ドゥアトゥンバ文明 ロシア超古代文明の痕跡/世界の新七不思議
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未来人ウォッチャーがネットを騒がせた未来人を独自の視点で振り返るシリーズ。シメの5回目は、未来人たちの目的や存在意義を考察する。予言はなぜ「外れる」のか?
これまで4回にわたって、ネットに出現した「未来人」をざっくりと振り返ってきた。
しかし、そもそもなぜ、未来人は現代にアクセスしてきているのか?
締めくくりの今回で考察してみたいと思う。
未来人がこれまで我々現代人に伝えてきたことは、だいたいにおいて、災害、戦争、疫病などというような厄災である。なので、まず、未来人は人類滅亡を阻止、あるいは、悲惨な未来を変えるために過去に戻って警告メッセージを伝えに来ていると考えてみよう。
誰もが知る、2036年から来た未来人ジョン・タイター。彼が数多く残した予言の中で、筆者が最も恐ろしいと思っているものがある。
それは「2004年からアメリカで内戦が起こり国内は混乱する。やがて混乱は世界に及び、それを抑えるためロシアが2015年に核兵器をアメリカに投下。怒ったアメリカが反撃し、第三次世界大戦へと発展する。そして、2017年30億人の死者を出し、世界人口が半減してロシアが勝利する」というものだ。
まさに人類滅亡の終末予言であるが、タイターが予言した第三次世界大戦の引き金となるアメリカの内戦は今のところは起こってはいない。
しかし、2075年からやってきた英国陸軍兵のマイケル・フィリップスは「ジョン・タイターがアメリカの内戦を止めた」と語る。マイケル・フィリップスは、未来人を扱うYou Tube動画サイトとして有名な「ApexTV」に登場して話題になった人物である。
マイケル・フィリップスによれば、ジョン・タイターはどうやら米国の諜報機関と共謀して、内戦と第三次世界大戦を回避するミッションを行っているらしい。
そして、タイターは内戦が起こるタイムラインを変えるため、アメリカ国民を団結させるイベントとして、9.11を起こしたと語っている。9.11の中で語られる陰謀論としてはかなり突拍子もないが、もし未来人が起こしたとするならば、自作自演説を別の角度で説明することになる。
マイケル・フィリップスの話すことが本当であれば、未来人は、不幸な未来を回避するために過去に戻ってイベントを起こしている可能性はあるだろう。
また、マイケル・フィリップスは「上空で目撃されているUFOは時空探査機である」と述べている。我々が宇宙人の乗り物と思っているUFOには、未来人が搭乗し過去改変の様子を観察しているのかもしれない。
そして筆者の脳裏に浮かぶのは、今年話題になった「2022年7月4日に南海トラフ巨大地震が起きる」という2人の未来人の予言である。
かつて2019年6月にTwitterに現れた「2054年から来たという未来人XYH」の発言がとりわけ人々を戦慄させた。そして、この「XYH」こそが「2022年7月4日に南海トラフ巨大地震が起きる」と警告していたのだ。
「XYH」は、2022年の南海トラフ巨大地震では31万人が犠牲になると語った上で「10万リツートでその惨状を撮った写真を公開する」と公約した。しかしその後は「写真が手元にないため未来まで取りに戻る」と述べ、結局のところ南海トラフ巨大地震の写真は一度も公開されることなく、アカウント自体が消えてしまった。
このような経緯に鑑みれば、「XYH」の南海トラフ巨大地震の予言について、単なる悪いジョークと捉えることもできるだろう。しかし筆者は、別の「2062年から来た未来人」の予言とも不気味な符号を見せている点が非常に気になったのだった。
「2062年から来た未来人」は、東日本大震災や熊本地震を予言・的中させたとして、ネット界隈で脚光を浴びる有名未来人である。その「2062年から来た未来人」は、2016年の時点で南海トラフ巨大地震の発生日を謎の暗号で予言していた。
2062年から来た未来人によれば、IQ150ほどあれば数か月で解けるものだという。この暗号は、逆さまにしたり区切ったりして読んだ後、エニグマ暗号機(第二次世界大戦のときにナチス・ドイツが用いた暗号機)を使うなど、特殊な方法を使用しないと解読できない難解なものであった。しかし、この暗号に関しては、掲示板ユーザーなどによって、ネット上で「解読」が試みられた。
その結果、ズバリ次のようなメッセージではないか、と指摘されている。
「2022年7月4日 南海トラフ 逃げてくれ!」
同じ日時の南海トラフ地震を、「2062年から来た未来人」と「2054年から来た未来人XYH」の2人が予言していたのだ。これは単なる偶然とは思えない。両者が同じ世界線、時間軸を生きているのか、または現代のTwitter上でのみ接点を持ったのか、それはわからないが……。
