天空からしか確認できない巨大すぎる図形・ナスカの地上絵/ムーペディア
毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。今回は、近年の発見も記憶に新しい、広大なナスカの大地に描かれた巨大な地上絵を取り上げる。
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2022年、3年ぶりに北陸・富山で繰り広げられた奇祭を3回にわたって現地レポート。闇に現れた異形の集団は、神か精霊か天狗か……?
 大気中の光が屈折し、虚像が現れる蜃気楼。今でこそ珍しい自然現象として知られるが、かつては、“蜃(しん)”が“気”を吐いて作った“楼”閣とされた時代もあったようだ。
 蜃とは、古代中国の伝説の生物の事で、人々に幻影を見せる巨大な二枚貝(または龍の一種)だと考えられた。霊獣や妖怪とも見なされ、いつしか日本に伝わった為、江戸時代には、海中の大ハマグリが妖気を吐く蜃気楼図が多数描かれた。地震が大ナマズの仕業とされた事と同様、昔の人の想像力は実に豊かである。
 この幻想的な蜃気楼の名所、富山県魚津市には、まるで妖怪の行列「百鬼夜行」を彷彿とさせる、“幻影のような奇祭”が存在する。
 毎年8月6日(宵祭)と7日(本祭)の二夜に渡り、魚津駅付近の上村木地区で行われる「上村木七夕祭」である。
 旧暦の七夕に当たるこの時期、魚津は「たてもん祭り」関連で盛り上がる為、それらに隠されて目立たないものの、地元で100年以上親しまれ、脈々と続く伝統行事なのだ。
コロナ禍になって中止が続いたが、2022年は3年ぶりに祭りが開催されると知り、筆者は現地へと急いだ。

 8月6日の昼間、少し早めに祭りの拠点「上村木神明社」に着くと、境内を囲む石垣の上に、カラフルな蓑状のものがズラッと並び、既に儀式的な雰囲気を漂わせていた。
 どうやら単に虫干し中だったようだが、これらは「網代(あじろ)」という名のカンナ屑で編まれた衣。かつては市内で調達していたそうだが、熟練の技を持つ加工業者が無くなった為、現在は岩手県遠野市からわざわざ取り寄せているという。
 そして、この貴重な衣を纏って夜の街を練り歩くのが、同じく「アジロ」と呼ばれる神の化身達。アジロは総勢13体で、その姿は天狗、般若、狐に大別されるが、配色・造形などの見た目は皆それぞれ異なっている。

 上村木神明社は元々、現在地から少し離れたショッピングモールの敷地内に鎮座していた。
 そこには、かつて大きな杉の御神木が立ち、“天狗が棲んでいる”という伝説があった。その為、当初「アジロ」は天狗の1体だけだったが、徐々に仲間が増えていき、今では映画のヒーローチームのような大所帯に。
 由来となった天狗自体の情報は乏しいが、民俗学者・本山桂川が1920年代に発行した雑誌『土の鈴』には、魚津の元住人の証言として、次のような事が書かれている。
――明治時代、魚津では年に1人か2人、天狗に連れ去られる事があった。
 そんな時は、天狗が棲むと伝わる大杉の下に探しに行き、迷子の名前を呼びながら、太鼓と一升桝を叩いて歩いた。桝の底を叩くと天狗の耳が破れそうになるので、捕えている子供を木の上から落とすと信じられていた。
 しかし、この風習は、19世紀末に廃れてしまった……(黒田夢禅「天狗の話三つ」より要約)。
言及されている天狗が、上村木の個体と同一かどうかは不明ながら、昔から同地域の身近な怪異であった事が伺える。


 筆者はその後、天狗伝説の跡地であるショッピングモールへ。
 往時の面影は無いものの、店の入口付近には魔除けの如く、「アジロ」(青般若)の等身大人形が設置されており、それを眺めつつ宵祭の開始時刻を待った。
 ところが、天狗様の怒りだろうか、夕方から突然の雷雨に見舞われ、この日はまさかの開催中止に。
 網代は濡れると色落ちする為、雨天の練り歩きは難しいらしい。
だが、宵祭はあくまで予行演習。気を取り直し、翌日の本祭に臨む事にした。


(続く)
影市マオ
B級冒険オカルトサイト「超魔界帝国の逆襲」管理人。別名・大魔王。超常現象や心霊・珍スポット、奇祭などを現場リサーチしている。
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