スペインのイビサ島の公式SNSが「UFO映像」を突如公開! 超高速移動と“地中海のバミューダ・トライアングル”の謎
スペイン・イビサ島観光局公式アカウントの投稿動画が、世界中のオカルトファンに衝撃を与えている。光を放つ未確認飛行物体が高速で飛び去る瞬間を、カメラがはっきりと記録していたのだ!
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文=仲田しんじ
多くの船舶や航空機が失踪している“バミューダトライアングル”では超常現象が起きているのだろうか――。専門家によれば、この海域に謎は存在しないという。
北大西洋のバミューダ諸島からフロリダ沖、さらにプエルトリコ沖の間の三角海域、いわゆる「バミューダトライアングル」では、過去1世紀に50隻以上の船舶、20機以上の航空機が消息を絶っているといわれ、この海域での失踪事件をめぐりさまざまな憶測や陰謀論まで飛び交っている。
このミステリアスなバミューダトライアングルの悪名を一躍轟かせたのが、米軍機の5機が忽然と消えた「フライト19」と名づけられた失踪事件である。
1945年12月5日、フロリダ州フォートローダーデールから大西洋上での2時間の定期訓練任務に出発したアメリカ海軍のTBMアベンジャー雷撃機5機の飛行編隊は、基地との無線通信が途絶えた後、全機が消息を絶った。機体と計14人の乗組員の痕跡は発見されていない。
さらに不気味なことに、その夜に捜索救助任務に出動したPBM-5マリナー水上飛行機も、乗組員13名とともに行方不明となったのだ。
はたしてこのバミューダトライアングルではブラックホールやタイムワープが発生しているのか。あるいは付近に生息している巨大海獣UMAが船舶や航空機を攻撃しているのか。それとも陰謀論的に言えば、付近の海底のどこかに“UFO基地”のような未知の施設があるのだろうか。
さまざまな噂や仮説が飛び交う中、オーストラリアの科学者カール・クルシェルニツキ氏は、バミューダトライアングルで超自然現象が起きているという解釈を完全に否定している。
クルシェルニツキ氏が英紙「Independent」に語ったところによると、「フライト19」の飛行訓練で唯一経験を積んていたパイロットは、リーダーのチャールズ・テイラー中尉であり、彼のヒューマンエラーがこの悲劇の一因となった可能性があると説明する。
「彼は二日酔いで到着し、腕時計を着けずに飛び立ち、これまでにも2回、道に迷って飛行機を不時着させた経験がありました」とクルシェルニツキ氏は語る。
同氏はさらに、失踪前の無線記録から、「フライト19」が自らの位置を把握できなくなっていたことが明らかになっていると指摘する。
無線記録によると、テイラー中尉はコンパスが故障したと考えて無視し、現在地がアメリカ本土の南西に広がる島々からなるフロリダキーズ上空だと思い込んでいたが、その後の地上職員による分析で、実際にはこの時の「フライト19」は南東のバハマ諸島付近にいたことが判明したという。
クルシェルニツキ氏は、西へ進路を変えるべきだという若いパイロットの意見をテイラー中尉が無視し、東へと航路を取るよう指示したため、知らず知らずのうちに大西洋のさらに奥、深い海の上空へと進んでしまったと言及する。深い海では、沈没した飛行機や遺体を見つけるのがより難しくなる。
「無線記録を読めば、若いパイロットの何人かが『西に飛んだらどうだ?』と言っているのに対し、(別の)パイロットは『東に飛んだらどうだ?』と言っているんです」(クルシェルニツキ氏)
クルシェルニツキ氏は、これらの5機を探すために出発して同じく消息を絶った捜索救難用の水上飛行機の運命はさらに悲惨だったと指摘する。その日の天候は悪く、15メートル(49フィート)の波があったという。
「跡形もなく消えたわけではありません。爆発するところが目撃されていたのです」(クルシェルニツキ氏)
爆発には複数の目撃者がおり、油膜と機体の残骸が発見された。事故後、米海軍はほかのPBM-5マリナー水上飛行機をすべて地上に留め置いた。この機種にはすでに「空飛ぶガソリンタンク」という不吉なあだ名が付けられていたということだ。
では、米軍機の編隊と捜索機の失踪は不幸な偶然だったのだろうか。
オーストラリアのテレビやラジオの人気の科学評論家であるクルシェルニツキ氏が、バミューダトライアングルの“謎”を晴らすことができたのかどうか、人々の受け止め方次第ということにもなりそうだが、かなり説得力をもつ見解にも感じられる。
そもそもバミューダトライアングルが危険であるとすれば、その海域をメインの航路としている船舶の海上保険料が高く設定されてもおかしくない。
世界最大かつ最も歴史のある保険市場「ロイズ・オブ・ロンドン」は少なくとも1975年以来、バミューダトライアングルでの失踪事件はほかの地域と同じ割合で発生していると説明し、保険料に影響を及ぼしていないと過去に言及している。
1997年にロイズ・オブ・ロンドンの広報担当者は「他の広大な海域と同じくらい多くの損失が発生している」と主張し、バミューダトライアングルを通過する航海の保険料はほかの通常の海上航行よりも高いわけではないと話している。
海上保険だけではない。アメリカの海洋大気庁(NOAA)もバミューダトライアングルの超常現象説を否定している。
「他の海域と比べて、バミューダトライアングルで謎の失踪事件がより頻繁に発生するという証拠はない」とNOAAは2010年に発表し、そもそも海は人類にとって常に神秘的な場所であり、悪天候や航行の不備が伴うと、非常に危険な場所となり得るが、それはバミューダトライアングルに限らず世界中の海に当てはまるものであると説明している。
NOAAはバミューダトライアングルにおける失踪の大部分は環境要因で説明できると述べ、メキシコ湾流の激しく天候が変化する傾向、カリブ海の数多くの島が複雑な航路を強いること、バミューダトライアングルでは磁気コンパスが磁北ではなく真北を指し、進路に混乱が生じる可能性があることを示唆している。
「米海軍と沿岸警備隊は、海難事故には超自然的な説明は不可能だと主張している。自然の力と人間の過ちが組み合わさった結果が、最も信じ難いSFでさえも凌駕するのだ」(NOAA)
巨大な突風や突然の嵐といった異常気象によって発生する波は高さ30メートルにも達し、どんなに堅牢な船でも沈没させるほどの威力をもつ。さらに予測不可能な海流の変化や、航行システムを混乱させる磁気異常など、大惨事の元凶はバミューダトライアングルに限らず存在し得るものだ。
つまり、科学的には原因のすべてが自然現象の発生確率に則しており、バミューダトライアングルが荒々しく危険な場所であることは、ほかのいくつかの海域と同じなのである。
とはいえ、現地でUFOを目撃したと語るパイロットや航海士がいる点など、依然として説明が見つからない現象が起きていることもまた事実だ。
いずれにしても、どれほど不可解な海難事故、航空機事故であっても、まずは冷静にその経緯と背景を検証し、その上でさまざまな仮説が議論されるべきなのだろう。
【参考】
https://www.popularmechanics.com/science/a65643514/is-bermuda-triangle-mystery-solved/
https://www.independent.co.uk/news/science/bermuda-triangle-mystery-solved-latest-theories-dr-karl-kruszelnicki-debunked-unexplained-disappearances-ships-planes-aeroplanes-vanish-conspiracy-lost-flight-19-alien-abduction-atlantis-methane-gas-vincent-gaddis-a7861731.html
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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