「屁」で幸福を得る爺と、災いを得る隣の爺/妖怪補遺々々
妖怪放屁放屁〟3部作の第2弾! 鳥を呑んだ爺さんと隣の爺さんの物語と、21の類話を怒涛の如く補遺々々します。
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現地時間7月6日未明、アメリカの「ジョージア・ガイドストーン」が突如何者かによって爆破された!! はたしてこれは新世界秩序への抵抗か、あるいはすでに世界政府設立への「計画」が完了しつつあるというメッセージなのだろうか……。
アメリカ南部ジョージア州。州都アトランタから東に160キロ行ったエルバートンという小さな町に、1980年に建てられた“アメリカのストーンヘンジ”と呼ばれる建造物があった。知る人ぞ知るといった趣のモニュメントだったのだが、現地時間2022年7月6日の未明、何者かによって爆破された。
ジョージア・ガイドストーンは、高さ6メートルの石板4枚が並べられ、その上に冠石が乗せられた構造物だ。4つの古語と8つの現代語で人類保存のための10か条(ガイド)が刻まれている。
●人口は5億人までに保ち、自然との恒久的バランスを保つべし。
●出産は賢明な形で行う。健康と多様性を増進すべし。
●新しい言語で人類をつなぐべし。
●情熱、信仰、伝統、すべて鍛錬された理性をもって律すべし。
●国民と国を公正な法と法廷で守るべし。
●すべての国々が自治を行い、外的紛争は世界法廷で解決すべし。
●些末な法や無能な役人を避けるべし。
●個人の権利と社会的義務のバランスを取るべし。
●真実と美、愛を限りなく称賛すべし。
●地球にとっての癌になることなく、自然に余地を与えるべし。
1979年に地元の業者が建設工事を請け負ったが、発注者の名前が偽名だったことが後になって明らかになっている。つまり、本当はだれが建てたのかわからない。
刻まれた10か条のガイドには高い象徴性が感じられるが、万人に受け容れられているわけではない。
2008年には「新世界秩序に死を」というメッセージが書き込まれる事件があった。そして今回、爆破されて大きな損傷を受けることになってしまった。安全を期すため、当局は全体の取り壊しを計画している。
ガイドストーンが数々の陰謀論に彩られた建造物だったことを知る人は多い。
今回の事件は、“悪魔的な蛮行”と形容する人たちがいる一方で、「やはり」「案の定」というスタンスで語られているのも事実だ。2008年の落書き事件にも端的に表れているとおり、ガイドストーンは新世界秩序(ニューワールド・オーダー=NWO)の象徴、あるいはディープ・ステートによる世界政府設立への具体的なマニフェストであるという見方が根強い。また、“反キリスト主義者の十戒”あるいは“悪魔崇拝者が建造した反キリスト主義の象徴”と形容する宗教団体もある。いわゆる陰謀論者陣たちは今回の事件をどうとらえているのか。
彼らを包む空気は、歓喜と懸念がないまぜになっているようだ。中でも目立っているのは、アメリカ政府内に悪魔的思想グループが存在すると信じて疑わないQアノンだ。指導的メンバーはガイドストーンの破壊に拍手を送り、20万人のフォロワーがついているとある関連アカウントには、こんな文章がアップされた。
「ジョージア・ガイドストーンは傲慢にも悪魔思想グループの計画を文字化したものにほかならない。奴らの計画は構造自体とともに破壊された。“アーメン”というひと言ほどふさわしい言葉はない」
アメリカ国内でハードな陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズは、ガイドストーンがNWOの計画の存在証明であると考えているようだ。
「構造そのものが持つ意味を考えてほしい。NWO思想の象徴的建造物であることは間違いないが、最も大切な要素は、それが発するメッセージだ。形があるものをあえて壊すことで、メッセージが広く伝わることを狙ったのかもしれない。つまり、今回の事件の本質はNWOの自作自演と考える」
ちなみに、新世界秩序という言葉を公の場で初めて使ったジョージ・W・ブッシュ・シニアの息子ジョージ・W・ブッシュ・ジュニアの誕生日は7月6日だ。事件当日、76歳になった。こうした事実に何らかの要素を見出そうとする人たちがいることもつけ加えておく。
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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