ペルー密林に整然と並ぶ8つの構造物「パラトアリのピラミッド」の謎! 失われた古代都市「パイティティ」の遺跡か?
ペルーの広大な熱帯雨林で、規則正しく並ぶ8つのピラミッドは、伝説の失われた都市の痕跡なのだろうか!?
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2万7000年前の旧石器時代を生きた先祖は、なんと巨大ピラミッドを作り上げていた。果たしてそのピラミッドは何のために、そしてどんな技術で建造されたのか?
ピラミッドの代名詞であるエジプト・ギザの大ピラミッドは今から4700年頃に建設がはじまったとされており、当時の人々の巨大建築の技術に驚かされると共に謎も膨らんでくるが、そんな疑惑をはるかに凌駕するミステリーに直面しなければならないようだ。
インドネシアの西ジャワの緑豊かな山頂にあるグヌン・パダン(Gunung Padang)は、まさに人類の巨大建築の歴史を塗り替える遺跡だ。
今年10月、インドネシア国立研究革新庁(BRIN)をはじめとする研究チームが学術誌「Archaeological Prospection」で発表した研究によって、グヌン・パダン遺跡が古代エジプトのピラミッドや英国のストーンヘンジに先立ち建造されたことが確定的となった。
過去、このグヌン・パダン遺跡の謎について「ムー」では何度も取り上げてきたが、実は海に沈んだ古大陸「スンダランド」の一部であり(2015年12月号を参照)、さらにこの場所こそ伝説のムー大陸ではないかという説がある。
残念ながら今回の発表は、それらに言及するものではないが、インドネシアが2011年から国を挙げて取り組んできた同遺跡調査の集大成として、グヌン・パダンこそが(現状では)世界最古のピラミッドであることが科学的に確認された点、そしてレーダーで測った詳細な地形図が明かされた点において、同遺跡の全貌解明に向けた大きな一歩となった。
発表によると、地質学者のダニー・ヒルマン・ナタウィジャジャ氏が主導した地中レーダーを使った調査では、これまで考えられていた以上に複雑なグヌン・パダンの構造が解明された。地中まで至るピラミッド状の構造物のところどころに、空洞や部屋のようなスペースがあることまで判明したのだ。
さらに調査チームは、地下30メートルまでドリルで掘削して土壌サンプルを採取し、放射性炭素年代測定にかけてみると、構造物が1万6000年前から2万7000年前の間に作られたものであることが判明。仮に1万6000年前のものであるとしても、エジプトのギザのピラミッドより1万年以上古く、トルコのギョベクリ・テペ遺跡の巨石構造物より数千年古いことになる。
科学者によると、今回の発見は狩猟採集社会が「原始的」だったとする従来の説を覆すものであり、古代文明の優れた工学的能力を物語っているという。
さらに驚くべきことに、グヌン・パダン遺跡は過去に3度の“増築”が行われていたことも判明した。
地下30メートルの最初に作られた「ユニット4」は建設後に何千年も放置され、次の「ユニット3」は紀元前6100~7900年の間に建造されたが、後に意図的に大量の土で埋められた。さらにその上の「ユニット2」には、円柱上の巨石が人為的に並べられており、紀元前5500~6000年の間に作られたと推定できるという。そして頂上に位置する「ユニット1」は、階段状に並ぶ5面のテラス(盛土)で構成されており、紀元前1100~2000年頃に建造されたことが判明した。
こうしたことから研究者らはグヌン・パダンは数千年にわたって「複雑かつ洗練された段階」を経て建設されたとしており、「これまで考えられてきた狩猟採集文化とは相容れない、驚くべき石積み能力を持っていた」と研究チームは語る。
「古代の人々が数千年にわたりグヌン・パダンを改変しながら長く継続的に使ってきたことを考えると、ここが何らかの重要な役割を果たしていたと推測できます」(研究チーム)
グヌン・パダンとは現地の言葉で「悟りの山」 を意味していることから、何らかの宗教的儀式など、当地に暮らす人々の精神性に関わる場所であった可能性が高い。
今回、グヌン・パダン遺跡が人類史の定説を覆すほど古いものであることが確定したことによって、この建築技術が地球外からもたらされたものである可能性についても考慮すべきかもしれない。所謂「古代宇宙飛行士説」だ。
また、2017年にインドネシア・スラウェシ島のリャン・テドンゲ洞窟で発見された壁画は古いもので4万4500年前に描かれたものとされ、現在のインドネシア一帯に超古代文明が栄えていた可能性も示唆されてくる。前述のスンダランドやムー大陸がこの場所に存在した可能性も俄然高まってきたように思われる。
建造の年代は確定した。次なる調査の課題はもちろん、このピラミッド内部の部屋に何があるのか、そしてこの場所は一体どんな場所だったのか、という点に移っていくだろう。驚異の超古代ピラミッドについての続報に期待したい。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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