エジプトで出土した“5000年前の写本”が予言する人類滅亡! AI解読でわかった恐怖のメッセージ

文=仲田しんじ

    昨今エジプトで発掘された5000年前の写本には、人類の行く末を予言する不気味なメッセージが記されていた――!

    5000年前の写本の「恐ろしいメッセージ」

     一説によれば、古代エジプト人は宇宙のメカニズムの理解に長け、「人類は宇宙の力に導かれた避けられない運命の“輪”の中に捕らわれている」と考えていたという。古代エジプト人は人類の行く末についてなにかを知っていたのだろうか。

     イスラエル紙「エルサレム・ポスト」によると、昨今エジプトのサッカラ地域で発掘調査を行っていた考古学者たちが、5000年前の「恐ろしいメッセージ」が記された写本を発見したという。

    サッカラ 画像は「Wikimedia Commons」より

     地下墓地の奥深くで眠っていた石棺の中から見つかったこの写本には、人類の起源から宇宙の秩序に至るまで、さまざまな秘密が詰まったヒエラティック(神聖文字)と初期ヒエログリフ(象形文字)の文字が刻まれていた。

     研究者たちは今、人工知能を活用した翻訳システムと高度な画像技術を駆使して解読に取り組んでいるが、写本の古さと保存状況の悪さから作業は困難を極め、多くの記号は未解読のままである。しかし、数々の困難にもかかわらず研究者の間ではこの写本が少なくとも一つの“恐ろしい真実”を秘めているという点で一致した見解が示されている。

     では、その恐ろしい真実とは何か。なんとこの写本には、文明の終焉をもたらしかねない破滅的イベントの予測が含まれていたのだ。そこには、人類史において数々の文明を繰り返し襲ってきた(襲うことになる)破滅のパターンが描写されており、今も昔も人類が同じ過ちを繰り返すことが示唆されていたのである。この予言めいたメッセージの核心は、われわれ一人ひとりの行動が全人類の運命を左右するという考え方であり、個人の行動と集団の運命の相互関連性だという。

     そして写本には、人類が古代エジプト人が予言した“輪”へと向かう道を歩んでいること、そして、もしこれらの“輪”に足を踏み入れた場合、全人類が悲惨な結末に直面することが暗示されている。

    画像は「Wikimepia」より

    人類は破滅への道を突き進んでいるのか

     さらに写本には死後の世界についての言及もあり、不道徳な者は死後、安らかな眠りにつけないばかりでなく、悲惨な運命に直面するとの警告メッセージも含まれる。この警告は、現世と来世の繋がりを指摘し、宇宙秩序における人間の役割を説明している。たとえば「祖先の知恵に耳を傾けなければ、人類は同じ過ちを繰り返し、その結果は壊滅的なものとなるだろう」との警告もあるようだ。

     一部の学者によると、この写本には人類の創造に関する知識と未来に関する予言が含まれており、後に登場することになる旧約聖書の『エノク書』につながった可能性もあるという。

     サッカラの墓の中からは、この写本に加え「叫ぶミイラ(screaming mummy)」と名づけられた苦悶に満ちた表情のミイラも発掘されている。研究者たちは、ミイラが死の瞬間に激しい苦痛を経験していた可能性が高いと考えており、この遺跡を取り巻く謎をさらに深めている。

    「叫ぶミイラ」 画像はYouTubeチャンネル「The Scary Cherry」より

    先祖の知恵に耳を傾けることの重要性

     古代エジプトで繁栄を極めた数々の王朝よりもさらに古い時代にまで遡る今回の写本。人類文明初期の姿を映し出す、きわめて貴重な文献であることは間違いない。もしも他の部分が解読されれば、人類文明の発展に関する我々の知識を完全に書き換えるパラダイムチェンジが起きることも考えられる。つまり、後世に登場することになる数々の宗教に影響を与えていた可能性もあるのだ。

    画像は「Jerusalem Post」の記事より

     現在も続けられている解読作業だが、テキストの翻訳と解釈を容易にするため、人工知能を含む最新のスキャン技術とコンピューター解析技術が活用されている。

     この写本は人類への警告を5000年前に発したタイムカプセルと言えるのかもしれない。一人ひとりの行動が全体の未来に影響を与えることを示唆し、歴史の過ちを繰り返さないために先祖の知恵に耳を傾けることの重要性が力説されているのだ。古代人が指摘する宇宙の運命と文明崩壊の可能性は、人類の歩むべき道について我々に猛省を促しているかのようだ。

    ※参考動画 YouTubeチャンネル「The Scary Cherry」より

    【参考】
    https://www.jpost.com/archaeology/archaeology-around-the-world/article-858137

    仲田しんじ

    場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
    ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji

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