「人工知能を規制せよ!」 人工知能開発者たちが超知性体AIを警戒する現実的理由
思考するコンピューター=AIが、 身近な存在になって久しい。AIが導く未来は必ずしも幸福とは限らず、逆にAIと人類の「戦い」の日が迫る!? 開発者たちの見解を踏まえ、脅威に備えていこう。
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生成AIの研究開発をリードしてきた米OpenAIの内紛劇が混迷を深めている。サム・アルトマン元CEOが理事会によって解任されたことを受け、従業員の9割が「理事会の刷新とアルトマン氏の復職」を要求して退社を示唆。さらに、OpenAIの主要な出資者であるMicrosoftがアルトマン氏と従業員らを迎え入れる姿勢を示し、結果的にMicrosoftが全てを手にするかに思われた。ところが直後、OpenAIが態度を一変させ、現在はアルトマン氏の復職で合意し、理事間の意見調整や最終交渉が行われているという。
状況は目まぐるしく変化しており、まだまだ一悶着ありそうな雰囲気だが、昨今ChatGPTの開発でAIの可能性と脅威を社会に広く認識させる立役者となったOpenAIだけに、人々の注目も桁違いだ。そして今、OpenAIの衝撃的内部情報がもう一つ、海外メディアによって報じられ、オカルト界でも驚きの声が広がっている。それはOpenAIの研究者たちを束ねるチーフサイエンティスト、イリヤ・サツキバー氏に関する情報だ。
OpenAIの共同創業者であり、アルトマン氏の解任で主導的役割を担い、尚且つ態度を一変させた理事でもあるサツキバー氏。内紛劇の隠れた中心人物に他ならないが、米「The Atlantic」誌やサイエンス・テクノロジー系サイト「Futurism」をはじめとする海外メディアが、実は社内で奇妙な行為が目撃されていたと報じている。
元従業員の告白によると、OpenAI内部ではサツキバー氏が「AGIを感じろ! AGIを感じろ!」と連呼し、同氏に近い従業員がそれを復唱する儀式的な光景が何度も目撃されていたという。
AGIとは、OpenAIが究極の開発目標に掲げていた「汎用人工知能(Artificial General Intelligence)」のこと。理解と学習から実行に至るまで、あらゆる知的作業を人間と同等か、それ以上にこなすことができる現在のAIの発展形だ。多くの企業や国家が開発を競っており、今後数十年以内に実現すると考えられているが、予想よりずっと早く登場するとの指摘もある。まさに究極のAIであり、やがて人類を支配する神のような存在になると危惧されているのも、このAGIだ。
サツキバー氏は、OpenAIでの研究に携わるうちに、もうすぐAGIが誕生すると確信し、その潜在的リスクに対する懸念を深めていたという。そして、もとは非営利団体であるOpenAIの使命に立ち返り、人工知能が人類の利益に反して動く可能性を排した健全な進歩を目指すべきと主張。同様の見解を持つOpenAI従業員の中で、やがて精神的指導者のように振る舞い始めたという。「AGIを感じろ!」という言葉は、我々の手に負えない人工知能がもうすぐ誕生するという危機感を煽るフレーズだったというわけだ。
そして、サツキバー氏の行動はさらにエスカレートしていったというのだ。
彼は「調整されていないAI」、つまり規制や制御を受けずに開発された、人類に危害を加えかねないAGIを象徴する“木製の人形”を作るようアーティストに依頼。それを管理職向けのワークショップの場に持ち込むと着火し、焼き払った……「ほんとか?」と思える行為だが、報じている内容にはそうある。
OpenAIの共同創業者で理事も務めるサツキバー氏が健全なAIの発展を願うならば、そう主張すればいいだけの話だが、なぜ周囲に一斉唱和を求めたり、人形を焼き払うなど、海外メディアが“霊的”と表現するほどエキセントリックな行為に走ったのか? そしてアルトマン氏の解任後に態度を一変させた真意は? 本件はまだまだ謎に満ちている。
ちなみに、アルトマン氏は将来的に邪悪なAIが世界に悪影響を与える可能性を認めながらも、AGIを完成させることがOpenAIの最大の目標であると主張し続けてきた。今回の内紛劇の背景に、このAGIに対する認識の違いがどれくらい影響したのかは不明だが、いずれにしても人工知能開発の最先端を走る科学者が「AGIの誕生が目前に迫っている」と確信しているという現状は認識しておくべきだろう。人類はどのようにAIと向き合っていくか、議論を超えるスピードで開発は加速しているようだ。
・ 昨年、未知の物体が月面に衝突し、謎の「二重クレーター」が形成されていたことが発覚
webムー編集部
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