絶滅したはずのタスマニアタイガーを激撮か!? 背中に縞模様が並ぶ“奇妙な動物”に科学者が調査へ乗り出す

文=webムー編集部

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    世紀の大発見へとつながるのか──。約90年前に絶滅したとされるタスマニアタイガー(フクロオオカミ)らしき動物の目撃・撮影報告が世界を駆け巡っている!

    背中の縞模様までくっきり

     絶滅したはずのタスマニアタイガーに遭遇したと主張しているのは、4月に父親と一緒にオーストラリア・タスマニア島を訪れていた「ザック」と名乗る男性だ。正体不明の動物を捉えた写真をインターネット上で共有したところ、野生生物学者のフォレスト・ガランテ氏の目にとまり、同氏が自身のYouTubeで取り上げたことで一気に注目を集めることになった。

     ザック氏によれば、その動物に遭遇したのは父親と車を走らせていたときのこと。当初は「負傷した犬」だと思って車を路肩に停め、動物に近づいたという。ところが、その動物は接近する2人に対して牙をむき、「ニャー」というネコに似た鳴き声を発して茂みの中へ。ザック氏は動物の不可解な反応に後退しながらも急いでカメラを取り出し、複数枚の写真撮影に成功した。

    画像は「Forrest Galante」より引用

     撮影直後はディンゴの可能性も考慮したザック氏だが、写真を友人に見せたところタスマニアタイガーではないかと指摘された。よく見てみると、尖った耳や鋭い歯が並んだ口、なにより背中から腰にかけて刻まれた特徴的な縞模様が、標本などで記録が残るタスマニアタイガーと同じとしか思えない。

     世紀の発見につながる可能性のある写真撮影に成功したザック氏は、その後、ガランテ氏のオンラインインタビューに対応。マフラーなどで顔を隠した(一見奇妙な)出で立ちのザック氏に対し、ガランテ氏は懐疑的な感情があったようだ。しかし、撮影された生き物については、大きな顎・骨格・背中の縞模様から「偽物である証拠を見つけることが難しい、驚くべき説得力の写真」と認めていた。

     ちなみに、タスマニアタイガーはフクロ“オオカミ”の名がついているが、正確には有袋類に分類される固有種。1936年に飼育下の個体が死亡し、絶滅したと考えられている。今回のタスマニアタイガーらしき動物について、ガランテ氏が本格的な調査・分析に乗り出すということなので続報を待ちたい。

    絶滅動物を「復活」させる試みも

     生存説が囁かれている絶滅動物はタスマニアタイガーに限らない。たとえば体長が約15メートルにおよんだ古代の巨大ザメ「メガロドン」も、約200万年前に絶滅したとされながら深い海の底で生き延びていると推測する声は多い。日本でも「ニホンオオカミ」や「ニホンカワウソ」の目撃情報が寄せられており、全国ニュースで取り上げられるほどの注目度の高さだ。

    画像は「Colossal Biosciences」より引用

     絶滅動物を科学技術によって復活させようという試みもあり、「ケナガマンモス」や「ドードー」が有名なところ。いずれもアメリカのバイオ企業コロッサル・バイオサイエンスがクローン計画を進めており、ケナガマンモスについてはアジアゾウのiPS細胞をマンモスの遺伝子に改変した上で、2028年までに復活させたいという。

     科学の力で絶滅動物を見ることができる時代が目前まで迫っているのか。夢のある話だが、現存する生態系への影響や現代の環境に対する適応力、倫理的な観点といった問題も山積みの状況だ。いずれにせよ、絶滅動物にまつわるエピソードはこれからも人々の好奇心を刺激してくれるに違いない。

    【参考】
    https://www.coasttocoastam.com/article/video-tasmanian-tiger-photographed-by-tourist/

    webムー編集部

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