「異星人に拉致されたかもしれない5つのサイン」とは? アブダクション事件を追い続ける作家が考察

文=仲田しんじ

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    アブダクション事件の調査を重ねる作家が明かした、被害者たちに共通する5つのポイントとは!?

     エイリアンによる誘拐、つまりアブダクション事件は世界各地で報告されているが、当人が気づいていないケースも無数にあるといわれている。「ひょっとしたら自分も……」と薄々感じることがあるかもしれないが、アブダクションの被害者(アブダクティー)への取材を重ねている作家のゲイル・アレン氏によれば、実際に誘拐された可能性を示唆する特徴があるという。今回は、アレン氏がアブダクションの代表的事例として挙げる某女性の体験を元に、その5つのポイントを紐解いていこう。

    原因不明の血痕

     1999年の夏、シルビア・ワインロスさん(当時20代)は退行催眠によってに複数回のアブダクション被害を思い出した。彼女が退行催眠療法を受けた理由の1つは、原因不明の血痕であった。

     季節に関係なく毛布を被って眠りに就く彼女であったが、事件前後は朝目覚めると毛布の上で何も被らずに横になっていることが多く、奇妙に感じていたという。そしてある日、ベッド近くの床にポツポツと血が滴った痕跡を発見したのだ。

     どこか怪我をしているのではないかと、自分の脚を詳しく調べても傷は見つからず、さらに全身を隈なくチェックしても何の異常もなかった。

     その後、突如めまいに襲われ倒れそうになったシルビアさんは病院で医師の診察を受けたが、なんと重度の貧血状態であること判明したという。アブダクション中に(まったく痕が残らない方法で)血液を大量に採取されたのだろうか。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

    夢遊病(睡眠歩行)

     アブダクション被害後の一時期、シルビアさんは夜中に眠ったまま歩き回る夢遊病を頻繁に発症するようになったと報告している。

     夢遊病の発作があまりにも頻繁になったため、息子のブライアンは母親が毎晩歩き出すまで起きていることになった。

    「母は恐怖の表情で寝室から出てきました。家の中は快適な温度でしたが、寒そうに両手をこすり合わせて体を暖めようとしていました。独り言で『もう出かける時間よ、もう出かける時間よ』と言っているのが聞こえました」(ブライアン)

     寝室を出たシルビアさんは、廊下の突き当りに置かれている観音開きのクローゼットまで向かって扉を開けようとするのだが、鍵がかかっているため開けられず、いつもイライラした様子を見せていたという。ブライアンはそれを諭してゆっくりと寝室へ連れて帰るのが常であった。そしてベッドで再び眠りに就いた母親は、もう起き出すことなく朝まで就寝するのだった。

     夜ごと続く母の真夜中の散歩。ブライアンはある時、クローゼットに鍵をかけなかったらどうなるのだろうと思いついた。そしてある夜、ブライアンはわざとクローゼットを開けたままにしておいた。

     彼女はいつものように真夜中に部屋から出て来て、クローゼットに直行したのだが、開け放たれたクローゼットの中に手を伸ばすと小さなスーツケースを手に取ったという。

     もちろんこの時もブライアンは母親を寝室に導いて眠りに就かせたのだが、睡眠歩行時のシルビアさんはどこかへ旅に出ようとしていたのだろうか。

    空白の時間

     多くのエイリアン・アブダクション事件で、被害者には時間の喪失が伴う。数分または数時間、極端な場合には何日もの間、自分がどこで何をしていたのか思い出せないことがあるのだ。

     シルビアさんも同様の出来事を何度も経験しており、その中でも最も衝撃的な出来事の一つについて語っている。

    「仕事で私の町に来ていた親友からランチに誘われ、彼女に会えることにとても心が躍ったのを覚えています。着替えた後、玄関に向かいました」(シルビアさん)

