米最高機密「ヴァンデンバーグUFO事件」に新展開! UFOが核弾頭を攻撃する瞬間を目撃した軍人の証言と映像の行方

文=仲田しんじ

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    1964年に起きた米国家安全保障に直結する重大UFO事件。UFOが核ミサイルを攻撃したといわれる謎多き事件に、新たな動きが起きている――。

    「ヴァンデンバーグUFO事件」に新展開

     1964年9月15日、アメリカ空軍が行った模擬核弾頭搭載ミサイルの発射実験。この時、打ち上げられたミサイルにUFOが接近し、弾頭めがけてレーザー光線を発射した。
     都市伝説のようなエピソードだが、その光景を収めた録画ビデオがどこかに存在していると、1982年に当事者の一人である軍人の口から語られている。

     そして、今年1月の「webムー」の記事ではアメリカ当局が隠蔽していたこの映像がリークされた可能性を指摘したが、本件に新たな動きがあったようだ。なんと、当時の米軍関係者による複数の新証言が浮上してきたのだ。

    画像は「The UFO Chronicles」の記事より

     空軍基地の名前をとって「ヴァンデンバーグUFO事件」や、大掛かりな撮影機材が設置された場所ににちなんで「ビッグ・サーUFO事件」などと呼ばれている本件だが、問題のビデオには、ミサイルから模擬核弾頭が分離された直後、どこからともなくやってきた円盤型UFOがミサイルの周囲を旋回し、その後、弾頭に向けて4本の光線を発射する様子が映っていたといわれている。

     そして当時、このビデオを見たとされるのが、実験に参加していたアメリカ空軍のボブ・ジェイコブス氏(当時中尉)と、フロレンゼ・マンスマン氏(当時少佐)だ。

    画像は「Daily Mail」の記事より

     実験の2日後、撮影班による映像が披露されたのだが、会場となった部屋の中には見知らぬスーツ姿の2人の男がいた(後にCIAエージェントであったことが示唆されている)ことがジェイコブス氏とマンスマン氏の口から語られている。

     そして上映後、2人のCIAエージェントは映像を押収し、この件を絶対に口外してはならないと厳命したのだった。

     ジェイコブス氏は軍を退役した後、1982年に本件について暴露したことで世に知られることになったのだが、これまでは同氏の証言だけであり、他者によって裏付けられてはいなかった。

     ちなみに、この時に押収された映像は「アメリカ政府が絶対に世に知られたくない映像の1つである」と元米空軍パイロットでUFO研究家のクリス・レート氏は指摘している。

    ※参考動画 YouTubeチャンネル「Ancient Aliens」より

    映像を見たもう1人の人物

     以来、本件についての話題はあまりなかったのだが、作家のロバート・ヘイスティングス氏が調査を再開したことで、最近になっていろいろなことが浮き彫りになってきた。

     鍵を握る人物の1人が、2007~12年にかけてペンタゴン内に存在していた極秘UFOプロジェクト「先進航空宇宙脅威識別プログラム(AATIP)」のディレクターを務めていたルイス・エリゾンド氏である。

    ルイス・エリゾンド氏 画像は「Daily Mail」の記事より

     ヘイスティングス氏によれば2023年2月、(AATIPの後継組織で)現在のペンタゴンでUFO調査を担っている「全領域異常解決局(AARO)」の上院調査官(匿名希望)が極秘情報を暴露した。なんと、エリゾンド氏がAATIP在職中に「ビッグ・サーUFOフィルム」へのアクセスを許可されたことを非公式に認めており、実際に映像を見たことを報告しているというのだ。

     また、昨年7月にアメリカ下院で開かれた「UFO公聴会」の証言者の1人、元空軍将校のディヴィット・グラシ氏もまた、エリゾンド氏がこの映像の存在を認めていたと証言している。

     ヘイスティングス氏の情報筋によると、1964年9月15日のミサイル発射に関するレーダー記録が発見され、事件発生時、模擬弾頭の近くを飛行していた未確認飛行物体をたしかに認識していたという。

     分析ではこの未確認飛行物体が何らかの破片であった可能性も考慮されており、前述のジェイコブス氏は、模擬弾頭がミサイルから分離された際に金属製のチャフ(レーダー妨害物)に囲まれていたことを示唆している。

     弾頭をチャフで囲むことによって、ソ連のレーダーに正確な位置を特定されなくなるかどうかを空軍が検証した可能性もあるという。

     つまり、ミサイルの周囲を旋回していたとされるUFOはこのチャフであった可能性もあるというわけだ。もちろん、正真正銘のUFOだった可能性も残されているのだが、チャフの技術も極秘であったと考えると、レーダー記録報告書の作成者には、その正体を判別することはできなかったと思われる。

     とはいえ、一説によれば1980年代にフロレンツェ・マンスマン博士(当時スタンフォード大学の非常勤生体医工学研究者)が本件の映像を詳細に分析した結果、UFOは中心がドーム状に膨らんだ円盤型、かつ回転飛行しており、「地球外由来のものと想定される」と報告したという。

    「ヴァンデンバーグUFO事件」あるいは「ビッグ・サーUFO事件」は、UFOがアメリカ軍の核兵器システムの一つに干渉したと思われる記録であることから、軍事的にも国家安全保障的にも最も重大なUFO事件の一つだろう。

     現在進行形で続けられていると思われるAAROの調査で、今後どのような新証言が明らかになるのか引き続き注目していきたい。

    【参考】
    https://www.theufochronicles.com/2024/02/big-sur-ufo-film-government.html

    仲田しんじ

    場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
    ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji

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