「ドロパディスク」が物語る超古代異星交流とは? 地球史を覆す「存在してはいけない化石」ミステリー/仲田しんじ

文=仲田しんじ

    恐竜の足跡の隣に人間の足跡が!? 古代の墓に先進技術で作られた記憶ディスクが眠っていた!? 歴史を覆す衝撃的発見の数々をどうとらえればよいのだろうか――。

    恐竜の足跡の隣にあった人間の足跡

     1億年前の地球上では、恐竜と人間が一緒に歩いていたのか――!?

     屈強で容貌魁偉な恐竜たちが地球上を我が物顔で歩き回っていた時代を想像してみるのはなかなか愉快なことだが、ご存じのように恐竜は6600万年前に絶滅してしまい、我々はその化石からしか彼らの勇姿をうかがい知ることはできない。

     せめて我々の祖先が恐竜たちと接点を持っていたなら――と夢想しがちだが、人類が誕生したのは恐竜の絶滅から6000万年以上が経ってからのことであり、我々と恐竜とは残念ながら限りなく縁遠い。

     しかし、そうした定説に風穴を開けるような興味深い現象が報告されている。

     1908年に米テキサス州グレンローズを流れるパラクシー川沿いで、良好な状態の恐竜の足跡の化石が多数発見された。足跡は約1億1000万年前頃に生息していた恐竜のものとみられるのだが、その直後に驚くべき発見がもたらされることになる。

     なんと、そこには裸足の人間のものらしき足跡も発見されたのだ。1億年前に恐竜と人間がこの地を一緒に歩き回っていたのか?

    画像は「YouTube」より

     問題の足跡をひと目見ようと多くの人々が相次いで現地を訪れ、1930年代には観光名所にもなった。1億1000万年前の足跡が町の観光資源になったのだ。

     恐竜の足跡については疑問を差し挟む余地もなかったが、人間の足跡については科学界からも多くの疑問の声があがった。人類が誕生したのは約500万年前であり、1億1000万年前には類人猿はもちろんのこと霊長類すらまだ存在しなかったと考えられている。では、この人間にそっくりの足跡はどんな生物がつけたものだというのか。

     調査・分析に当たった古生物学者のロナルド・バード氏は、問題の足跡は二足歩行タイプの恐竜の足跡であると結論づけた。風化や浸食によって偶然に人間の足跡に似てしまったというのだ。

     さらにその後、人の手で彫られた足跡があることも指摘され、観光地としてより魅力的な話題を提供できるようにと一部の地元住民が人工的に彫ったという“暴露“まで登場。真偽はどうあれ、人々を驚かせた人間の足跡の話題は一気に沈静化して忘れ去られていった。

     ところが、1970年代に入ると意外な展開でこの足跡が再び注目を浴びることになった。キリスト教右派、いわゆるキリスト教原理主義の流れを汲む創造論やインテリジェントデザイン論が科学界でも影響力をもちはじめたのである。

     創造論者たちは、聖書の「創世記」に記されている神の天地創造が事実であるとしてダーウィンの進化論を否定しており、“神の子”である人間は500万年前にアウストラロピテクスが出現するずっと前から地球上に存在していたことを当然視している。

     そしてテキサス州とケンタッキー州には、こうした創造論やインテリジェントデザイン論をサポートする化石などの物品を収集・展示する博物館(Creation Evidence Museum)も建設された。このような流れの中で、この「恐竜と共生する人間の足跡」を信じる人々もじわじわと増え始めたのだ。はたして今後さらにダーウィンの進化論を覆し、世を騒がせる発見がもたらされることがあるのだろうか。

    謎のオーパーツ「ドロパディスク」

     こうした化石のほかにも、発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などのいわゆる「オーパーツ」もまた議論を紛糾させている。

     1938年に中国とチベットの国境にあるバヤンカラ山脈で、中国の考古学者であり教授であるチー・プーテイ氏によって発見されたとされる「ドロパディスク(ドロパストーン)」もまたそうしたオーパーツの1つである。

     プーテイ教授の調査チームは、人工的に掘削されたように見える洞窟のネットワークを探索し、古代の墓と思われる場所から身長120センチほどの頭の大きな人物のミイラ化した遺体と共に、副葬品とみられる700個以上のディスク型の工芸品を発見した。それらは後にこの地に住む先住民のドロパ族にちなんでドロパディスクと呼ばれるようになる。

    「Mysterious Universe」の記事より

     ディスクは直径20センチほどで中央に穴が開いており、表面には紋様の溝や小さな象形文字が彫られていた。何らかの装飾品なのか、それとも実用的な道具や器具であるのかはわからなかった。

     回収されたドロパディスクはしばらく北京大学で保管されていたのだが、研究者のスン・ウンノイ氏が、このドロパディスクに興味を持ち、1962年にディスクの表面に刻まれている文字の解読に成功した。

     そこには何が書かれていたのか。そこにはなんと、宇宙からやってきたエイリアンの壮大で悲劇的な物語が綴られていたのだった。

     今は昔、ドロパと呼ばれるエイリアンの派遣団を乗せて地球にやってきた宇宙船がこの山間に墜落したという。運よく助かったエイリアンたちは山に避難し、地球上の生活に適応することを余儀なくされ、その過程でトンネルや洞窟が作られたのだった。つまり、帰れなくなったエイリアンたちの悲劇のストーリーが綴られているというのだ。

     このドロパディスクについてもまた一部からは疑惑の目が向けられているのだが、さまざまな解釈が登場し議論は紛糾している。

     超古代の地球にやってきたエイリアンが人間と人類文明を創造したという「古代宇宙飛行士説」に重なる部分があるという指摘もあれば、このドロパと呼ばれる一行はエイリアンではなくタイムトラベラーではなかったのかという説もあるようだ。

     物議を醸す化石やオーパーツは、これからも思わぬ場所やタイミングで登場することがあるかもしれない。それが人類の歴史や定説を覆す大発見になるのかどうか、あらゆる可能性を考慮した慎重な検証が必要となるだろう。

    【参考】
    https://mysteriousuniverse.org/2022/11/Some-Bizarre-Fossils-and-Ancient-Artifacts-That-Should-Not-Exist/

    仲田しんじ

    場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
    ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji

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