自分で自分の車に轢かれてしまった話など/南山宏のちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2023年9月号、第473回目の内容です。
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『ヤングマガジン』で好評連載中の「徘徊者」。今回はその作画を担当する漫画家・宝依図(たからい はかる)先生に、幼少期の心霊体験をうかがった。戦慄のトレインホラーを描く漫画家が見た、リアルな恐怖とは……。
──作画を担当されているホラー漫画『徘徊者』では、霊を見たり触れたりできる登場人物が出てきます。そういう能力があったらあったで霊的な事件に巻き込まれて大変なんだなと思いました。
宝依:確かにそうですよね。ストーリーとしては、ホラー描写もありつつ、能力者たちのドラマも展開していきます。
──宝依先生自身は「見える」というか、霊感はあるんでしょうか。
宝依:小さいころから心霊体験は多かったです。憑かれやすいので心霊スポットには絶対に行きません(笑)。遺伝的なところもあると思うんですが、実は父もそういったものを感じるタイプなんです。
──そうなんですか! お父様とはよくそういったお話をされるんですか?
宝依:父は自分からはあまり話したがらないんですけど、私だけとはたまに、その手の話をしますね。何か不思議なことがあったときに、「これは霊のなにかだな」とか「死んだだれそれさんが遊びにきてくれてるんだよ」とか。私ははっきりと姿形が見えるわけではないのですが、そんな私にも理解できるように話してくれていましたね。
──幼少期から心霊現象をリアルに感じながら育ってきたというわけですね。
宝依:「霊がいるのは普通のこと」とか、「だから対策もできる」ということを、自然に教えてもらったと思います。
──ご自身が体験されたなかでもとくに怖かったエピソードはなんですか?
宝依:私が小学校5、6年生のころだったと思うんですけど、そのころ中学受験を控えてまして、夜遅くまでひとりで実家のリビングで勉強をしてたんです。
時間は夜中近くだったかな。視線をあげたら目の前にテレビがあるんですけど、その電源の切れた真っ黒なテレビ画面に凄まじい形相をした女性が写り込んでいたんです。
──形相……。どんなでしょうか。もちろん振り向いても実際にはだれもいない、と。
宝依:そうですね……というか動けませんでした。どこの表情筋使ってんのってくらいのすごい形相と、禍々しくどす黒いオーラを感じて……。5秒くらい見つめ合ったあと、母親の寝室に逃げ込みました(笑)。
──逃げて正解ですよ、それは。その後は何もなかったんですか?
宝依:実はその前後に、嫌なことだったり、家の中で何かの気配を感じることがあったんです。たとえば後日、祖父母の家に泊まっていたときに金縛りに遭いまして。体を動かせずにいたら、ベッドのそばの窓から黒い人影が入ってくるのが見えて、そいつの手が私のほうに伸びてきたときに金縛りがパッと解けたので、怖くて祖母を呼びにいきました。
「黒い影が!」と泣きながら訴えたんですけど相手にされず「そんなものは現実にいない!」と怒られてしまったんです。でも、怒られてる最中にも祖母越しに廊下を見ると、そこをゆっくり横切る黒い影が見えたりして……。
その後も似たような出来事がたくさんあって、なかば諦めの気持ちで過ごしていたんですけど、プライベートでもっと嫌なことが立て続けに起こったりして、そうするうちに黒い影の気配を感じることはなくなりましたね。でも、未だに消えたテレビの画面は怖くて見ることができません。
──漫画を描く際にもそういった体験や感覚は活かされている部分があるのでしょうか?
宝依:いま、『ヤングマガジン』で「徘徊者」という作品の作画をやらせていただいています。駅や電車内を徘徊している怪異をテーマにした”トレインホラー”作品なんですけど、その怪異の描写、目撃のされ方や佇まいなんかは、かなりリアルに描けていると思います。
──見える、感じる人ならではの、心霊体験を反映した描写なんですね。
宝依:そうですね。先日単行本第1巻が発売されましたので、そちらのほうもぜひお手に取っていただきたいです。
宝依図(たからい はかる)
兵庫県出身。『ヤングマガジン』で「錬金ブライカン」(全5巻)を連載。2022年から「徘徊者」を連載開始。ほか連載多数。
webムー編集部
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