エイリアンに血を奪われた! 1983年のアブダクション事件の真相/遠野そら

文=遠野そら

    1983年、エイリアンにアブダクションされたーー! 約40年前の生々しい体験告白が、今、改めて調査されている。

    1983年、アルゼンチンのアブダクション・ケース

    「エイリアン・アブダクション」。これまで人類がエイリアンに連れ去られた事件は1億件以上という。しかし、その記憶を失っている者も多いため、被害者の数は未知数だといわれている。中には記憶を失うことなく解放される者もいるが、彼らの証言に懐疑的な目を向けるメディアも少なくはない。

     1983年にアルゼンチンで起きたエイリアン・アブダクション事件もその1つだ。事件から約40年の月日を経て、やっと本物と認められた数少ないケースである。以下で紹介しよう。

    当時の現地報道 https://www.wini.ar/post/winifreda-el-caso-de-julio-platner-fue-real-afirma-el-centro-de-estudios-ufo

     1983年8月9日夜7時30分過ぎ。事件はアルゼンチン中部に位置するラ・パンパ州ウィニフレダという小さな農村で起きた。当時33歳だったフリオ・プラトナーは、知り合いの農場へ穀物の買い付けに来ていた。その帰り道のこと。農場の入り口へ向かいトラックを走らせていると、木々の間から何かチカチカした光るものを目撃した。
     しかし、知り合いから「なぜか家畜が敏感になっている。敷地の門は閉めて帰ってくれ」と言われていたため、特に気には留めていなかった。

     プラトナーが入り口に到着し、門を閉めるためトラックを降りた時。突然、まばゆい光の塊がプラトナーに向けて照射されたのだ。それは溶接光のような、刺すように眩しい光で、目を開けていられないほどの眩しさにプラトナーはとっさに右腕で顔を覆った。だが、覚えているのはそこまでで、次に目を開けた時には、広々とした明るい球状の部屋にいたのだ。

     プラトナーは、歯科医院のストレッチャーのような椅子に座らされており、奇妙な生命体がジッと覗き込んでいたという。生命体は4体で、身長は約160~170cmほどのヒト型だったそうだ。

    https://www.wini.ar/post/winifreda-el-caso-de-julio-platner-fue-real-afirma-el-centro-de-estudios-ufo

    “奇妙な”と表現したのは、その細部である。体つきは人間によく似ていたが、髪の毛や耳はない。鼻は平らで、顔の中心に小さな穴が2つ開いているだけだった。特に特徴的なのは目の部分だ。突き出た大きく丸い目にはまぶたが無く、まるで大きなゴーグルをしているように見えたという。彼らは灰色がかった緑色のボディスーツのようなものを着ており、皮膚と一体化しているように見えたそうだ。

     彼らは何か会話をしていたが、その内容は分からなかった。しかし1人がプラトナーの左肩に手を置いたかと思うと、細いチューブが現れ、あっという間に血液が管の中に吸い込まれていったそうだ。プラトナーによると、この時、刺さる感触や痛みはまったく感じなかったという。

    UFO研究家が「本物」と認定

     当時プラトナーを診察した医師は、左腕には血液採取時に見られる静脈の刺し跡があった、と証言している。だがそれはかなり細く小さなもので、一般的な注射跡のものではないという。また、プラトナーの体には他にも複数の刺し跡が見つかっていることから、肉付きの良い氏から何度も採血を試みた痕跡ではないか、ということだ。

     人口わずか1700人ほどの小さな田舎町で起きたこの事件は瞬く間に注目を集め、周辺メディアでも大きく取り扱われた。

     40年以上にも渡りUFO調査を続けているCEUFO研究センターの所長キケ・マリオは、客観的な調査の結果、“本物の”エイリアン・アブダクション事件で間違いないと結論付けている。また他にもラ・パンパ州で起きているエイリアン・アブダクション事件は、すべて同じエイリアンが関与していると主張しているのだ。
     これが事実だとすれば、果たしてエイリアンは何も目論んでいるのだろうか。今後の調査に注目していきたいと思う。

    (2022年4月11日記事を再編集)

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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