世界各地の古代文明に共通する「謎のハンドバッグ」の正体は? 未知の“相互関連性”と古代宇宙飛行士説
世界各地の古代文明のレリーフに描かれている人物に、奇妙な共通点があった――。文化も出自も異なるはずのキャラクターたちが、皆一様にハンドバッグを手にしているのだ。
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確認される世界最古の神殿遺跡ギョベクリ・テペ。円形の遺構は、かのアトランティスの円形都市を再現したものだったーー!?
前編はこちら https://web-mu.jp/history/56530
トルコ・アナトリア地方南東部で発見された世界最古の円形遺構「ギョベクリ・テペ」。古代の神殿または祭祀的な施設と考えられているものの、人類発展の順序に合致しない、地球で最も謎多き巨石建造群である。
いまだ10%程度しか調査が進んでいないことから、さらに古い遺跡の発掘が期待されているものの、まずはギョベクリ・テペ最古の遺構「エンクロージャーD」からアトランティスの記憶を紐解いていきたいと思う。
エンクロージャーDとは、狩猟採集が定説とされる約1万2000年前、正確には紀元前9990(前後30年の幅)に造られた、直径約30メートルの円形遺構である。中央には高さ約6メートル、重さは20トン超の2本の巨石がシリウスの方角に合わせ、向かい合わせに設置されている。そして、その周りをさらに11本の石柱と石壁に囲まれた構造をしているが、どのようにこれほど巨大な一枚岩を運搬したのかはわかっていない。
石柱には様々な幾何学的模様の他、人間や動物のレリーフが施されていることから、宗教的世界観を示唆した建物、つまり当時の神殿のような役割を果たしていた可能性が高いと推測されている。
だが、これほど古い時代に、いったい誰がこのような建造物を造ったのかは、「Unknown=説明がつかない」というのが現状だ。
まさに文明の始まりを知る——ゼロ・ポイントと呼ばれるこの遺跡。神殿や宗教的施設という説にも一部同意するが、著者は単なる宗教的信仰心から造られたものではないと考えている。
まずはこの画像をご覧いただきたい。これは最も解読が進んでいる石柱43、通称「ヴァルチャー・ストーン(ハゲワシの石)」と呼ばれるものである。ハンドバッグのような図柄や幾何学的な模様のほか、丸い球体を持つ鳥、サソリ、ヘビのような生き物が確認できるだろうか。
約1万2000年前の石柱がここまで良い状態で発見されたことにまず驚きだが、英・エジンバラ大学の研究チームによると、これは大災害を示唆した内容である可能性が非常に高いそうだ。
その解読方法はというと、なんと、「星座」だという。中央の球体を太陽とし、モチーフを上から順に双子座、うお座、おおかみ座、へびつかい座、射手座、サソリ座、てんびん座に置き換えたところ、紀元前10,950±250年夏至の天空図にピタリと一致。そして「V」字型の模様は太陰太陽暦を示しており、右下部の奇妙な生物を、”首のない人間”と解釈すると、約1万3000年前に多くの人間が亡くなった、つまり、未曽有の大災害が起きた歴史的記録であることが判明したのだという。
では、その地球を襲った未曽有の大災害とはどのようなものだったのだろう。
これは、ハゲワシの石と同じエンクロージャーDにある石柱33である。「彗星衝突と大洪水の歴史を刻んだ石碑」として推測されているもので、具体的には「おうし座流星群の放射点が、数週間かけて水瓶座からうお座へと広がっていったその軌道と、流星群から派生した彗星が地上に衝突し、大洪水が発生した記録」として解釈されている。
ほかにもさまざまな解釈があるものの、この石柱が「人類最古の洪水の記録」とも考えられるではないか。旧約聖書をはじめ、世界のあちらこちらで共通した大洪水の神話・伝承が存在しているが、世界最古のギョベクリ・テペ遺跡から大洪水を伝える石柱が見つかるとは、ただの偶然とは言い切れないだろう。
