえば、ギリシア神話に登場するゼウスの息子アムピオンは竪琴の名手で、その音色は石をも動かしたとされる。また、マヤの伝説では、ウシュマル遺跡は巨石を口笛で動かすことができる小人種によって建造されたと伝わる。さらに、エジプトのピラミッド建造でも「石がゆっくり宙に浮かび、叩いただけで動いた」との伝承が残されているようだ。
まだまだ立証には課題が多く残されている上、古代人に誰が音響浮揚技術を教えたのか、大きな謎も残されるが、少なくとも“石が浮かんだ”という伝説を科学的に考察できる材料が揃ってきたといえる今回の研究成果。ようやく時代がムーに追いついてきた感もあるが、さらなる研究の進展に期待だ。
webムー編集部
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