水棲怪獣が水中から標的を狙う! 「カミッシー」の謎/ダンダダン考察ファイル

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    人気アニメ「ダンダダン」には、オカルト要素がこれでもかと詰め込まれている。その中には、かつて日本を熱狂させたあのUMAも──!

    怪異が次々襲来!人気アニメ「ダンダダン」

     宇宙人やUMA、妖怪、幽霊など、あらゆる怪異が登場する超常バトル漫画「ダンダダン」。本作は、超能力を持つ女子高生・綾瀬桃(モモ)と、その同級生でオカルトマニアの男子高校生・高倉健(オカルン)が、日常に潜む超自然現象に立ち向かっていく物語だ。
     作中には、ターボババアやカシマレイコといった都市伝説をモチーフにしたキャラクターが次々と登場。オカルトファン垂涎の世界観が繰り広げられるのも、作品の大きな魅力のひとつとなっている。
     そして2025年7月からは、待望のアニメ第2期が放送スタート。さらなる盛り上がりが期待される中、本シリーズでは作中に登場する怪異たちにスポットを当て、それぞれの元ネタとなった都市伝説を紐解いていく。

    超高速レーザーを放つ巨大怪異カミッシー

     主人公のオカルンたちは、学校に似た虚空空間に閉じ込められてしまう。そこは一面が水浸しになった校内で、暗闇の中に主人公たちを虎視眈々と狙う影が潜んでいた。恐竜を思わせる長い首に、こんもりと盛り上がった背中。水面を音もなく移動する姿は、ネス湖の怪獣・ネッシーを彷彿とさせる。
     作中ではこのキャラクターに正式名称は与えられておらず、オカルンが神越(かみごえ)市に現れた個体として、「カミッシー」と名付けたことから、その名で呼ばれている。

     だが、「ダンダダン」に登場するカミッシーは、ただの巨大な水棲生物ではない。水中を自在に泳ぎ回り、ターゲットを見つけると超高速のレーザーを発射。その威力は凄まじく、校舎すら一撃で破壊してしまうほど。
     とはいえ、そんなカミッシーにも致命的な弱点がある。巨体に反して知能が低いせいで、仲間であるはずのセルポ星人にも攻撃を仕掛けてしまうのだ。その結果、最終的にはドーバーデーモンとともに吸収され、さらに性能を上げた進化体へと変貌。物語序盤の強敵として、オカルンたちの前に立ちはだかる。

    元ネタは「ネス湖の怪獣」ネッシーか

     「ダンダダン」に登場するカミッシーは、未確認生物(UMA)の代名詞として知られる、スコットランド・ネス湖の怪獣「ネッシー」がモデルとみられる。その姿をAIで画像生成してみたところ、多くの人が思い浮かべるような、首長竜に似たフォルムが描き出された。作中でもそのイメージに違わず、長い首と大きな胴体を持つ水棲怪獣として描かれている。

     ネッシーといえば、1934年に撮影された「外科医の写真」が特に有名だが、その起源はさらに古い。6世紀に記された「聖コロンバ伝」には、ネス湖に現れた怪物を聖人コロンバが追い払ったという記述があり、古代よりネス湖には水棲の怪獣が潜むと信じられてきた。

     日本でネッシーが大きく注目されたのは、1976年のこと。ユリ・ゲラーによる超能力ブームが下火になると、それに代わるかのように「ネッシーブーム」が巻き起こった。その火付け役とされるのが、日本テレビで放送された「木曜スペシャル ネス湖の怪獣・ネッシーは実在する!?」だ。番組では水中撮影用カメラや暗視装置など、当時としては大規模な機材を投入して調査が行われ、視聴者の熱狂を呼んだ。
     この盛り上がりはやがて全国へと広がり、北海道・屈斜路湖の「クッシー」、鹿児島県・池田湖の「イッシー」、山梨県・本栖湖の「モッシー」など、各地で”ご当地ネッシー”の目撃情報が各地で相次ぐこととなる。
     「ダンダダン」でも、ネッシーそっくりの怪異に遭遇したオカルンが、即興で「カミッシー」と命名。ご当地感あふれるネーミングは、ネッシーブームのオマージュにもなっている。

     そんなオカルトブームの象徴的存在であるネッシーだが、近年は目撃情報が減少傾向にある。それでも正体を解明しようとする試みは続けられており、現在もネス湖では「ザ・クエスト」と題した大規模な探索プロジェクトが毎年行われている。潜水艦型の水中ロボットや、水中の熱源・異音を探知する高性能ドローンなど、最新のテクノロジーが投入され、注目を集めている。
     近年では科学的な分析から「ネッシー=巨大ウナギ説」が有力とされているが、こうした調査を重ねても、その実態は依然として明らかになっていない。

    webムー編集部

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