大スフィンクスに巨大地下構造を発見!!/MUTube&特集紹介  2025年10月号

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    今年3月に世界を席巻した新発見に衝撃の続報を三上編集長がMUTubeで解説。

    新発見が相次ぐギザの巨大地下構造

     エジプト・ギザのピラミッドの地下に存在する謎の巨大構造について、衝撃的続報が届いている。なんと、巨大構造はギザ台地一帯にまで広がり、〝地下都市〞が形成されていた可能性が高まっているようだ。
     まずはこれまでの経緯について振り返っておこう。世界を驚かせるニュースが最初に報じられたのは、2025年3月中旬のこと。イタリア・ボローニャで開催された考古学会で、カフラー王のピラミッドの地下2キロに、全長650メートルにも及ぶ巨大構造が存在することが明かされた。8本の柱のような縦穴、そこに巻き付く螺旋状の空洞、さらに縦穴が接続する立方体の空間など、未知なる施設が潜んでいたのだ。
     大発見は、合成開口レーダー(SAR)と呼ばれる最新テクノロジーによってもたらされた。これは地表に影響を与えず地下をスキャンできる装置で、プロジェクトを主導する英ストラスクライド大学のフィリッポ・ビオンディ教授が開発したソフトと組み合わせることで、ミリメートル単位の精確さで地下の様子がわかるという。
     この画期的手法を用いて調査・分析を続けていた研究チームだが、6月にはメンカウラー王のピラミッドの地下にも、カフラー王のピラミッドと同様の巨大構造が広がっていることが判明した。
     新たな発見について「90パーセントの確率で柱状構造が存在する」と自信を示すビオンディ教授。これで、ギザの三大ピラミッドのうちのふたつが未知の地下構造を有していることになる。
     この時点で、研究チームはギザ台地の全土に〝巨大複合地下ネットワーク〞が広がっている可能性を疑いはじめ、われわれが肉眼で目にするピラミッドは単なる氷山の一角に過ぎないことを示唆。教授の言葉を借りれば、「古代エジプトや人類の歴史に対する理解を考え直さなければならない」状況が生じるに至った。
     その後、研究チームは地下ネットワーク全体が約3万8000年前に建造されたとする仮説を提唱。約4500年前と目されてきたピラミッド建造時期に疑義を呈するとともに、超古代文明は小惑星の衝突によって滅亡したとするシナリオまで示している。

    スフィンクスとピラミッドは地下でつながっている

     ところが、驚きの発見はそれだけで終わらなかった。7月に入ると研究チームは活動を一気に拡大させ、なんと大スフィンクスの地下にもふたつのピラミッドと同様の巨大構造が存在することを確認。「ギザのピラミッド群およびスフィンクス直下に、巨大な〝地下都市〞が存在した」という最新の分析結果を公表したのだ。
     どうやら、一連の巨大地下構造はピラミッドと大スフィンクスを物理的につなぐ役割を果たしているらしい。なお、研究チームは分析の精度について「85パーセント以上」と、今回も相当な自信を示している。
     もっとも、大スフィンクスの地下構造に関する議論は19世紀から続いてきた。1817年、探検家ジョヴァンニ・カヴィリアは、大スフィンクス周辺で地下トンネルや部屋を発見したという記録を残している。
     また、現在エジプト考古最高評議会(CSA)で事務総長を務めるザヒ・ハワス博士や、アメリカにおけるピラミッド研究の第一人者マーク・レーナー博士による過去の調査でも、大スフィンクスの地下に空洞や人工的トンネルが確認されていた。
     さらに歴史を遡れば、古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは、「エジプトに迷宮と呼ばれる地下複合施設が存在した」と記している。まさに、伝説が真実であると最新科学によって証明されたと考えることもできそうだ。

    (文=宇佐和通)

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    webムー編集部

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