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タイムトラベルで過去へと向かい、自らのアクションによって現在を修正することができるのか? 科学者が徹底的な分析によって導き出した結論は「ノー」だという――!
フランスのSF作家ルネ・バルジャベルが1943年の著作『Le Voyageur Imprudent(軽はずみな旅行者)』で問題提起した「祖父のパラドックス」は、タイムトラベルで過去に行って祖父を殺害するとどうなるのかを考察した思考実験である。
過去に行って自分の父を生む前の祖父を殺せば、自分は存在しないことになる。しかし、自分が存在しないとすれば祖父は殺されることなく結婚して自分の父親をもうけ、そこから自分が誕生してしまう。そして、誕生してしまった自分が祖父を殺しに過去に向かうとすれば……。という堂々巡りが繰り返されるのが「祖父のパラドックス」だ。
ここから得られる“教訓”は、タイムトラベルで訪れた過去の世界を改変してはならないということで、つまるところ我々は過去の世界ではあまり自由に振る舞えないということだ。
しかし、米メディア「Vice」や「Science Alert」の最近の記事では、我々は過去に行っても歴史改変のことを気にせず自由に行動してもよいのだという“朗報”が届けられている。
記事によれば豪クイーンズランド大学の物理学者、ジャメイン・トバー氏は2020年に発表した研究で次のように語っている。
「アインシュタインの一般相対性理論は、タイムループやタイムトラベルの存在を予測しており、イベントが過去と未来の両方に存在する可能性があり、理論的には力学の研究を覆すものとなっています」(トバー氏)
そこでトバー氏は、パラドックスなしでタイムトラベルを可能にするために数学の手法を用い、アインシュタインが予測した「閉じた時間的曲線(CTC)」が自由意志と古典物理学のルールにどのように適合するのか計算した。その結果わかったのは、時空がパラドックスを回避するために柔軟に適応できる可能性があることだった。
たとえば、近年のコロナ禍の例を挙げると、タイムトラベラーが病気の蔓延を阻止するためにコロナ禍前の過去へ旅し、ウイルスの漏洩源を封じ込めるミッションが成功すれば一件落着とも思えるのだが、しかし「祖父のパラドックス」に倣えば、コロナ禍が起きなかったらそもそもタイムトラベラーが感染症撲滅のために過去に行く理由がなくなる。
トバー氏の研究は、タイムトラベラーが過去に行って感染症を撲滅しても、別のルートや別の展開で世界はコロナ禍に見舞われることが示唆されている。タイムトラベラーが過去に行って何をしても、パンデミックは防げないというのだ。
トバー氏によれば、アインシュタインが言うように出来事は過去と未来の両方に同時に存在することができ、しかも互いに独立している。過去と未来を包む“時空”は「祖父のパラドックス」を回避するために過去と未来の間にある矛盾を常に解消しているというのだ。
もしこれが真実なら、映画『ターミネーター』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような有名なタイムトラベルの物語はあり得ないことになる。ターミネーターがジョン・コナーを殺すために過去に送られても、理論的には未来のジョン・コナーを消し去ることはないからである。
トバー氏の理論によれば、ターミネーターは過去のジョン・コナーを殺しても時空は何らかの方法で矛盾を修正し、ジョン・コナーは未来でも生き続け、AIロボットに対抗するのだ。
“天下分け目の戦い”で史実とは異なる展開に転ぶストーリーを描いた歴史改変SFのファンも少なくないが、その一方で「歴史に“もしも”はない」ともよく言われている。
トバー氏によれば、まさに“もしも”は存在しないことになり、さらに考えを進めていけばハードな“決定論”に行き着くことにもなりかねない。タイムマシンが開発されていない以上、未来を予見することはできないが、少なくとも今現在の状況はなるべくしてなっていることになり、必然的な現実であることになる。
未来は決まっているのかもしれないが、その決まっている未来を今のところ我々が知り得ないことが、せめてもの救いということになってしまうのだろうか。とすれば、タイムマシンが完成しないほうがいいという声が多数派になってもおかしくないのかもしれない。
【参考】
https://www.vice.com/en/article/you-can-time-travel-without-worrying-about-changing-the-present-theoretically-at-least/
https://www.sciencealert.com/a-physicist-says-paradox-free-time-travel-is-theoretically-possible
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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