絶滅したはずのタスマニアタイガーが生きていた!/MUTube&特集紹介 2024年8月号
オーストラリアのタスマニア島で、観光客が背中に縞模様がある4足歩行のオオカミのような姿をした生物を撮影した。絶滅したはずの「タスマニアタイガー」が生きていたというのか。三上編集長がMUTubeで解説。
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UFO事件史において、多くの謎を残すロズウェル・ケースは、「墜落事件」というカテゴリにおいて" 初"とされている。 だが、ロズウェル事件発生の6年前、ミズーリ州でUFO墜落事件が起きていたのだ。歴史の闇に葬られた、知られざるUFO墜落事件を紹介しよう。
目次
2021年1月、CIA(アメリカ中央情報局)が、秘匿していた数千点におよぶUFOの関連文書を公開し、同年6月にはペンタゴン(アメリカ国防総省)が、UFOをUAP=未確認空中現象と名称をあらため、かつUFOの存在を認めた。日増しに熱を帯びていくUFO情報だが、知られざるUFO事件が存在する。
「ケープジラードUFO墜落事件」。1941年に、アメリカ、ミズーリ州の港町で起きた事件であり、“最初のUFO墜落事件”として知られている。
この事件を長年にわたりリサーチしている研究家、ポール・B・スミスは、「1941年にミズーリ州にUFOが墜落したにもかかわらず、軍および政府は今日まで秘匿しつづけている」と主張している。続けて、今回の公式発表において何も提示されないことに落胆し、追いつづけてきたUFO事件が望まない形で終結しつつある、と警鐘を鳴らしている。
筆者もスミスの主張に同感だ。実際に、この事件関係者の多くが高齢で、証言の優位性が認められないまま、闇に葬られる可能性も日毎に高まっている。このままUFO史から消え去ってしまうにはあまりに惜しい事件だ。
本稿では、目撃者の遺族やリサーチャーたちが蒐集した情報を再検証し、今一度、秘匿された“最初のUFO墜落事件”を紐解いていきたい。
1941年4月のある夜、ミズーリ州南東にある港町ケープジラードで事件は起こった。
午後9時すぎ、町のパプテスト派教会付で牧師を務めるウィリアム・ハフマンは、突然の呼び出しを受けた。町のはずれで墜落事故があり、犠牲者を弔ってほしいという依頼だった。
事故現場は町から13〜15マイルほど離れた場所。迎えの車で現場に到着したハフマンは、目の前に広がる光景に驚愕した。
自身が知る航空機の類いは1機もなく、金属的な質感を持った、つなぎ目がまったくない“巨大な円盤”が墜落していたのだ。周囲には搭乗員と思しき3体の亡き骸が横たわっている。
衝撃で一部が破損しており、覗いてみると、操縦席らしきところに小さな金属製の椅子、ダイヤルやケージのような計器類が並ぶパネル状のものがあった。象形文字のような模様がいたるところに刻まれていたが、どれも見たことのないものだった。機体に延焼は認められなかったという。
動揺を隠せなかったハフマンだったが、神父の務めをはたそうと遺体に近づいたとき、さらに驚くべき事実を目の当たりにすることになる。なんと、円盤の周囲に横たわった3体の遺体すべてが“人間”ではなかったのだ。
身長は120センチほどと小柄で、細長い手足をしており、異様に長い指は人間のものとは明らかに異なっていた。3体ともすでに絶命していたが、目立った外傷がなかったという。“墜落の衝撃で命を落としたのだろう”そう思いながら、ハフマンは祈りを捧げ、儀式を執り行った。
現場では、警察官や消防官が慌ただしく動き回り、記録担当のカメラマン、FBIと思しき男たちもいた。祈りを捧げた遺体が抱えられるようにして運ばれていき、やがて軍関係者が到着した。
軍人のひとりが、“国家安全保障上の問題”という言葉を用いて、現場に居合わせた人間全員に「この場で目にしたことを口外しないように」と伝えた後、銀色の円盤や破片をはじめ、無気味な遺体など現場に散乱した“すべて”を回収していったという。
その後、メインストリート1530番地の自宅に戻ったハフマンは、目の当たりにした光景をひとりで抱え込むことはできなかった。妻や息子たちに自身が見たことをすべて伝えたのだ。以後、事件は一家の秘密となり、公の場で語られることはなかった。
以上が、ケープジラードUFO墜落事件の概要である。これはハフマンの孫娘シャーレットが、祖母から幾度となく聞き取りを行い、整理した情報だ。事件当時、幼かったシャーレットは、父と伯父が“事件”について話し合う場面に何度か遭遇しており、成長とともに断片的な記憶を確かなものにしたいと考えていた。
