歴史・宗教、霊界の虚構を糺す!「霊査の古代史1 天狗編」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    霊査の古代史1 天狗編

    不二龍彦/梨岡京美 著

    歴史・宗教、霊界の虚構を糺すことが使命現在もなお継続中の、霊査の旅・第一弾

     2021年7月、本書の著者である不二龍彦氏と梨岡京美氏、それに版元であるナチュラルスピリット社長の今井博樹氏は、取材の一環として訪れた山形県某所で、東日本一帯を束ねる大天狗と遭遇した。彼らが「山形の天狗さん」と呼ぶその大天狗は、3人にあれこれメッセージを伝えるとともに、さらに今後の方針を命じたのだった。
     これが「霊査の旅」の始まりであった。以後、著者らは、数百か所にのぼる「日本各地の霊地・霊域」を巡り、「諸神霊、その眷属霊、天狗・龍神などの自然霊、行者や霊能者の霊、天皇・皇后霊」など、さまざまな霊と遭遇した。そしてこの旅の間、「山形の天狗さん」は旅の指導霊として、著者らに同行・守護していたという。

    「霊査の古代史」シリーズは、現在もなお継続中の、この霊査の旅の記録である。本書はその第一弾として、天狗さんを軸とした話に焦点を当ててまとめたもの。
     さて、一般に「天狗」といえば大天狗に小天狗、および烏天狗くらいしか知られていないが、こうした一般人の天狗イメージは、実際の天狗とは著しく乖離している。
     著者によれば、天狗には自然霊天狗と人霊天狗があり、前者は高級、後者は低級であるが、山形の天狗さんによれば、天狗の「8割、9割は悪い天狗」であるというから、何も知らない一般人は迂闊に近づくべきではないし、「天狗信仰などするものではない」。
     このように、本書ではこれまで聞いたこともないような、天狗に関する情報が、これでもかと語られるのだが、最後に与えられる山形の天狗さんからの警告には、評者としても身震いを禁じ得ない。
     そして今回、天狗さんがこの3人を選んで旅をさせ、そして情報発信を命じたのは、これまでの「歴史・宗教の虚構を糺ただすことと、霊界の虚構を糺すこと」という使命のためであったことが判明する。
     ともかく「事実」を、「真実」を世に出せというその使命の重さには、居住まいを正して、謹聴するしかないだろう。

     さて、本書には「天孫降臨クーデター」など、後の「霊査の古代史」シリーズの根幹に触れるキーワードも不意に出現するが、現時点では、その意味はほのめかされる程度にとどめられている。
     今後の展開への期待に、胸も膨らむというものだ。

    ナチュラルスピリット/1650円(税込)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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