世界の七不思議「アレクサンドリアの大灯台」ついに海底から引き揚げへ! 古代の超高層ビルの姿が現代に蘇る

文=webムー編集部

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    古代の超巨大建築物の謎解明か!? 数百年の時を経て「世界の七不思議」のひとつ「アレクサンドリアの大灯台」が現代によみがえる!

    紀元前の「超高層ビル」は現実に存在した

    世界の七不思議 画像は「Wikipedia」より引用

     古代世界に実在したといわれる驚異的建造物を列挙した「世界の七不思議」。現在を生きる私たちが目にできるのは、エジプトのピラミッドのみだ。しかし、近年の調査と最新のデジタル技術により、七不思議のうちの一つが現代によみがえりつつあるという。以下、詳細を見ていこう。

     七不思議のうちでもピラミッドと並ぶ威容を誇る「アレクサンドリアの大灯台」(別名:「アレクサンドリアのファロス」)。プトレマイオス1世の治世下で紀元前3世紀初頭に建設され、その後数百年間の長きにわたり沿岸を行き来する船を光で導いたという。

    「アレクサンドリアの大灯台」の想像図 画像は「Wikipedia」より引用

     その全高はゆうに100メートルを超えたといわれ、現在の基準に照らしても超高層と呼ぶべき建築だ。クレーンなどの重機が存在しない古代世界で、一体どのようにして建設されたのか。また、一説によれば50キロ先の船からも光を確認できたというが、それほど巨大な鏡は存在したのか。また強烈な光源の正体はなんだったのか等、謎は多く残されている。伝説によれば人工の建造物として世界最高クラスの称号を保持し続けたが、1303年の地震により倒壊したという。長らくその存在を疑問視する声もあったが、1994年にフランスの考古学者らが海底から遺構の一部を発見したことで実在が証明された。

    画像は「Alchaeology News」より引用

     そして今回、ついに海中遺構の中から、かつて大灯台を構成していた22個のブロックが引き揚げられた。ブロックと言っても1個あたりの高さは成人男性の身長を上回り、重さは約80トンもある。灯台の支柱や敷石としての他、塔門の一部として使用されていたもののようだ。エジプト様式とギリシャの建築技術が融合したデザインは、ヘレニズム時代のアレクサンドリアにおける文化の多様性を今に伝えているという。

    画像は「Alchaeology News」より引用

     今後、ブロックはそれぞれ3Dスキャンされ、ダッソー・システムズ財団のエンジニアの手に渡る予定だ。そのデータを使い、まるで巨大なパズルのピースをはめるようにして、かつてないほどに詳細な「アレクサンドリアの大灯台」の復元予想図が生成されるのだ。

    画像は「Alchaeology News」より引用

    古代の記憶をデジタル技術で呼び覚ます

     この「アレクサンドリアの大灯台」のデジタル復元について、映画監督のローレンス・ティリア氏は「時とともに失われた記念碑を復活させるための驚異的一歩」と表現した。彼が制作したドキュメンタリーは、2025年に放映される予定だという。

    「アレクサンドリアの大灯台」のモザイク 画像は「Wikipedia」より引用

     2000年以上もの昔に建てられ、数百年間失われていた古代の遺跡を現代の技術で復活させる試みは、人々の興味を強烈に惹きつけることだろう。しかも、地中海の青い波の底には、いまだスフィンクス像やオベリスク、柱、花崗岩のブロックなど3300を超える遺構が沈んでいる。今後調査が進めば、ますます栄光の伝説と崩壊の歴史、建築方法の謎にも迫ることができるはずだ。楽しみに続報を待ちたい。

    【参考】
    https://archaeologymag.com/2025/07/lighthouse-of-alexandria-rises-again/

    webムー編集部

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