メキシコ大統領が「妖精アルクスの写真」公開! 唐突な先住民文化への敬意の真意は?

文=webムー編集部

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    メキシコの大統領が突然「妖精」の画像をツイート! 先住民への愛とリスペクトを示したはずが、事態は意外な方向へ…!

    突然公開された不気味な写真

     メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領(69)が、あまりにも唐突に“妖精”の写真を公開して国際社会に激震が走っている。

     26日、同大統領は何の前触れもなく「マヤ観光鉄道(Tren Maya)の工事現場で働くエンジニアが3日前に撮影した」と、ツイッターに不気味な画像を投稿。そこには、木の上からこちらを見つめる謎の存在の姿がハッキリと写っていたが、大統領は「どうやら『アルクス』のようですね。何もかもが神秘的です」と付け加えた。

    「アルクス(Alux)」とはマヤ文明の伝説に登場する森の妖精で、身長は30~45cm、畑を守ってくれる存在だが、感謝を怠るとモノを隠したり驚かすなどの悪戯をしてくるという。

    粘土で作られたアルクスの置物 画像は「Wikipedia」より引用

     しかし、今回の写真はがっしりした体格、頭部には長い白髪か布を巻き、光る眼でこちらを睨みつけており、悪戯好きのかわいい妖精というよりも不気味で恐ろしいビジュアルだ。

    先住民への愛あふれるツイートだったはずが… 衝撃展開!

     それにしてもロペス・オブラドール大統領は、今回なぜ妖精の写真をシェアしたのか? 実は、これまで大統領はメキシコ先住民族の伝統文化や信仰について並々ならぬ関心を寄せてきた人物であり、観光や経済振興の基盤にしようとマヤ観光鉄道の建設を強力に推し進めてきた人物である。2年前には16世紀以降のスペイン支配によって先住民族が受けてきた迫害を公式に謝罪。さらに、思いを共にするベアトリス・グティエレス夫人は、欧米のファッションブランドが先住民の伝統意匠を盗用していると訴え続けている。つまり、ツイートの根底には先住民とその文化に対する溢れんばかりの愛とリスペクトがあったのだ。

     ところが、である。今回のツイートを受けて驚きの声が次々上がる一方、実は問題の写真が2年前にネット上で出回り、当時「魔女ではないか」と一部で騒ぎになっていたことが判明。少なくとも大統領がツイートした(工事現場のエンジニアが3日前に撮影したという)話は、真っ赤なウソであることが発覚したのだ。

    ロペス・オブラドール大統領 画像は「Wikipedia」より引用

     先住民へのリスペクトを示し、メキシコ文化の奥深さを世界にアピールしたつもりが、すっかり空回りに終わってしまった大統領だが、どのような経緯でこの画像のことを知り、そして鉄道の工事現場で撮影されたと思ったのか、いくつもの疑問が残る。いずれにしても、これが謎多き奇怪な写真であることに変わりはない。今後、大統領がさらに何らかのアクションを起こすことはあるのか、注目しておこう。

    【参考】
    https://www.telegraph.co.uk/world-news/2023/02/26/mexican-president-claims-has-proof-mythical-woodland-elf/

    webムー編集部

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