「ナスカの地上絵」以外の謎を追う! 長頭人、3本指ミイラ、恐竜の絵、熱気球… 古代アンデス文明のミステリー/羽仁礼
新たに168もの「ナスカの地上絵」が発見されたことで話題の古代アンデス文明。実は、“ありえない出土品”だらけの謎に満ちた文明でもある。もう一度おさらいしておこう。
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あの「ナスカのミイラ」の指を入手! 成分分析した結果、驚きの結果が得られた。それらは異形の合成生物だったのだ!
2023年9月、メキシコ下院議院の公聴会でジャーナリストのハイメ・マウサンが2体の小型ミイラを公開し、世界に衝撃を与えたのは記憶に新しい。
爬虫類のような顔に、細く長い3本指の手足。体長は60センチほどで、体は白い珪藻土のようなもので覆われていた。当時のマウサンの説明によると、約1000年前のもので、南米ペルー・ナスカからほど近いパルパの珪藻土鉱山の洞窟から発見された30体を超えるミイラのうちの2体だという。
その後の騒動については、ムーでも度々報じているのでご存じの方も多いだろう。マウサンは洞窟から発見された30体を超えるミイラはすべて秘密裏にペルー国外へ運び出され、「ナスカ・ミイラ」と銘打って世界中のコレクターたちの手に渡っていることを明かしているが、もちろん氏以外に保有を公表した者は現れていない。かねてより古代遺物の闇取引には、国境を超え活動する遺物盗掘グループの存在が背後にあることから、ペルー政府もマウサンを「盗人」呼ばわりするなど、かなり厳しい姿勢であることも要因の1つなのだろうか。国際問題にも発展しかねないことから、皆口をつぐんでいるのだろう。
マウサンは他にもミイラが本物だとする複数の証拠を提示しているが、約1年たった今でもその決着はついていない。だが僭越ながら言わせてもらうと、マウサンへの批判はいずれも彼が公開したデータに対する見解であり、第三者が普遍不当な立場でミイラを分析した結果は誰も示していないのだ。
今回、「ムー」は特別にナスカ・ミイラを3体所有している人物「X」とコンタクトを取り、指骨を極秘入手することに成功した。現物は小さいが、骨らしきものが肉眼でも確認できる。
もちろん素人目の目視ではわからないことが多いので、日本初となるナスカ・ミイラの分析調査に挑むことにした。その結果から、これまで誰もたどり着けなかったある秘密組織の存在が浮かび上がってきたのである。
2024年6月、遺跡や生物の自然科学分析を行う民間機関のパレオ・ラボに調査を依頼した。分析対象となるのは、「ナスカ・ミイラの足の指骨」部分である。3本ある足指の1つで、長さは4センチほど。表面は白い粉のようなものもので覆われており、細く軽い。触れた感じは乾燥した木の枝のようである。
残念ながら土壌との交雑が激しいことからDNA解析は見送らざるを得なかったが、X線撮影と指骨の一部を試料に成分分析を実施した。
ーーそして2024年7月末、検査結果を受け取るべく、再びパレオ・ラボを訪れた。
あの「ナスカのミイラ」の正体は、いったいなんだったのか?
結論から言おう。その真偽はというと「哺乳類の骨である可能性が濃厚」というものだった。
マウサンのナスカ・ミイラ発表当初から「土産物」「石膏作品」などフェイクの指摘もあっただけに、人工的なものである可能性もある程度は視野に入れていたが、ムーとしては拍子抜けである。
パレオ・ラボの報告によると、X線透過撮影とδ¹³C値から、この骨は「海洋生物などを食べる雑食性の中型哺乳類のもの」であり、「異なる生き物の骨を組み合わせて作製した可能性が非常に高い」という。また放射性炭素による年代測定では、約1000年前というマウサンの主張とは異なり、1954〜1956年頃のものであることが判明。ただこれは海産物を摂取している生き物に見られる“海洋リザーバー効果”の影響で古い年代になるらしく、それを加味すると、「かなり最近まで生きていた生物」であることが推測されるという。
このことから古くても70年前、つまり現代の生物の骨であるーーその可能性が非常に高いことが判明した。マウサンの「約1000年前の未知の生命体」という主張とは残念ながら大きく離れたデータである。
しかしながら、これですべての謎が解けたわけではない。担当者によると、分析過程のなかで、普通の骨にはありえない、異様とも言える点がいくつも見つかったというのだ。
まずはこちらの画像をご覧いただきたい。
これはパレオ・ラボで撮影した指骨のX線画像である。通常であれば足の指骨は爪先の末節骨から順に中節骨、基節骨の3つの骨で形成されている。しかしこの指骨には、ヒトより関節が1つ多く、4つあるのがおわかりいただけるだろうか。
このことについて担当者は、関節に不自然な“浮き”があること、そして爪先部分を欠いた中節骨から始まっていることから、「複数種の骨をつなぎ合わせて作成されたもの」だと推測している。事実、断面を見せてもらうと、樹脂だろうか。黄色の液体を注入したような痕跡も残されていた。
またさらに、コラーゲン抽出の薬品処理過程では、指骨に貼り付けられた謎の皮も確認できている。これは指骨を丁寧に覆うように付けられていたそうで、動物のものなのか、人間の皮膚なのかは判別できなかったが、“生き物の皮”で間違いないそうだ。
「このような骨は分析したことがありません」と担当者も少々困惑気味の様子であったが、確かにこのようなシロモノはそうそうないだろう。複数の生き物の骨をつなぎ合わせるのみならず、生き物の皮膚を貼り合わせ、さらに珪藻土のようなものでコーティングする——。
これが未知の生命体のミイラではないにしろ、あまりにも異質であり異形である。
そこでさらに、「指」の提供者である「X」から見せてもらったナスカ・ミイラの全身のX線画像をみてもらうと、さらに驚くべき事実が浮かび上がってきた。足指のみならず、全身、複数の骨をつなぎ合わせて作られている可能性が高いというのだ。
古代遺物の偽造品は数多いが、これをただのフェイクとするにはあまりにも手が込みすぎている。
ダミーやフェイクであれば、土人形で事足りるところ、骨や皮を組み合わせ、いわゆるエイリアンの姿を作ろうとした理由とは? そして、これらは何体も生み出され、ナスカからメキシコへ渡っているのだ。
誰がどのような目的で作成したのか。その真相にたどり着くにはまず所有者である「X」の証言から考察していこう。
(続く)
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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