世界初の「トランスヒューマン」はすでに誕生している!? AIを脳に組み込む非人道的実験の詳細を米元軍人が告発!
「トランスヒューマン」はすでに誕生しているのか――!? AIを脳に実装する非人道的な極秘プロジェクトが行われていることが元米軍人によって暴露された!
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不老不死を達成するための鍵を握るのは、あの「ダイソン球」か――。科学技術の力で人間性の限界突破を目論むトランスヒューマニストが、人類が「デジタル不死」を達成するためのポイントについて解説している。
科学技術による“超能力”を人体に実装する試みであるトランスヒューマニズムのメインテーマのひとつが、不老不死である。
ロシアの科学者でトランスヒューマニスト、そして寿命延長論者のアレクセイ・ターチン氏は、われわれ人類が永遠の命を得て、さらには死者を生き返らせる技術さえ獲得するまでの「不老不死のロードマップ」を2018年に発表している。
ターチン氏は、同じくトランスヒューマニストのマキシム・チェルニャコフ氏と共同で発表した論文『技術的復活へのアプローチの分類』の中で、“無期限の人生”を獲得するための4つの異なる道(A・B・C・D)を詳述している。
プランAは「医療的寿命延長」、プランBは「クライオニクス(人体冷凍保存)」、プランCは「デジタル不死」、プランDは「量子論的不死」である。
その中でも特筆すべきは、プランCの「デジタル不死」だ。「デジタル不死」は、特定の人物に関するあらゆるデータを保存して、将来的に能力が飛躍的に向上したASI(人工超知能)によって再構築を可能にする方策で、「マインドアップロード」や「全脳エミュレーション」などとも呼ばれている。
「デジタル不死」に必要なのは、将来の再構築のために個人に関するあらゆるデータを用意しておくことだ。
ターチン氏は実際に、あらゆる夢、会話、そして日々の出来事に至るまで記録し、日記をつけている。ターチン氏によればこの行為は「遍在的な監視」であり、その過程で自身の偏見さえも記録しているという。ASIによって蘇った際に「本物らしさ」を保つため、というよりもむしろ生前と完全に同じ発達段階に置くため、この作業は必要不可欠だと彼は説明する。
「AIがあなたの正確なデジタルコピーを作成すれば、生物学的生命の復元さえ可能になります」
「AIはあなたのDNAを執拗に探し、墓を掘り起こすことさえあるでしょう。そうすることで初めて、あなたの肉体のクローンを作成することができるのです」(ターチン氏)
ちなみにターチン氏が11歳の時、クラスの女の子が亡くなった経験が、彼の心に永遠の命の可能性というアイデアを芽生えさせ「SF的な視点で、なにができるのか考え始めたのです」と科学メディア「Popular Mechanics」に語っている。
2007年、ターチン氏はロシア人が現在の身体的および精神的限界を克服するのに役立つテクノロジーを受け入れるための準備を整えるコミュニティである「ロシア・トランスヒューマニスト運動」のメンバーとなった。その後、2012年にロシア初のトランスヒューマニスト政党を共同設立し、以来「不老不死のロードマップ」を完成させるとともに、人生のあらゆる出来事を積極的に記録しているという。
バーチャルな不老不死である「デジタル不死」だが、これを実現するにはその人口に応じて膨大な電力が必要になるというボトルネックがある。
昨今の生成AIの普及に伴い、すでに電力消費量の増加が問題となっており、特にデータセンターの電力消費は2026年には2022年の2倍以上に達するとの予測もある。ASI(人工超知能)による「デジタル不死」を実現するには、途方もない電力が必要とされるのだ。
ターチン氏によれば、この電力問題を解決するのが「ダイソン球」であるという。ダイソン球とは我々の恒星、つまり太陽のエネルギーのすべてを利用可能にする卵の殻のような超巨大ソーラーパネル構造物である。
物理学者の故フリーマン・ダイソンは、1960年の「Science」に掲載された論文「人工恒星赤外線源の探査」の中で、この巨大構造物の構想を示した。ダイソン球は、太陽が毎日放出する毎秒400セプティリオンワットという膨大なエネルギーの大部分を太陽の周囲に取り囲む仮想的な“殻”を構築して搾取することで、現在の世界全体のエネルギー消費量の約1兆倍ものエネルギーを利用可能にする。つまり、「デジタル不死」に必要な電力を賄うのに余りある膨大な電力が利用可能になるのだ。
それは太陽系で最大かつ究極の構造物となり、人類が惑星上の種から恒星間の種へと移行したことを示すメルクマールとなる。
もちろん、人類は現状ではまだダイソン球を建設することができない。「しかし、ナノロボットならできるようになります」とターチン氏は指摘する。小さなロボットたちが小さな惑星で鉄と酸素を採掘し、それらの資源を使って太陽の周りに反射性の高いヘマタイトの“殻”を作ることができるかもしれないという。ともあれこのダイソン球が「デジタル不死」の鍵を握っているということになるのだ。
一方、「全脳エミュレーション」が実現し、ダイソン球が完成しても「デジタル不死」は実現しないと指摘する声もある。個人の情報をどんなに収集したとしても、人格を再構築するには圧倒的に足りないというのだ。米フォーダム大学の物理学准教授スティーブン・ホラー氏は、かつて「Popular Mechanics」に次のように語っている。
「誰かの人生がどのように形作られたのか、私たちには分からないことがたくさんあります。それらは記録に残っていないので、蘇らせるのは非常に難しいのです」(ホラー氏)
また、ダイソン球そのものに対する疑問の声もある。
宇宙探査をめぐる社会的、概念的、倫理的問題を研究している米クレムソン大学の哲学および生物科学の教授、ケリー・スミス氏は、巨大なダイソン球の製造は工学上の課題というよりむしろ政治的な問題だと考えている。
「自分自身も、その子も、その子の子も、1000年後の人類にしか利益をもたらさないものを作ることに、誰が一生を捧げたいと思うでしょうか?」(スミス氏)
ターチン氏は、自身の提唱するプランCである「デジタル不死」について、巨大なダイソン球と友好的なAIの助けを借りた次善の策だと説明する。そこに不利益を被る者は誰もいないというのである。
はたして人類がデジタルコピーとなって永遠に生き続ける未来は訪れるのだろうか。人間性の“限界突破”を目論むトランスヒューマニズムの進展を今後も折に触れてチェックしていきたい。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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