しかし、現在ではご承知のとおり、その日(2022年7月4日)には何も起こらなかった。
地震は起きなかったものの実際に今、南海トラフ巨大地震のリスクは高まってきている。この1月22日には、南海トラフの西端にある日向灘を震源とするM6.6の大きな地震が発生した。大分県や宮崎県などで最大震度5強を観測し、西日本を大きく揺らしたのである。気象庁は「もし今回の地震の規模がマグニチュード6.8以上だった場合には、南海トラフ地震臨時情報を発表していた」と明かす。
そして、石川県能登地方において、6月19日、20日と立て続けにM5クラスの大きな地震が発生した。2022年6月20日付の『zakzak by 夕刊フジ』の記事(リンク)で、災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は、能登半島の地震を「南海トラフ地震の前に起こる内陸型地震の一環と考えられるのではないか」と強調している。
やや強引な見解であり、予言的中を主張するわけではないが、2022年7月4日に向けて、南海トラフ巨大地震への危機感が具体的に高まっていた時期だった、とはいえるだろう。
もしかすると未来人の元の世界線では、「2022年7月4日に南海トラフ巨大地震が起きていた」のかもしれない。予言が現在(未来人にとっての過去)のネット上で拡散して話題になったことで世界線がずれ、地震が起こらない未来に変わったのではないだろうか。
だが、はたして、未来人が過去に干渉することなどできるのだろうか?
「親殺しのパラドックス」という有名な矛盾がある。「過去にタイムトラベルした自分が血の繋がった自身の父親を母親に出会う前に殺害したらどうなるか?」というものである。父親を殺害したら自分は生まれてこないので、自分自身が消えてしまう。しかし、自分が存在しなければ父親は殺されることもないので、自分が生まれてまた過去にタイムトラベルして父親を殺しに行くという顛末が成立しない。矛盾が生まれるのだ。
こう考えれば、やはり過去は変えられないこととなる。
しかし、オックスフォード大学の物理学者デイヴィッド・ドイッチュは、量子力学の多世界解釈を支持しており、この宇宙は絶えず無限に分岐しており、無数の平行宇宙が存在するーーつまり、パラレルワールドを考えれば、「親殺しのパラドックス」は解決できるとしている。
さらに、過去を変えて、その変化を観察するには、観察対象の世界線に影響を受けない世界線にいなくてはならない。未来人は、もしかすると過去にいろいろなイベントを起こすことでどれだけ未来に変化が現れ、世界が分岐するのかなどを実験しているのかもしれない。
これまでの記事で振り返ってきた未来人たちの干渉を受けた世界線を我々は歩んでいる。当の未来人は世界線を変えることが目的なので、「予言が外れる」ことが未来人の存在、干渉の事実を裏付けるともいえる……?
未来人がタイムトラベルする方法、スタイルは、肉体ごと移動するほか、文字や映像などのデータだけ送り込むパターンもある。
ジョン・タイターのように過去に遡ってマシンを回収するなど大掛かりなミッションがある場合は、タイムマシンで肉体ごと目的の時間軸に移動せねばならないだろう。しかし、未来からメッセージを伝えるだけであれば、肉体を移動させずとも、低情報量のデータ転送が楽であると思う。
それに、情報だけを過去に送る装置はすでに完成しつつあるのだ。
理論物理学者のロン・マレット氏は、時間を遡る方法を見つけたという。マレット氏によれば、アインシュタインの理論では、空間と呼んでいるものには時間も含まれる。それが時空と呼ばれるもので、空間に対して影響を与えると時間にも影響が起こるという。
やがて、マレット氏は、レーザー光が時間を変えられるということに気づいたという。マレット氏は、ぐるぐる巻きにしたリングレーザーの光で時間と空間を捻じ曲げる方法で「タイムマシン」を作ったのである。
マレット氏は、リングレーザーのタイムマシンで情報を過去に送ることができるという。過去に情報を送信することで、地震や津波、事件などの大惨事の情報を伝え、多くの人の命を救うことができると主張しているのだ。
ネット掲示板やTwitterといった文字情報にこそ、案外、マレット式のタイムマシンを用いた未来からのメッセージ、本物の未来人からの予言が混じっている可能性はある。
現代にやってきている未来人がすべて本物かどうかはわからない。
それでも混沌とした世相の中、どこか胡散臭いと思われながらも、未来人の予言の需要はますます高まりそうだ。
白神じゅりこ
予言・滅亡研究家。新感覚オカルトライター。滅亡系YouTuberとしても活動。
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