では石碑の記録が史実だとしたら、地球にいったい何が起きたのだろうか——。その答えについて英・エジンバラ大学の研究チームが、ある興味深い説を主張している。それは紀元前1万0835(前後50年)に始まった一時的な寒冷期「ヤンガードリアス期」の記録、というものだ。
ヤンガードリアス期とは、最終氷河期の終わり、温暖化が始まっていた時期に発生した急激な寒の戻りである。おうし座流星群の母彗星「エンケ彗星」の断片の衝突、または空中爆発が起因とされ、地上は津波、噴火、大火災のほか、広範囲に渡り破片が飛散する大惨事に見舞われた。もちろん生き物への影響も半端ではなく、急激な寒冷化で、多くの動物が絶滅。これにより人類も狩猟採集から農耕牧畜へと生活が変化していった、まさに地球規模の大異変時代である。
研究チームは、ハゲワシの石が残した「紀元前1万0950±250年に起きた大災害」というメッセージと、石柱33の伝える彗星衝突の記録が、ヤンガードリアス期に突入するきっかけとなった歴史的イベントを示唆していると主張。ヤンガードリアスが始まったとされる時期までもが一致していることから、これらの石碑は、彗星衝突により発生した未曾有の大災害を記録したものと結論づけているのである。
ギョベクリ・テペの石碑に遺された、ヤンガードリアス期に一致する天空図と、彗星衝突による大洪水の記録——この関連性は無視できるものではないだろう。
だが、思い出してみてほしい。
エンクロージャーDの石碑は、炭素年代測定の結果、そのほとんどが約1万2000年前後に造られたことが明らかになっている。これに対し、ヤンガードリアス期はざっと計算して今から約1万2860年前に始まり、約1万1700年前に終了している。単純に計算してもは約800年という空白の期間が生じてしまうだろう。
さらにこの謎に拍車をかけるのが、石碑に残された高度な建造技術や天文学知識である。彼らの説を事実とするならば、当時の人々はすでに星座という概念があり、天空図を正確に書き写す技術を持っていた。これは約800年前、現在に置き換えるならば、鎌倉時代の天空図や、流星群の軌道を記録したことになるだろう。もしかしたらすでに描かれた天空図を模写したものなのかもしれない。そして、シリウスの位置を正確に把握し、巨石を使用した建造物を造ったのである。
そう——これは少なくとも約1万2800〜1万2000年前の地球には非常に高度な文明が存在していたという、とんでもない事実をわれわれに突きつけていることになるのだ。
著者は、このギョベクリ・テペこそ、伝説の超古代文明「アトランティス」の遺産ではないかと考えている。大陸沈没という未曾有の大災害を逃れた人々が故郷の復活を願い、この地に残した知の遺産だ。
するとこれには、アトランティスの歴史や知識を継承して伝える、”語り部”が存在していたことになるが、著者はハゲワシの石に刻まれたハンドバッグのレリーフにそのヒントがあるような気がしてならない。メソポタミアのみならず、世界中の古代遺跡にギョベクリ・テペと共通した特徴が見られるというこの事実は、何かつながりがあるとしか考えられないだろう。いうならば、ここには人類史の起源の謎を解く鍵が隠されている——そう思えてならないのだ。
エンケ彗星の衝突、というポールシフト級の大災害によってアトランティスが滅んだのだとしたら、生き延びた人々の生活が激変したのは間違いない。
そしてヤンガードリアスという、地球の冬が終わりにさしかかった頃、彼らはここに首都・ポセイドニアを模倣した円形型の神殿を造り、かつての超文明「アトランティス」の記録を託したのではないあろうか。
エンケ彗星が木星と共鳴し、おうし座流星群の火球が爆発的に増えるのが2025年と2032年が予想されている。はたして今年の流星群はどのような姿を見せてくれるのだろうか。
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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