仮想通貨ビットコインは“宇宙共通通貨”になる!? プログラム解析でわかった発明者「サトシ・ナカモト」の真実/嵩夜ゆう
数多くの「億り人」を生みだした暗号通貨のビットコイン。だが、その開発者は謎に包まれている。 一説に日本人ではないかとの噂もある、ビットコイン誕生の背景と未来を探る! (月刊『ムー』2023年9月号より
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裏面に描かれた絵柄とデザインが日本を襲う大災害予言を三上編集長がMUTubeで解説。
新紙幣の発行開始日は、各地の銀行に多くの人が列を作った。あれから約2か月がたち、すでに新紙幣の実物を手にした人も多いだろう。
日本の紙幣は近年、約20年の周期でモデルチェンジが行われてきた。前回モデルチェンジしたのは2004年で、その前が1984年である。肖像も一新された。1000円札は野口英世から北里柴三郎に、5000円札は樋口一葉から津田梅子に、1万円札は“ユキチ”の愛称で親しまれた福沢諭吉から渋沢栄一に交代したのである。 銀行で両替した新紙幣を手にした人たちが共通して抱いたのは、「フォントがなんだか安っぽい」「日本のお札っぽくない」という感想ではないだろうか。その認識はあながち間違いではない。新紙幣はユニバーサルデザインを標榜し、旧紙幣では小さかった額面を表すアラビア数字が巨大化したり、漢数字で表された額面は左上に追いやられてしまった。視認性を高め、だれもが一目でそれとわかるデザインは世界的な紙幣の潮流になっている。日本の紙幣というよりは、ヨーロッパなど海外の紙幣に近い雰囲気になったため、違和感を抱く人が多いのだろう。
よくも悪くも、これまでの紙幣とは一線を画すデザインゆえ、注目度は格段に上がった。連日のように新紙幣に関するニュースが報じられていたし、印刷されたナンバーが“777777”のようなぞろ目の者が高く売れると話題になるなど、ちょっとした紙幣部―ムが起こっているのだ。賛否両論あったものの、話題性の獲得という意味では成功したといえよう。
新紙幣に対して抱く思いは人それぞれだと思うが、筆者がまず驚いたのが、新1000円札の裏面にダイナミックな波の絵が描かれていることだった。
この絵は江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎によって描かれた「富嶽三十六景」に含まれる、「神奈川沖浪裏」という作品である。一説によれば、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」と並ぶ世界でもっとも有名な絵画ともいわれ、日本美術を代表する作品という。外国人にも受けがよさそうだし、紙幣の図案としてふさわしいといえる。
ところが、波をイメージしたデザインは、2011年の東日本大震災以来、長らく禁忌とされてきた期間があった。震災では大規模な津波が発生し、多くの人が亡くなったため、被災者への感情に配慮する傾向が強かったのである。たとえば、あるミュージシャンは波を連想する歌の演奏を長らく中断してきたともいわれる。また、筆者はある雑誌の企画で波の写真を使う誌面を提案したところ、前述の理由で編集部が難色を示したことがあった。
そんな波の絵をいくら名画だからといって、多くの人が目にする紙幣に起用しているのだから、どうにもこうにも気になってしまうのだ。図案製作者の並々ならぬ強い意志があってのことではないか──としか思えないのである。
不思議に思った筆者は、日本で発行された歴代の紙幣を調べてみた。すると、驚くべきことがわかったのである。
紙幣に描かれた建築や名所が、20年以内に被災するケースが頻発していたのだ。筆者はこう考えた。近い将来、大規模な災害が起きる。新紙幣にはそれを連想されるモチーフが描かれている。新1000円札の波は、災害によって起きる大津波を予言しているのではないか──と。
日本初の貨幣は683年ころに鋳造されたといわれる富本銭であり、その後、708年に発行された和同開珎は全国的に流通した。一方、紙幣が発行されるようになったのは、かなり時代が下ってからのことだ。江戸時代には諸藩によって、藩の中でのみ通用する藩札という紙幣が発行されたものの、全国共通で用いられる通貨はもっぱら小判や寛永通宝などのコインが主体であった。
紙幣が取引の中心になるのは明治時代になってからである。近代国家にふさわしい紙幣の製造が急務と考えた明治政府は、1875年、お雇い外国人としてエドアルド・キヨッソーネを招き、紙幣のデザインと原版の彫刻を一任した。この技術は一種の伝統工芸といっていいものだった。なお、キヨッソーネが伝えた技術は現在の日本の紙幣でも活用されているという。
そんな紙幣に、災害を予見したとみられる題材が初めて描かれたのは、明治時代の半ば、1903年に発行された100円札(通称・裏紫100円札)である。表面には大化の改新の立役者である藤原鎌足と、鎌足に縁の深い談山神社の境内を描く。そして、裏面に描かれたのは日本銀行本店本館である。この本館は明治時代を代表する建築家・辰野金吾によって設計され、1896年に竣工した歴史的建造物だ。なお、辰野は新1万円札の裏面の東京駅丸ノ内本屋の設計者としても知られる。
それまで発行された紙幣の裏面は、表面と比較すると簡素なデザインだった。たとえば、先代の100円札(通称・めがね100円札)などは雑誌ほどの巨大なサイズであったものの、裏面には“100YEN”などの額面の数字と、兌換紙幣であることを説明した英文が書かれている程度にすぎなかった。
裏紫100円札は、日清戦争に勝利した日本が本格的な金兌換制を導入するにあたり、国の威信をかけて発行された。そのためか、裏面にも遜色ないレベルのデザインが施されるようになり、高度な偽造防止技術も盛り込まれた格調高い紙幣に仕上がっている。
さて、日本銀行本店本館は、裏紫100円札が発行された約7年前に竣工した。それまでお雇い外国人が中心となって設計されていた国家的建築をはじめて日本人の手で完成させた意味で、明治建築界の記念碑とされる。その全景をデザインしたことは、日本銀行の権威を国内に知らしめる意味でも有効だったと思われる。
ところが、発行から約20年後、1923年に関東大震災が発生する。関東地方一帯を襲った大地震によって都心は焼け野原となり、官庁街の庁舎の多くが焼失し、政府の中枢は機能不全に陥った。日本銀行本店も火災に巻き込まれて本館の一部フロアが焼失、ドームは鉄骨部分を残すのみになり、分館の大部分が失われる甚大な被害を受けた。現在見られる本館はその後に修復されたものである。日本銀行は翌営業日から営業を再開したといわれるが、日本橋のほぼ全域が被害に遭い、繁華街は壊滅したという。
(文・取材=山内貴範 イラストレーション=坂之王道)
続きは本誌(電子版)で。
webムー編集部
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