新島「海難法師」から探る伊豆諸島のタブーとは? 恐るべき来訪神を鎮める儀式の謎/松雪治彦
伊豆諸島のタブー風習「海難法師」は、悪霊ではなく神を迎える儀式だったーー。新島取材を軸に、タブーの背景を考察する。
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世界で最も豪華なヒンドゥー教寺院「スリー・パドマナーバスワーミ寺院」。ヴィシュヌ神を祀るこの豪華絢爛な寺院には、ある古い伝説が存在する。それはカララ(宝物庫)に眠るマハラジャの財宝伝説と、もうひとつ。「最後の扉を開けたとき、世界は災いに見舞われる」というものだ。
2011年6月。インド最南部に位置するケララ州トリバンドラムにあるスリー・パドマナーバスワーミ寺院の地下室から、5・5メートルを超える純金のロープ、ナポレオンのコイン、ベネチアンジュエリー、ダイヤモンド製のベルト、ダチョウの卵ほどの大きさのエメラルド、3000トンを超える金貨など、時価数十億ドルを超える財宝が発見され、「1000年に1度の大財宝」として世界中で大きな話題を呼んだ。
これはカララの伝説を巡り、州政府と旧王室一族の係争から明らかになったもの。
寺院には公にされているだけで6つの地下室が存在するのだが、裁判に伴い、150年近く開けられていない部屋を「Vault A」「Vault B」、日常的に使用する装飾品や、儀式用の装束・装飾品を保管する4部屋をVault C〜Fと銘打ち慎重に調査。するとVault Aから大量の金銀財宝が発見されたのだ。
だが、世紀の大発見から約2週間後の7月16日。調査委員会メンバーとしてVault A調査に立ち会っていた人物が謎の高熱に見舞われ、急逝。すると王族側はこれを「蛇神ナーガの呪い」であるとし、Vault Bの調査差し止めを要求したのだ。
王族側は、「Vault Bは聖域をつなぐ特別なエネルギーで守られており、無理に扉を開けたら最後、すべてのバランスが崩れ世界は災いに見舞われる」と主張しており、実際、寺院の古い文献には3枚目の扉の奥から波の音が聞こえた、強盗が押し入った際には、どこからともなく巨大な蛇が現れた、などと記されているという。
当時の調査報告によれば、「本尊がある聖域に隣接してVault A, Vault Bはあり、解錠には執行部と王族が所有している複数のカギが必要であった。Vault Bには3枚の扉があり、3枚目には、ラッチが3つあったが、うちひとつは穴がなく、カギを差し込むことができなかった」とある。
寺院には厳しいテンプルエントリーが敷かれており、内部撮影は固く禁止されている。このことから実際の画像がないのが非常に残念ではあるが、伝わるところによると扉には蛇神ナーガの紋章が刻まれているそうだ。
これは、侵入者に警告を与え、脅威を意味するもので、無事に扉を開ける方法はただひとつ。高位聖職者が「ガルーダ・マントラ(聖鳥の呪文)」を唱えることだという。
これは16世紀のマルタンタヴァルマ王の統治時代、高僧シッダ・プラシャが「ナーガ・マントラ(蛇神の呪文)」という蛇神の呪文を唱えて封印したためだ。
ガルーダは、ヴィシュヌ神に仕える身体は人間、頭や翼は鷲の姿をした聖鳥で、蛇神ナーガとは敵対関係にある。さらに寺院が祀っているのは、世界が悪の脅威にさらされ、混沌に陥ったときに守護者として現れるヴィシュヌ神であることから、Vault Bの扉を開けることが世界の破滅につながると考えられているようだ。
すると、伝説にある「最後の扉」はやはりVault Bを指しているのだろうか。
現在、スリー・パドマナーバスワーミ寺院は裁判の結果、王族側の管理下となっているが、Vault Bの扉が開くとき、果たしてそこにはどのような世界が訪れるのだろうか。
【参考】
https://www.indiatvnews.com/news/india/former-ips-officer-who-got-temple-treasure-opened-dead-9205.html
https://www.ifybooks.com/2020/09/the-mysterious-indian-temple-that-hold-trillion-dollars-wealth.html
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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