異星人がテレビ放送をジャック! 「アシュタールのヴリロン」が人類に伝えた衝撃的メッセージとは?
1977年、イングランドの一部地域でテレビ放送波が何者かによってジャックされ、異星人からのメッセージが流れたというサザンテレビ放送中断事件。この事件の経緯とメッセージの詳細、そして信憑性の高い映像を紹
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世界中から無数に報告されるUFO事件。単なる目撃情報から、異星人との直接的なコンタクトまで、その内容は実にさまざまだ。中でも、特に奇妙で不可解な遭遇事件を「ハイ・ストレンジネス事例」と呼ぶ。奇想天外な7つの接近遭遇事例を紹介する!
スペインにおけるニュー・ユーフォロジーの旗手、ホセ・アントニオ・カラバカは、ハイ・ストレンジネス事例に登場する異星人の奇妙な外観は、目撃者の潜在意識に蓄えられた情報を集めてその場限りで形成されるものであり、事件の本質とはあまり関係はないと主張している。
イギリスのワイト島サンダウンで「サンダウンのピエロ」、あるいは「全色のサム」と呼ばれる奇妙な存在が目撃された事件では、UFOそれ自体は目撃されていないが、この一種滑稽な存在も、他のハイ・ストレンジネス事例の異星人と同様、目撃者が潜在意識下にある情報を寄せ集めて、即席に作りだした仮の姿なのかもしれない。
1975年5月、ワイト島で両親と休暇を過ごしていたふたりの子どもは、突然救急車のサイレンのような音を聞いた。それから子どもたちが流れにかかった橋を横切ろうとしたとき、突然その奇妙な存在が現れた。
子どもたちはその存在について、ピエロとロボット、それに異星人を合わせたようなもの、と描写している。
身長は2メートル以上あるが、ほぼ通常の人間のような体型で、腕と脚も2本ずつあった。全体的に細身の体つきだが、それに比べて頭は大きすぎ、ほとんど完全な球体だった。
肌は非常に白く、手足の指は3本しかなかった。目や鼻の代わりに、顔にはいろんな図形が描かれていた。両目の位置にはふたつの青い三角形があり、鼻は平らな茶色い長方形で、楕円形のような形の黄色い薄い唇を持っていた。
頭には、先端に毛糸玉のようなものがついた、高くて先の尖った帽子を被り、細かくちぢれて編まれた茶褐色の髪の毛が、その下から垂れ下がっていた。頭の両側には木製のアンテナがくっついていた。
服はまるでピエロのように強烈な赤と緑で、手にはダークブルーの手袋をはめていたが、足は裸足だった。ズボンと袖は長くてフリルがついていた。手首とくるぶしからは、木製のように見える薄板が突きでていたが、これがコスチュームの一部なのか、体の一部なのかはわからなかった。そしてマイクか拡声器のようなものを手に持ち、それを通じて話したが、話すときも口は動かさなかった。
彼は湖近くの林にある2階建ての小屋、あるいは掘っ立て小屋のようなものに住んでいた。その壁は青緑色のダイヤルのようなパターンの紙で覆われており、床は金属質だった。室内にはテーブルと、それに附随する1組の椅子らしき、表面が粗い木製家具が置かれていた。
彼は恥ずかしがり屋のように見えたが友好的で、子どもたちには「自分は人間を怖がっており、攻撃されても身を守ろうとはしない」と述べた。
その生活については、水は川の水を綺麗にしてから飲み、食べ物は野生の果実を集めていると説明した。実際に野生の桑の実を食べる様子も実演して見せた。その食べ方がまた奇妙だった。彼はまず桑の実を頭に押し込み、三角の眼の間で往復させてから口に落とすのだった。
子どもたちが名を訊ねると、「全色のサム」と名乗った。子どもたちはその正体についても質問した。人間かどうか訊ねると、「違う」と答えた。幽霊なのかという質問に対しては、「必ずしもそうではないが、その一種かもしれない」といった。その他の質問に対しては、「君たちは知ってるよ」とだけ答えた。
そして、最後の答えの後でその姿は突然消えた。しかし奇妙なことに、現場近くにいた労働者は何も異常なものを見ておらず、後日の調査でもサムが住んでいた小屋は見つからなかった。
カラバカの理論によれば、われわれが現実と認識する領域の外縁部分に人が紛れ込んだとき、そこでの理解できないような体験を自分なりに解釈しようとして、潜在意識に蓄えられた情報から無意識のうちに適当なものを拾ってきて何らかの姿を合成し、それを本当に見たと感じるのだという。
このあたりは、これまで見たことのないものを言葉で他人に説明しようとするとき、自分がこれまで見てきたものを引き合いに出す状況に似ているかもしれない。
ただカラバカのいうことは、正しく認識することが困難な現象や状況に直面し、自分自身に何らかの解釈を与えるために、こうした仮の姿を作りあげ、それを目撃したと信じ込むということだろう。
目撃者が本当はどういう体験をしたのかは、おそらく本人にもわからないのだろうが、カラバカによれば、古来伝えられる妖精や悪魔、聖母マリアとの遭遇もこれと同じメカニズムで生じるという。カラバカはこれを「ディストーション理論」と呼んでいる。
「ディストーション」を直訳すると「歪み」とか「変形」という意味になるが、この場合は目撃者本人が事件の本質を歪めて認識しているという意味で、「認識変容理論」とでも訳すべきだろう。
彼の理論に従えば、ハイ・ストレンジネス事例はわれわれの認識、さらにはわれわれが認識する「現実」というものの本質にも関わる問題だということになる。
いずれにせよ、今や大量にリストアップされたハイ・ストレンジネス事例を前に、従来の素朴なUFO理論を見直そうとしている研究家が何人もいることは確かだろう。
●参考資料=「宇宙人大図鑑』(中村省三著/グリーンアロー出版社)、「UFOと宇宙」第18号/64号/66号/67号(ユニバース出版社)、『FLYING SANCER REVIEW』1994年8月号(FSR Publications)
(月刊ムー 2025年1月号掲載)
羽仁 礼
ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。
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