119年前の呪われた人形がもたらす「異常」な体調/遠野そら・MYSTERYPRESS

文=遠野そら

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    所有者や周囲の人が続々と体調不良になることから「呪い」の発信源として恐れられる呪物人形がある。霊界通信で判明したその名は「ジャネット」。彼女は何を呪っているのか……? (2022年7月11日掲載記事の再掲載)

    体調不良をもたらす人形

     世界各地に伝わる呪われた人形の伝説。人形の中に宿った魂が、奇々怪々な現象を引き起こすと伝えられている。なかには周囲の人間に災いや死をもたらすほど、強力な力を持った人形も存在するそうだ。

     イングランド中部・ノーサンプトン在住の男性、ミキ・ヨーク氏が所有している人形『ジャネット』がまさにそれだという。なんと近くにいるだけで、体調不良を訴える人が続出しているというのだ。
     ジャネットは1903年、今から119年前に作られたとされる古い女の子の人形である。これは、米・テキサス州で暮らしていた女性の遺族から譲り受けたものだという。女性は生前から、「家族全員この人形を気味悪がっている。屋根裏部屋に鍵をかけて保管しているが、それでも気味が悪いので引き取ってほしい」とヨークに相談していたことから、その死後、引き取ることになったそうだ。

     そして2016年5月。ヨークの元に人形が届くと、すぐさま無気味な洗礼を受けることになった。
    「驚きました。棚から勝手に落ちるのはしょっちゅうです。ですがそれ以上に困るのは、彼女のそばにいるだけで皆、具合が悪くなるんです」
     ヨークの家族はもちろんのこと、遊びに来た友人たちまで、めまいや吐き気、頭痛、胸痛などの被害にあっているそうだ。他にも瞬きをする、口を閉じる、といった人形にはありえない行動が何度もカメラでとらえているという。

    「遺族は、人形の代金も送料もいらないからどうかもらってくれ、と連絡してきました。それほどまでにこの人形を手放したかったのでしょう」

    画像
    https://metro.co.uk/2022/07/01/man-says-119-year-old-haunted-doll-gives-people-chest-pain-16924060/

    とり憑いている霊は「ジャネット」

     ジャネットは一見、ただの古い人形である。ピンク色のドレスに、金髪ブロンドヘアーの巻き髪は当時の女の子たちの憧れだったかもしれない。また皮膚は革のような素材でできていることから、高級品だったのだろうか。
    だが、愛くるしかっただろう目はなく、今は黒い穴が開いているだけである。そしてピンク色の可愛らしい唇からは、とがった歯が生えている――。なんとも無気味なミスマッチだ。

     介護士のかたわら、超常現象研究家としても活動しているヨーク氏は、この人形には何かが憑りついていることがすぐにピンときたそうだ。そこで、憑りついた霊と通信を試みると、自分の名前が『ジャネット』だと名乗ったのだという。

     彼のYou Tubeチャンネルには、スピリットボックスを用いてジャネットに宿る霊と通信する動画が公開されている。スピリットボックスとは、周波数を霊の声に合わせることで、普通の人には聞こえない声を可聴化する、いうなれば霊界ラジオである。
     ある動画では、ジャネットに様々な質問を投げかけ、スピリットボックスがどのように反応するか――を公開している。それには途切れ途切れではあるが、「Hurt… him…」「Don‘t… hit…」「Stop it」といった言葉が聞こえてきているようだ。女性とも男性とも思える声で、文章の前後が聞き取れないが、もしかしたらジャネットの生前の記憶なのだろうか。

     また、さらに驚くのは、ジャネットを抱えているヨーク氏の様子である。途中、何度も目を閉じ、汗を拭きながら収録を続けていたが、最後の方は「目が回る」「心臓がバクバク言っている」等と、かなり辛そうな表情であった。これはジャネットの怨念にあてられたのだろうか。

     ジャネットがなぜこの人形に憑りついたのか、その由来は一切不明である。
    「人形に目がないことから、ジャネットも目が見えない子だったのかもしれません」 
     これからも親交を深めたいヨークだが、ジャネットは「消えろ!」等と悪態をつく時もあるそうだ。ジャネットの前の持ち主の死因が気になるところだが、まずはヨークの健闘を祈るばかりである。

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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