変性意識マシン「カシーナ」で脳内へ旅立つ! 光と音に誘われて瞑想トラベルへ/久野友萬
装着すれば、だれでも高僧のような悟りの境地へ!? 懐かしの意識変性マシン「メガブレイン」が大幅にバージョンアップして甦った。着用者を半ば強制的に瞑想状態へ誘導する「カシーナ」は、人工涅槃への直行エレベ
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毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、カナダ南西部のオカナガン湖に棲息し、先住民の間でも語り伝えられた謎の怪物を取りあげる。
2021年の5月10日朝のことだ。カナダにあるオカナガン湖西岸のサマーランドという小さな町で事件が起きた。アンドレアという女性が、湖を見下ろす遊歩道を散歩していた。すると突然湖面が大きくうねり、なにか巨大な生物が姿を見せたのだ。
怪獣はいったん水に潜って再び水面に現れ、湖の中央に向かって動いていくと、急速に潜って水中に消えた。すべてはほんの3分ほどの出来事だったが、アンドレアはその間、この生物の姿を携帯写真に収めることができた。
彼女はこう証言している。
「湖面を見下ろしていると、何かが水の中にいるのを見つけました。それは本当に大きくて、黒く、非常に速く動いており、後ろに航跡を引いていました」
このアンドレア事件が、今のところ最新のオゴポゴ目撃例のようだ。
オゴポゴとは、古くからオカナガン湖に棲むと伝えられる水棲のUMAである。
オカナガン湖は、カナダ南西部に位置するブリティッシュコロンビア州の南方、アメリカ国境近くにあり、幅は5キロほどしかないが、長さが127キロという、南北に細長い湖だ。
東岸には、北の端にヴァーノン、ほぼ中央部にケロウナという町があり、南端にペンティクトンがある。今回アンドレアの目撃があったサマーランドは西岸の、中央よりやや南寄りの位置にある。
水棲のUMAというと、世界中の海域でシーサーペントが目撃されているほか、イギリスのネス湖やシベリアのコッコーリ湖、スウェーデンのストーシェン湖、さらには日本の屈斜路湖や池田湖など、内陸部の湖水からも数え切れないほどの報告が寄せられている。
オカナガン湖のあるカナダ・ブリティッシュコロンビア州に限っても、シュスワプ湖で目撃されるシュスワッギや、沿岸部で目撃されるキャディといった〝ライバル〞が存在するが、それでもオゴポゴは、陸のサスカッチと並んでカナダを代表するUMAであり、カナダでは切手の図柄になったこともある。
目撃者の証言によれば、体長6〜9メートルくらいだが、全長が20メートルあったという報告もある。体色は黒、暗い緑、灰色、暗青色などさまざまで、頭はウマやヤギ、あるいはウシに似ているといわれ、角のような突起物とひげらしきものが生えている。首は長く、そのまま細長い胴体につながっていて、背中にはいくつものこぶがある。
何よりも特徴的なのは、尾が二股に分かれ、泳ぐときには魚と違って身体を上下に動かすことだ。泳ぐ速度はかなり速く、時速60キロを出すこともある。
オカナガン湖に怪物が棲息するという伝説は、この辺りに住んでいた先住民の間にも伝わっていた。彼らはこの怪物を「ナハイトク」、あるいは「ナイタカ」と呼んでいた。この名称は「水の悪魔」と訳され、湖を横切る者に犠牲を求めると信じられていた。
そこで、先住民たちは何百年もの間、湖に入る前に小動物を犠牲に捧げており、この話を信じないで犠牲を捧げなかった人物のカヌーが、ナイタカの尾で覆され、家族ともども湖の底に沈んだという伝承も伝わっているようだ。
このナハイトク、あるいはナイタカという伝統的な呼び名に代えて、白人たちがオゴポゴという名称を用いるようになったのは、1924年にイギリスで流行った流行歌が原因らしい。
この年、イギリスの作詞家カンバーランド・クラークが、
「僕はオゴポゴを捜してる 変てこで小さなオゴポゴ 母親はハサミムシで父親はクジラ 頭は小さく尾はほとんどない そしてその名はオゴポゴ」
という奇妙な詩を作り、これに作曲家のマーク・ストロングが曲をつけたところ、かなり人気になったという。
この曲が1926年になってオカナガン湖畔の町ヴァーノンに伝えられると、住民たちがこの名を湖の怪物に対して用いるようになったという。今ではオゴポゴをさらに縮めた「オギー」や「オゴパップス」という愛称で呼ばれることもあり、地元で親しまれる存在になっている。
白人として最初にオゴポゴを目撃したのは、夫ジョン・フォール・アリソンとともにこの地方で最初の開拓民として入植したスーザン・ルイーズ・モアール・アリソンで、1872年のことであった。
