超古代文明の遺産か、自然地形か?「南極ピラミッド」の歩き方/ムー的地球の歩き方

文=中村友紀

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    2キロ四方の超巨大建造物は実在するのか?

    「観測史上最高に暑い夏」となった日本列島。こんなときには、せめて気分だけでも涼しい思いをしてみたいもの。
     そこで氷に覆われた大陸、南極のピラミッドはどうだろう。

    衛星写真に写りこんだ、南極の超巨大ピラミッド(Google Earthより)

     このピラミッド、1900年代初頭にはすでにイギリスの探検隊によって発見されていたともいう。また、1935年にはアメリカ人パイロットのリンカーン・エルズワースが、南極上空を飛行中に巨大ピラミッドを目撃したという記録もある。
     ナチス・ドイツのヒトラーが、南極古代文明の存在を主張し、調査隊を派遣していたことは有名だが、それはこのピラミッドを捜すことが目的だったともいわれているのだ。
     そして2016年。ついにこの「幻のピラミッド」の姿が、インターネット上に現れた。「グーグルアース」の登場によって、見事なピラミッド状の「地形」が衛星画像で確認されたのである。
     特筆すべきはサイズで、推定で底面がほぼ2キロ四方という巨大さだった(ちなみにエジプトのギザの大ピラミッドの底面は約230メートル!)。
     場所はエルズワース山脈の近く。つまり、先述のパイロット、リンカーン・エルズワースが目撃したのは、まさにこのピラミッドだったと思われる。
     もちろん、正式にピラミッドと認定されたわけではなく、地質学の世界では、あくまでも自然地形の山にすぎない、という意見が強いのも事実なのだが……。

    こちらは2012年に突然公表された、南極のピラミッドと称する写真。ただし、真偽のほどは不明だ。

     しかし一方で、この地域の大地には多くの化石が眠っていることも確認されていることから、かつて南極大陸が緑に覆われていた時代の遺物であることも、「ムー」的には否定しきれない。そもそも南極大陸にかつて高度な文明があったという説は、本誌読者ならよくご存じのはずだし、あの「ピリ・レイス」の地図にも、南極の「都市」らしき記号の記載が見られるのだから。
     ちなみに南極への行き方だが、当然ながら定期便はない。
     南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、あるいはチリやアルゼンチンから船で向かう不定期ツアーの利用が現実的だが、上陸も含むと最低でも500万〜600万円の費用がかかるのは覚悟していただきたい。

    (月刊ムー 2024年10月号掲載)

    中村友紀

    「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。

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