神隠しから生還した6つの事例! 同じ場所で2度消えた悲劇やロボット祖母の謎/仲田しんじ
行方不明や失踪事件は毎年一定数が発生するものだが、不可解なのは、いったん姿を消したものの、その後に本人がひょっこりと現れるケースだ。いったい今までどこへ行っていたというのだろうか――。
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通勤で飽きるほど通ってきた道路の景色が突然、異世界に変わってしまった――。パラレルワールドへ迷い込んでしまった男性の摩訶不思議な体験談。
自分が生きている現実は1つしかないが、自分とは全く関係のない現実が数多くあると考えてみれば、パラレルワールドが理解しやすくなるかもしれない。
自分には縁もゆかりもないといえるパラレルワールドであるが、何かの間違いで奇跡的に接点を持ち束の間、並行して存在する世界に足を踏み入れてしまうことがひょっとすると起こり得るのかもしれない。
1986年11月9日の午後11時15分、仕事を終えたペドロ・オリバ・ラミレス氏は車を走らせスペイン・セビリアからアルカラに向けて帰宅の途に就いていた。
何度も通っている勝手知ったるルートであり、いつもと変わらぬ景色の中、片道一車線の道路で車を走らせていたラミレス氏だったが、カーブを曲がり終えると突然、片側3車線の広々とした道路が目の前に広がったのである。
道路だけではなかった。左側には広大な平原が広がっており、高さ80メートルほどもあるライトアップされた大きな工場が6つほど建っていた。
道路の右側には、20階建てほどのマンションが何棟か建っていた。道路の左右どちらの道端にも高さ70センチほどの草がうっそうと茂っていた。
見慣れない光景に驚いたラミレス氏は、どこかで道を間違えたのかとも思ったというが、そう思った矢先に車内に熱気が侵入してくると共に、遠くから合唱団の声が聞こえてきたのだ。
そして数メートル先の路上に大きなサッカーゴールのようなものが見えてきて、車がそれを潜り抜けようかという瞬間に、合唱団の声の1つは、彼が地球外生命体によって別の世界に転送されたことを伝えたというのだ。ラミレス氏はパラレルワールドの世界に迷い込んでしまったのだろうか。
どうしたものかと思いつつも、ラミレス氏はその道を1時間ほど走った後に車を路肩に停めた。
15分ほど外に出て歩くと交差点があり、3つの方向を示す標識を見つけた。一方の方向はマラガ、別の方向はセビリア、そしてもう一方の方向はアルカラである。
車に戻ったラミレス氏は、いったん引き返すためにセビリア方面に向けて車を走らせた。
しかし、どういうわけか少し走らせて左を見ると、アルカラにある自宅の前に来ていたのだった。いったいどういうことなのか。
この不可解な事態に納得できなかったラミレス氏は、再び元の道を引き返して交差点を探すことにしたのだが、3つの標識がある交差点もなければ、片側3車線の広い道路も見つけることができなかった。
普段はセビリアとアルカラ間のルートの所要時間は30分ほどであったが、この時すでに3時間以上が費やされ、走行距離は200キロメートル以上にもなっていて、その分のガソリンも消費していた。いったい何が起こったのか?
この日の自分に何が起きたのか、ラミレス氏はその後も個人的に調査と検証を行ったというが、謎の解明にはほど遠いという。やはり束の間パラレルワールドに滞在していたのだろうか。
パラレルワールドの概念は古代ギリシアにまで遡ることができるというが、このアイデアが実際に定着したのは1957年にヒュー・エベレットが最初に「多元宇宙理論」を提唱し、我々の世界が無数の他の世界と平行して共存していることを示唆してからのことである。
エベレットの理論から一歩進んで、時間と空間のさまざまな時点でパラレルワールドへ出入りできる可能性が語られるようになり、SFなどのフィクションの魅力的なアイデアとなっている。また、実際にパラレルワールドに訪れたと思われる証言や体験談が、少ないながらも報告されているのはご存知の通りだ。
数々のストーリーの中にあって、ラミレス氏の場合は車を運転中にパラレルワールドに迷い込んでしまったとすれば、きわめて興味深いレアケースとなるだろう。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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