しかし物証がなく、重要な目撃者と証言者が故人であり、伝えられる話も関係者本人から聞き取りしたものではない。以上の経緯から、事件が重要視されない原因となっている可能性は否定できない。
だが実は、その後に起こるUFO事件とケープジラード墜落事件を紐づけることで、ある種の正当性が浮かびあがってくるのだ。そのヒントは、当時のさまざまな記録文書に残されている。
まず、祖父ハフマンが遺した秘密を解き明かすべく、シャーレットは信頼を置くUFO研究家のレイモンド・ファウラーに事件の概要を記した手紙を送った。その後、ファウラーは盟友レオナード・ストリングフィールドと情報を共有し、事件を公にすることにしたのだ。協力者を得たシャーレットは、真相究明へと大きく踏み出した。
調査の過程で、シャーレットが欲していた“確たる証拠”が、ワシントンの公文書館に保管されていることが判明した。
『MAJIC極秘大統領文書』と呼ばれる書簡である。その項目に「回収ずみレンズ状航空体に対するミッション評価:情報査定)」というものがあり、記録された日付は1947年9月24日となっている。
文書には、『パート3:科学的確率』、『パート5:国家安全保障構造』の2か所に、“1941年の回収事例”に関する直接的な記述が記録されている。まずは一部が黒塗りになったパート3の記述から見てみよう。
「AMC、AFSWP、NEPA、AEC、ONR、NACA、JRDB、RAND、USAAF、SAG、MITによって現在検証中の回収物に関し、現時点で得られるすべての証拠要素から、問題の回収物は地球外由来の物体と考えられる。この結論は、1941年の××××(※黒塗り部分)発見物との比較の末に導き出されたものだ。物体の有する科学技術は合衆国が有するものの範疇外にあり、ドイツのロケット・航空機開発技術をも凌ぐ」
シャーレットたちは、黒く塗りつぶされたスペースに「from the Missouri(ミズーリ州における)」という文言がぴたりと収まることを発見した。
実際に当てはめることで、文全体の整合性と内容に関する証言とも一致する。
もちろん、ほかの文言が当てはまる可能性はある。だが、その言葉=事例をすぐに筆者は思いつけない。では、次にパート5の内容を見てみよう。
「1942年初頭から現在まで、未確認飛行物体の領空侵犯事例が記録されているが、政府情報機関による本格的調査はいっさい行われていない。1941年の回収事例に関してさえ、情報機関が意思を統一して行動を起こすことは実現せず、技術的進歩を目的とした行動はマンハッタン・プロジェクトしか存在しない」
ここでは1941年の事件も含め、未確認飛行物体検証のための協調体制の不備が論じられている。
実は、そもそも『MAJIC極秘大統領文書』は、あの疑惑に満ちた『MJ‐12文書』と同系列のマジェステイック文書であることが知られており、一部でフェイク説が指摘されている。だが、同文書にはフェイクとは考えにくい記述が多々記されている。
詳細は紙幅の都合で省くが、たとえば「中性子」「人工知能」「重航空機」といった独特な語彙、文書全体の言葉遣い、人物に関する正確な記述、謎に対する洞察力など、さらには、書式と文書番号の側面から判断する限りでは、文書はフェイクではなく本物である可能性が高い。
つまり、シャーレットたちの推測通り、黒塗り部分がミズーリを指しているのであれば、これらの文書はケープジラードの墜落事件を論じた証拠のひとつとなるのだ。ほかにも証拠が存在する。政府要人が残したメモだ。
1942年にジョージ・マーシャル陸軍参謀総長と、当時の大統領フランクリン・ルーズベルトの間でやり取りされた「ロサンゼルスの戦い」における極秘メモが存在する。事件を読み解くうえでもっとも古く、重要な文書だ。
同年2月25日、ロサンゼルス上空に飛来した未確認飛行物体に対する見解を示したマーシャルのメモは、「謎の飛行機は地球上のものではなく、惑星間のものである可能性が高い」という主旨で、陸軍特別部隊の創設、詳細な調査が必要であることを強く進言している。だが、興味深いのは事件から2日後に大統領がマーシャルへ送ったメモの内容だ。
「私は、戦争の超兵器開発において極めて重要になると考えられる、現時点で軍部が保管している物体の譲渡について考えている。この問題について、米国防研究委員会のヴァネヴァー・ブッシュ博士をはじめとする科学者たちとの討議が重ねられ、天空の装置を通して得られる原子の秘密要素の実用性を見出すという問題が討議された」
記述にある「軍部が保管している物体」「天空の装置」がUFOを指していることは間違いない。大統領はUFOテクノロジーを軍事運用するために“譲渡”することを示唆している。
