住宅街で集団目撃された巨大発光体! ドイツ「プラウエンUFO」事件/忘れじのUFO事件史

文=オオタケン(UFO手帖)

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    空飛ぶ円盤という言葉が世に飛び出して約80年。数々の遭遇の中から忘れられない――忘れたくない事例を振り返る。 今回はドイツの住宅街で複数人が遭遇したUFOについて。 ご近所のみなさんのトラウマとなったその光は何だったのだろう。

    深夜の住宅地に飛来した巨大光球

     UFOに限らずだが、真実に近づくための調査をするには当事者や地元の人に話を聞き、あるいは現地にまで赴かなければならない。それだけで骨が折れるが、相手が外国だとさらに壁は高くなる。
     今回紹介する「プラウエンUFO事件」は、今まで筆者が追ってきたUFO事件の中でも最も手を焼いている例である。私は現地の役所や当時から営業しているホテルなど、片っ端からコンタクトを試みたが、当事件に関しては些細な情報も得られず、謎は深まるばかりで、故に固執している。

     それはドイツの住宅街で起きた、こんな事件だ。
     1994年5月21日土曜日、ベルリンから南に300キロほどのプラウエン市内でUFOが目撃され、ちょっとした騒動となった。
     郵便局員だったH夫人は当日、高層アパートの1階の部屋でテレビを見ていた。彼女の娘はアパートの近くにある地元のディスコに行っていたという。夜の11時ごろ、彼女はバルコニーに出てディスコに続く路地を確認した。娘が帰宅する姿を見ようと思ったのだ。
     そのとき、ベランダから見える小さなオークの木が不思議な光に包まれ、まるで嵐の中のように大きく揺れていることに気づいた。光と風の発生源を捜して空を見上げると、アパートの上に巨大な光る物体が浮かんでいた。それはふたつのフリスビーを重ねたような円盤形で、上部は下部よりもやや平らで回転しているように見えた。物体の下半分には、黒い台形の窓のような物がいくつもあったという。
     直径10メートルほどのUFOは活発に動き、隣接したアパートや高層ビルの間を飛び回った。H夫人は家を飛び出し、それが見える場所まで走った。UFOは数百メートル離れた他のビルの陰にゆっくりと消えていったそうだ。

     この出来事は6分ほどの間に起きたもので、通りにいた他の人々や、アパートのバルコニーにいた少なくとも5家族がそれを目撃していたはずだとH夫人は報告している。

     H夫人は同じアパートに住むマルティナからもUFOの目撃談を聞いている。
     同じ日の同じ時間帯にマルティナと4歳の娘は電話のベルで目を覚ました。電話をかけてきたのは3階に住む友人のAさんだった。Aさんは「バルコニーからUFOが近づいてくるのが見えないか」と伝え「自分の目で確かめてくれ」と強く訴えた。唐突な申し出に戸惑いつつバルコニーに向かったマルティナは驚くべき光景に言葉を失った。光る巨大な金属製のものがバルコニーから5メートルほど前方にあり、部屋の中をまばゆく照らしていたのだ。
     マルティナは子供を連れ、Aさんの住む3階の部屋へ急いだ。3人はバルコニーに出て、その物体をあらためて確認した。物体は強い風を吹き出し、ヨーヨーのように上下に動いていた。数分間その動きを続けたそれは、猛スピードで遠くへ飛び去った。
     UFOが消える前に、マルティナはすぐ近くに住む義理の妹に電話をかけ「空にUFOが見えないか」と尋ねている。電話の向こうの彼女も空に奇妙な光を目撃し、さらに、それをビデオ撮影することにも成功した。

     マルティナの通報で警察が駆けつけたとき、物体はすでに消えていた。ただ警察はその夜、市内の複数の人々から通報があったと語っている。

     翌日、地元の新聞で目撃情報が報じられた。しかし記事は懐疑的な論調で、記事を読んだ目撃者たちは自分が見たものに疑問を抱くようになった。マルティナの義理の妹は撮影した映像を消去してしまった。マルティナは、この事件の後から身の安全に不安を訴えはじめ、アパート内で不審な音や光を感じるようになり、引っ越しを余儀なくされた。

    H夫人がマンションから見たというUFOの再現イラスト。その直径は10メートルほどだったという(画像=MUFON)。

    口をつぐむ当事者たちと、消え去った証拠写真

     事件発生から半年後、世界最大規模のUFO研究団体MUFONのメンバーが現地を訪ねた際も、マルティナは短時間でも元のアパートに戻ることを拒否した。

     MUFONは500枚ほどのアンケートを作成し、近隣に配布したが、その結果は芳しくなかった。ある居住者は、当日の夜に不思議な物体は見たが、この件には関わりたくないと回答を拒絶した。

     忘れ去られようとしていた当事件が動いたのは2016年になってからだ。
     突然、当時プラウエンに住んでいた人物からMUFONに連絡が届いた。それは当日の目撃を報告する長文のメールで、後に詳細な地図とスケッチも送られてきたという。その人物はUFO目撃に大きなショックを受けており、心的ストレスに長年悩まされていた。UFOのポラロイド写真を撮影していたが、それはある日突然、見当たらなくなってしまったと語った。

     MUFONは複数の目撃者とその信憑性から、当事件を信頼度99パーセントとしている。一方で、このUFOはH夫人の娘も参加していたディスコのパーティーで使用されていたサーチライトが雲に照射されたものだという懐疑的な見方もある。

     余談だが、2025年11月16口をつぐむ当事者たち消え去った証拠写真日の夕方にはプラウエン近郊で爆発音とともに煙を発しながら墜落するUFOが複数の住民によって目撃され、ニュースになったことも追記しておきたい。ちょうどこの原稿を書いているタイミングだったために非常に驚いたが、これを機にプラウエンUFO事件の調査が進展することを望んでいる。

    MUFONによる現地調査で、UFOが目撃された場所や方角などが検証されたが、「そもそも何だったのか」は不明のままだ(画像=MUFON)。
    2025年11月16日、まさに本稿執筆中に、プラウエンで発光体の墜落事件が起きた。まだこの事件は終わっていない。
    写真=SAECHSISCHE.DE より。https://www.saechsische.de/lokales/vogtland/sachsen-ufo-meldestelle-erklaertseltsame-beobachtungen-HC5QBZN3ERHEPCMJIYMSKNRQUQ.html 

    (月刊ムー 2026年02月号)

    オオタケン

    イーグルリバー事件のパンケーキを自作したこともあるユーフォロジスト。2005年に発足したUFOサークル「Spファイル友の会」が年一回発行している同人誌『UFO手帖』の寄稿者。

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