霊を見て、いわくの品々と通じあう! 〝視える〟呪物コレクター・由乃夢朗の霊感半生
霊視ができてしまう呪物コレクター・由乃夢朗さんのオカルト活動をインタビュー。謎の存在から受け取った石の霊力とは……?
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ギリシアと日本を結ぶ「幻視」のメカニズムを三上編集長がMUTubeで解説。
古代ギリシアの壺絵に隠された「神託の奥義」
この絵には秘密がある(下図参照)。
紀元前5世紀ごろに古代ギリシアで作られた壺絵だが、左に腰かけているピュティアと呼ばれたアポロン神殿の巫女が「神託」を下していた図とされている。実はこの絵には、知られざる「神託の奥義」が表現されてあったのだ。
神託とは神のお告げのことだが、現実問題、神様などは存在されないので、神託に摩訶不思議な内容が含まれてあったならば、それは生きている人間の仕業に違いなく、いわゆる「超能力」の範疇だ。だが人の超能力では貧弱なので、神という高級ブランドを装っていたのだ。この壺絵は「超能力の秘密」を現していたことにもなるだろう。
現在のギリシア神殿は空虚で、単なる観光名所にすぎない。だが古代は違う。ポセイドンやゼウスやヘルメスのようなギリシア神話の神々が現実に祀られていて(日本の神社と同じく)神官や巫女たちも多数奉仕していたから、それなりに金が必要だったのだ。では何で稼いでいたのだろうか? それがすなわち「神託」だったのである。
名のある神殿は大半が神託所を兼ねていて、有益な神託が発せられると返礼として宝蔵を埋め尽くさんばかりの金銀財宝を奉納した、そんな話がヘロドトスの『歴史』に記述されている。
だが神託所にも上下優劣があって、王様や富裕層向けや庶民向けがあり、神託の技能的な側面においても同様で、稚拙な辻占いレベルから本格的なそれ(超能力理論にかなった方法)まで多種あって、より人気を博そうと、しのぎを削っていたわけなのだ。
あえて「神託」に頼ったクロイソス王の運命は
神託なんか信じていない賢い王様がいた。紀元前6世紀ごろ、トルコ側にリュディアという国があって、そこのクロイソス王の物語だが、わけあって信じてない神託に頼ってしまうのだ。彼のたどった数奇な運命を紹介しよう。
当時のギリシアには、アテナイやスパルタなどの多数の都市国家が各地域に成立していたが、エーゲ海をはさんでトルコ側も文化や宗教的にはギリシア圏で、リュディアは、小国を次々と征服して最大級のポリスとなっていた。
「クロイソスの金貨&銀貨」として知られる純金と純銀の硬貨を鋳造し、金本位制(銀はサブ)という現代に通じる貨幣制度を世界に先駆けて導入したのが彼で、それゆえ莫大な富を誇り、クロイソスは大金持ちの代名詞となった。「as rich as Croesus」と英語の慣用句に用いられているぐらいだ。また、壮大なアルテミス神殿を建造したのもクロイソスで、バビロンの空中庭園やギザの大ピラミッドなどと並んで古代世界の七不思議に数えられている。
けれども、まさに好事魔多しで、東からペルシア帝国の大軍が迫ってきていたのだ。スパルタのレオニダス王がわずかな兵で峠を死守したテルモピュライの戦いの約70年前で、いうならば前哨戦だ。ペルシアの脅威に、クロイソスとしても神様におすがりしたかった。だが神託なんかはなから信じてはいないのだ。そこで一計を案じて、神託所の真贋をテストすることにしたのであった。その方法というのは──。
現代にも通用する超能力の検証実験
彼は、ギリシア圏の主だった神託所にいっせいに使者を発したのだ。そして正確に100日後に神託を求め、リュディアの国王・クロイソスが今現在何をやっているのか問え、と命じたのであった。これは現代でいうところの遠リモートビューイング隔透視に類するが、秀逸な検証方法だ。使者たちは、当日クロイソス王が何をやるのかまったく知らなかったし、直前に思いついたような突拍子もないことを彼はやっていたからである。
やがて使者たちが戻ってきた。そして神託の内容を次々と報告したが、美女をはべらしているとか、猛獣を狩っているとか、いかにも王様がやっていそうな話ばかりだ。
けれども、冒頭で紹介したアポロン神殿(ギリシア本土のデルポイにあった)だけは別で、巫女のピュティアは、独特のヘクサメトロス(六脚韻)の詩形でこう告げたという。
「……堅き甲羅の亀の臭いがしてきたぞよ、青銅の鍋に山羊の肉とともに煮えたる亀の臭いがな。その下に青銅が敷かれ、青銅はまた上にもあるぞ」
では実際、クロイソスは何をやっていたかというと、亀と子羊を切り刻んで青銅の大釜に入れて青銅の蓋をして煮ていたそうなのだ。つまり、ものの見事に的中させられたのであった。
その後の経緯をかいつまんで説明すると、すっかり兜を脱いだクロイソスは、3000の犠牲獣を捧げて神の恩寵を願い、ありったけの金銀財宝をデルポイに届けて「ペルシアとどう戦うべきか」あらためて神託を乞うた。その神託を信じて進軍させ、カッパドキア近郊で合戦となったが、善戦したものの結局は惨敗してリュディア国は滅亡し、クロイソスは妻子ともども火炙りの刑に処せられてしまったのである。
先述した『歴史』では、そもそもはクロイソスが神託の解釈を取り違えたのが悪い、と解説されてあったが、はたして真相はどうだったのだろうか?
続きは本誌(電子版)で。
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