亡妻との交霊を繰り返した…波田強一の情念/吉田悠軌・怪談解題
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30年以上前に、神戸の郊外の高台に建つ「Yハイツ」という名称のマンションに住んでいました。築年数の古いそのマンションで暮らしたのは12~13年間ほど。その間にいくつもの奇怪な体験をしました。
通路に面した部屋にいると、突然、窓がガラッと開きます。通路側からだれかが開けているとしか考えられません。しかし、窓が開いた瞬間、外を見てもだれもいません。
一度だけ遙か向こうに全身が黒い服を着た小柄な老人が歩いていくのが見えたことがあります。その老人が犯人だと思った私は大声で呼びかけましたが、老人は何もいわずに去ってしまいました。
そして、家内が旅行に出かけ、私ひとりが家にいたときの出来事です。
夜中の2時ごろ目を覚ました私は、布団の中で考えごとをしていました。
やがて遠くからかすかに声が聞こえてきます。その声は徐々に大きくなっていきました。
けしからん輩がマンションの敷地内に入りこんだのかと思い、確認しにいこうとしましたが、金縛りにあったかのように体が動きません。
そうこうしている間に、音がピタッと消えました。静かになったので眠ろうとしますが、また遠くから声が聞こえてきます。そして近くまでくると音が消えます。
こんなこともありました。私たち夫婦はともにフルタイムで働いていたため、平日の朝はいつもあわただしく過ごしていました。
ある日のこと、出かける直前、トイレに向かうもロックがかかっていて、中からコンコンというノック音がします。家内が入っているのだと思い、そのまま出かけました。
その夜、帰宅すると家内に怒られました。朝、私が家の鍵をかけわすれたことに対して無用心だというのです。つまり家内は私より前に家を出たことになります。では、あのときトイレの中からノックをしたのはだれなのでしょう?
奇怪な体験はほかにもありますが、挙げたらキリがありません。

当時は、それらがあるひとつの大きな原因から派生しているなどとは思いもよりませんでした。あのネットの記事を見るまでは……。
マンションを引っ越してから数年後のある日のことです。ネット検索中、偶然、懐かしいマンション名が目に入りました。「Yハイツ」。見ていたのはオカルト系のサイトです。そこには、あの建物にまつわるさまざまな話が書いてありました。
マンションが建つその場所は、かつて結核病院で、さらにそれ以前には「Y」の名を冠した「Y火葬場」だったそうです。
戦時中はすでに火葬場になっていて、神戸大空襲で亡くなった多くの人の遺体が運びこまれたといいます。しかし数が多すぎて建物内に収容しきれず、また棺の数も不足し、野ざらしにされていたのだとか。
当時、夜遅くまで飲んでいて、タクシーで帰宅する際、運転手から、「“ソーレン道”から行きますね」 と、よくいわれたものです。今、思えば、“ソーレン道”とは火葬場への“葬連道”のことだったのです。
そのマンションのかつての住人の体験談で、“窓の外の通路で人の動く気配や話し声がする。でも、だれもいない”という記事もありました。
このようないわくつきのマンションに、十数年も住んでいたことになります。当時、その事実を知らなくてよかったと、つくづく思いました。
◆秋野夕咲/兵庫県宝塚市
(本投稿は月刊『ムー』2026年01月号より転載したものです)
<編集部より>
結核病院から火葬場、そしてマンションという場所の縁から、不思議な体験が気持ち的に裏付けられたという……。そういった縁がある場所ほど、お祓いなど行き届いてそうですけれども。
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webムー編集部
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