「60秒で死ぬ」奇妙すぎるゲーム『60病』がインディーホラーゲーム大賞を受賞!/ムー通

文=藤川Q

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    来場者が選んだ大賞作品から見えた、インディーホラーの現在

     過日、東京ドームシティ・プリズムホールで開催された総合ホラーイベント「東京ホラー特区!!2026」で、日本初のホラーゲーム専門メディア・ブランド"全領域百鬼夜行観測室"(百室)による、日本最大規模のホラーゲーム専門アワード企画がふたつ立ち上がった。「日本ホラーゲーム大賞2026 produced by 百室」と、もうひとつが「東京ホラー特区!! インディーホラーゲーム大賞」だ。

    「インディーホラーゲーム大賞」は、東京ホラー特区‼の会場での来場者投票だけで選出されるというガチンコの選定。3日間の投票で選出されたのは――『60病』という作品だった。

     『60病』で、プレーヤーは60秒たつと死んでしまい、60秒前に戻ってしまう。60秒ループで部屋を探索し、試行錯誤し、この謎を断ち切るためにもがく。
     短時間でもゲームのおもしろさと怖さが体験できる設計は、多数の作品が並び、まさに限られた時間の中でゲームを試遊するホラーイベント会場にはしっくりくるものだった。
     見事受賞の栄誉に輝いた堀内氏は「ホラーというジャンルにはひと言では表現できないほどの魅力が詰まっており、驚きをもたらし、時には夢の中にまで入り込んでくるような、さまざまな可能性を持つものがホラーである」と語った。

    第一人者が語るホラーゲームの魅力

     インディーホラーゲーム大賞の授賞式では、「SILENTHILL」シリーズプロデューサー・岡本基氏が特別プレゼンターとしてステージへ登壇。『60病』ディレクターでHINATA株式会社の堀内翔太氏へトロフィーを授与。岡本氏は会場に集ったインディーホラーゲームならではのアイデア、メタな作品やARG(現実代替ゲーム)などに触れつつ、ホラーゲーム領域の隆盛について語った。

    「『60病』は脱出ゲームとループするという制約から短時間での緊張感を仕上げていました。僅差で2位だった『日本事故物件監視協会』は、実際の事故物件の写真で怪異捜しをするというゲーム。ホラーはファンタジーとは違い、足場となる土台、現実的な世界があり、それが揺らぐ事で不安や恐怖を感じさせるジャンルです。『日本事故物件監視協会』はまさに現実の世界の怖さと虚構がいい感じに混ざっています。ノミネート作では『Log.in』もPCデスクトップをインターフェイスに使って、現実と虚構の間を滑らかに繋いでいました。
     ARG、現実侵食型のゲームは急速にジャンルの豊かさが拡大していますし、現実と虚構の間にはホラーの種がたくさん転がっています。そして不安や恐怖という感情の芸術という側面からアートとも相性が良い。さらに現在はネット上の実況配信の盛り上がりも大きく、配信文化そのものを題材に扱う傾向も見受けられました」

     現実と虚構、感情とアートという表現でみれば、実況配信を観て楽しむ構造は納得だ。大規模開催で日本初となるホラーゲームだけの2大アワード。ムー的なテーマを描く作品も数多く存在するホラーゲーム領域のファンとしては、来年の開催にも期待したいところである。

    「60病」
    https://store.steampowered.com/app/4608750/60_The_60Second_Syndrome/

    60病

    (月刊ムー 2026年11月号)

    藤川Q

    ファミ通の怪人編集者。妖怪・オカルト担当という謎のポジションで、ムーにも協力。

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