夫妻は、現在のケロウナの西部で牧場を経営していたが、スーザンはあるときこの牧場から、湖を泳ぐヘビのような生物を目撃したという。
その後1890年にも、湖面を航行していた蒸気船のトマス・ショーツ船長が、ヒツジのような頭で長さ5メートルほどの怪獣を見たと証言している。
目撃数が増加したのは1926年以降のことで、この年の11月には、湖岸で洗礼を受けていた5〜60人もの人物がオゴポゴを目撃した。以来、目撃報告は300件以上に上っている。
一度に何十人もの人間に同時に目撃されるという事例は、1926年11月の事件以外にも何件か報告されており、たとえば1947年には、船に乗っていた大勢の人間がオゴポゴを目撃した。このときは二股に分かれた尾の上半分がはっきりと確認されている。また、1980年にも50人の目撃者がオゴポゴを見たという。
オゴポゴと思われる物体は、たびたび写真に撮られているが、8ミリフィルムやビデオなどで、映像にも収められている。
1968年にはアート・フォールデンという人物が、家族とドライブ中に水面で何かが動いているのを8ミリフィルムに撮影した。その生物は岸から270メートル離れたところを泳いでおり、体長は20メートルほどと推定された。
1980年にはラリー・タールという人物が、10秒ほどの8ミリフィルムを撮影した。さらに、1992年にはポール・デマーラが、水上スキーを行うスキーヤーが水に落ちるところを撮影したが、その近くに動物らしきものの姿が捉えられていた。
こうしたフィルムのいくつかは、その後詳しい調査が行われている。
1968年のフォールデン・フィルムについては、2005年に懐疑主義者のベンジャミン・ラドフォードとジョー・ニッケルが、あるテレビ番組のために検証を行っている。
このときは、映っている物体が岸からどれだけ離れていたか調べるため、船を用いて確認したが、物体は岸から25メートルしか離れていなかったという結論になった。距離がこれだけ近くなると、物体の大きさや速度についての見積もりも、かなり小さく修正する必要がある。
1992年のデマーラ・フィルムについては、水中に落ちたスキーヤーが近くにいる動物のことをまったく警戒している様子がないなど、不自然な点が指摘されている。
その一方で、これらの映像に映っているものが何なのか、正確に特定することもできなかったようだ。
このような検証結果なども踏まえつつ、オゴポゴの正体についてはいろいろな説が唱えられている。
ラドフォードなどの懐疑主義者が主張するのは、カワウソや水鳥、ビーバーといった小動物の見間違いではないかというものである。ラドフォードやニッケルによれば、カワウソは狩りを行う際に列を作って泳ぐことがあり、その様子が一連のコブと間違われやすいというのだ。
チョウザメであるという可能性も唱えられている。チョウザメは、名前に「サメ」とついてはいるが、軟骨魚のサメとは違って淡水に棲む硬骨魚であり、その卵が世界三大珍味のひとつといわれるキャビアである。
大きいものでは長さ3メートルにまで達するため、オゴポゴだけでなく、他の湖水でもしばしば水棲UMAの正体ではないかといわれている。
さらには、湖面の波の形が生物と見間違えられたのではないかとされることもある。
未知動物学者の中には、プレシオサウルスの生き残り説を唱える者もあるが、ロイ・マッカルなどは、古代クジラのバシロサウルスではないかとする。
バシロサウルスはゼウグロドンともいわれ、新生代古第三紀始新世後期(約4100万〜3400万年前)に生きていたクジラの祖先である。骨格は海棲哺乳類のオットセイやアザラシ、セイウチなどに似ているが、全体的にヘビのように細長い身体をしている。
平均的な体長は、オスが18メートル、メスが15メートル程度と推定されるが、最大で25メートルほどになるともいわれる。また泳ぐときは身体を上下に動かして進む。そして何よりも、尾の形がオゴポゴに酷似しているというのだ。
オカナガン湖では、1914年と2009年に奇妙な生物の死骸が発見されたこともある。また1974年には、水泳をしていた主婦の足が、水中で何か重い塊のようなものに触れた直後にオゴポゴが姿を見せるという、他の水棲UMAでは例のないような事例も報告されている。
この湖に何か未知の生物が潜んでいる可能性はかなり高いのではないだろうか。
●参考資料=『未確認動物UMA大全』(並木伸一郎著/学研)、『UMA事件クロニクル』(ASIOS著/採図社)
羽仁 礼
ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。
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