     昼の12時半、何事もなく家を出ようとしたシルビアさんに異変が起きる。

    「財布から鍵を取り出し、玄関のドアノブに手を伸ばした瞬間までは覚えています。次に気がついた時には、鍵を手に持ったままベッドに寝ていて、目覚まし時計の時刻は午後3時20分でした。私はほぼ3時間、時間を失っていたのです」(シルビアさん)

     彼女は急いで携帯電話をチェックすると、親友からの留守電メッセージが2件残されており、なんと言い訳していいのか途方に暮れたのだった。

    画像は「Pixabay」より

    医療処置の夢

     エイリアン・アブダクション後によく見られるもう一つの兆候は、仰向けになって不可解な治療や処置を受けている夢を見ることである。アブダクティーたちは、器具を持った異星人によって身体を切られたり、針を刺されたりして実際に痛みさえ感じる夢を見ることが多いという。

     ほとんどの場合、夢は恐ろしい医療的拷問そのもので、台の上で身動きが取れず、助けを求めて叫ぶことさえできない。シルビアさんもそうした夢の1つを思い出している。

    「最も恐ろしかったのは、暗闇を見上げている夢でした。周囲に光はありませんでしたが、何かが動く音や囁き声が聞こえました。1秒後、胃に鋭い痛みを感じました」(シルビアさん)

     痛みを感じる部分に手を伸ばしたくとも、全身がまったく動かせなかったという。その後、夢から目覚めたシルビアさんはベッドに座り、お腹に手を当てて泣き出した。腹痛があまりにもひどく、1時間にわたり何度も嘔吐したのだった。

    「どこが悪いのか分かりませんでしたが、なにかされたことだけは確かでした」(シルビアさん)

     同じく動けない状態で目に針を刺される夢も見たということだが、不思議なことにその翌朝から悪かった視力が回復し、以来、シルビアさんはメガネが不要になったという。

    画像は「Pixabay」より

    明るい光

     アブダクティーは退行催眠下で、明るい光が目の前に現れたり、家の窓から差し込んだことを思い出して極度の恐怖に襲われることが知られている。この出来事は、誘拐の前兆として脳に刻み込まれており、患者をパニックと不安に陥らせている可能性がある。実際、シルビアさんも明るい光に何度も襲われている。

    「ベッドから持ち上げられ、明るく白い光で目が眩むことを思い出しました。ほんの一瞬それを見ただけで、私は意識を失い、冷たい金属のベッドの上で再び目覚めるのです」(シルビアさん)

     明るい光のことを思い出して以来、シルビアさんは車のヘッドライトや道路標識の反射など、明るいものすべてに恐怖を覚えるようになり、日没後には外出できなくなった。

     シルビアさんはホテルで一夜を過ごしたときのことを次のように振り返っている。

    「朝、私は床の上で目が覚めました。ナイトガウンは背中から引き裂かれ、裏返しに着せられていました。最初は襲われたように感じましたが、ドアは内側から施錠されており、私は一人でした」(シルビアさん)

     いったいなぜ床で寝ていたのか。そして、なぜガウンが切り裂かれ、裏返しで着せられていたのか。

    「落ち着きを取り戻した後、服を着て朝食のため階下に降りました。ホテルのフロントデスクの前を通りかかったとき、2人の宿泊客が真夜中に窓に差し込む明るい白い光について苦情を言っているのが聞こえました。フロント係は、ホテルの外にそんな明かりはないと説明していました」(シルビアさん)

     明るい光を放つUFOがホテル付近にやって来たのだろうか。そして、シルビアさんは就寝中に誘拐されていたのだろうか。

    画像は「Pixabay」より

     アブダクション被害者は遭遇中も遭遇後も、恐怖、混乱、無力感を訴えることが多く、中には心的外傷後ストレス障害(PTSD)に似た長期にわたるトラウマを経験する者もいれば、被害をきっかけに異星人に魅了されその謎を探究する者もいる。ここに挙げた5つの兆候はエイリアン・アブダクションを疑ってみるガイドラインになりそうだ。

    【参考】
    https://anomalien.com/5-warning-signs-you-may-have-been-abducted-by-aliens/

    仲田しんじ

    場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
    ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji

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