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ベトナムの知られざる獣人「グオイ・ズン」の正体を探るべく、筆者は現地の研究者にインタビューを敢行した。この記事を三上編集長がMUTubeで解説。
「ベトナムに現存する獣人は、大型と小型の2種類だ」
グオイ・ズン研究の第一人者として知られるトラン・ホン・ヴィエト博士は、きわめて静かながら確信を込めた口調でいった。グオイ・ズンとは、現地に棲息する獣人UMAの一種で、現地の言葉で「森の人」を意味する。ヴィエト博士はこの獣人の謎に取り憑かれ、目撃者証言の収集とフィールドリサーチを中心とする実践的な研究を50年以上も続けている人物だ。
お話を聞かせていただいたのは、ハノイの中心地から少し離れた場所にある博士のご自宅。奥様手作りの伝統的なお菓子や新鮮な果物、そして博士自らが花を手摘みして淹れてくださったジャスミンティーをいただきながらインタビューを行った。
前述したように大型と小型が存在しているが、大型のグオイ・ズンは身長が1.8メートル以上で、全身の筋肉は大きく発達しており、赤もしくは茶色の長い体毛に覆われている。二足歩行で主に単独行動し、食性は雑食である。人間に対し攻撃性はなく、言語や火の利用は認められない。
小型のグオイ・ズンは、身長が1.2~1.5メートルで、灰色の体毛をしている。洞窟に住み、群れで社会的行動をとる。石を使った簡単な道具利用もあり、友好的な性格だという。
主に目撃されているのは、ベトナム中部の高原地帯。この地は特異な生物の多様性に富み、2種類のグオイ・ズンもその一部として捉えられている。グオイ・ズンは現地の少数民族の伝承やアメリカ軍人の間で語られていた都市伝説的な話を媒体にして世界中に知られるようになったクリプティッド=未確認動物だ。また、現地の精神文化やシャーマニズム、霊的信仰とも深く結びついている。
ベトナム中部山岳地帯の奥深く。かつてフランス植民者も足を踏み入れていた森の先にある地元民族の集落では、「グオイ・ズン」についての伝承が昔から語り継がれてきた。”夜になると森の奥から響く謎の声が人間を森の彼方に誘う”、”灰色の体毛に覆われた怪物が集団で現れて民家を襲ったりする”など、そんな話がただの噂レベル以上のニュアンスで受け容れられた。
実際、多くの村人が忽然と姿を消し、村の周辺のあちこちで見つかる不可解な獣の足跡や、森の奥から頻繁に響いてくる叫び声が人々を恐れおののかせた。
博士は、乾期にこの一帯で行った現地調査で足跡をいくつも発見している。しかし、カメラで撮影すると、肉眼で見るものとはまったく異なってしまうという。ただ、1982年の調査では足跡の石膏型を採取することに成功している。
特徴的なのは、それぞれの指が長いことだ。また、中央に突起部分があり、これは山登りをするのに適している。親指には指紋も認められる。北米のビッグフットやロシアのアルマス、そして中国のイエレンと比較して、大きさだけではなく異なる構造が指摘されている。
(文=宇佐和通)
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webムー編集部
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