だが、「ロサンゼルスの戦い」において撃墜された機体はなかったとされている。仮に、実際には回収、保管されていたとしても、大統領が保管の事実はおろか、UFOテクノロジーの詳細を、事件発生の2日後に把握できたのであろうか。
論理的に考えれば、メモにある“譲渡”の対象は“以前から軍部が保管していた機体”だと考えるのが自然だろう。
また、FBIの初代長官エドガー・フーバーもこの事件に介入しており、未確認飛行物体について、手書きのメモを残している。彼は、情報操作のためにあらゆる協力をすると前置きしたうえで、“ロサンゼルスの戦いより以前”から、FBIに未確認飛行物体の機密に対してアクセス権がないことに不満を示し、軍と同様の権利を与えるよう進言している。
つまり、フーバーのメモは、1942年以前に軍部によって未確認飛行物体が回収、保管されていることを前提に記述しているのだ。
なお、例にあげたルーズベルト大統領やフーバー長官のメモは専門家によって、筆跡と文体、同時に日付や書式も、正真正銘本人のものであることが確認されている。だとすれば、当時の政府要人が重要視するUFO墜落事件が1942年以前に発生していたことは間違いない。
だが、これらの文書やメモが本物であったとしても、ケープジラードUFO墜落事件の証拠としては、まだ弱い。目に見える形の物証が必要だ。
ここまで物証の存在について触れてこなかったが、実は現場で撮影された写真が存在する。事件から約2週間後、懇意にしていたカメラマン、ガーランド・フロナバーガーが祖父ハフマンのもとを訪れ、「必要なときがくるかもしれない」と現場写真を手渡していたのだ。
フロナバーガーは、腕利きの写真家として活躍しており、事件当夜に現場にいたと目されている。シャーレットは、彼の真意はわからないものの、ハフマンが手渡された写真を鮮明に記憶しているという。
「写っていたのは、ふたりの男性に抱えられた遺体です。小さな人間のような外見で、身長は120センチくらい。両側から、わきの下に手を入れられて抱えられていました。
裸の状態なのか、服を着ているのかはわかりませんでした。皮膚は柔らかい質感で、しわがよったアルミ箔のような感じでした。それほど厚くはありません。骨格はまったくないように感じられました。両腕はとても長くて、指は3本と記憶しています。目は楕円形、口は切れ目にしか見えませんでした。耳があるべき場所には小さな穴しかありませんでした。特に印象に残ったのは両目です。とても大きな目ばかりに意識が行って、両脚の部分はよく見ていません」
この写真が現存していれば、ケープジラードは最初のUFO墜落事件が起きた場所として人々に記憶されていたことだろう。だが残念なことに、
この貴重な証拠は失われたのだ。1953年ごろ、シャーレットの父ガイが知り合いのカメラマンであるウォルター・フィスクに家族の秘密を明かし、証拠として写真を貸し出してしまったのである。
真実を明らかにするために、シャーレットは彼に再三にわたって返却を求めた。だが、フィスクが応じることはなかった。シャーレットはいずれ手元に写真が戻ってくることを信じていたが、無残にも決定的な証拠は戻らず、時が過ぎていった。
1921年生まれのフィスクは、現在100歳。彼に正確な証言を求めるのは困難であり、そもそも存命であるかも定かではない。
また、前述したように、事件関係者の多くがすでに他界している。
事件直後にFBIアカデミーに選抜という前例なきステップアップをはたした警察署長マーシャル・モートン、詳細な出動記録を残した消防署長カール・J・スミス所長、現場にいた保安官リューベン・ジェイドの“証人”たちは、1974年から1986年の間に亡くなってしまっているのだ。
今後、軍が秘匿していた物証が開示されても、裏づける目撃者や証言者なしに事件の全容を明らかにするのは難しい。情報公開が遅れるほど困難さは増していくのである。
ケープジラードUFO墜落事件は、UFO事件史の時系列を辿り、紐づけることによって、ある程度の実在性を証明できるところまできているはずだ。もし今後、情報開示されるのであれば、迅速な対応が望まれる。加えて、開示された情報を裏づけるには、より強固な証言や金属片などの物証が不可欠だろう。
さらに、いまだ墜落現場は特定しきれていない。ゆえに調査範囲の“余地”が残されているのだ。現地では今も検証が進められているという。決定的な物証がこれから得られる可能性は十分にある。
研究家のひとりとして、隠蔽されたケープジラードUFO墜落事件が白日のもとにさらされることを願ってやまない。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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