基礎物理学の最前線を知る「宇宙と物質の起源」/ムー民のためのブックガイド
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島袋隼士 著
高校生や大学生も理解できる宇宙論入門の決定版
現在の天文学の知見によれば、この宇宙は誕生当初、星も銀河も存在しない「宇宙暗黒時代」であった。そこに宇宙最初の星(ファーストスター)が生まれ、暗黒時代は終わりを告げて「宇宙の夜明け」と呼ばれる時代が始まり、その後、中性水素がイオン化する「宇宙再電離期」が到来。その後にようやく現在に続く宇宙が形を成したという。
著者によれば、あまりよくわかっていないこの「宇宙暗黒時代から宇宙再電離期へと至る研究」は、「非常に重要で面白い」というのだ。
本書は、その時期の研究の何がどう面白いのかを、人類の宇宙論の歴史から説き起こし、膨張宇宙とビッグバン、ダークマターと「21センチ線」、ファーストスターとブラックホール、そして今後の展望までを論じた、宇宙論入門の決定版である。
著者の島袋隼士氏は、中国の雲南大学副教授で、専門は「観測的宇宙論」。そんな著者だが、本書の文体は親しみやすく、「高校生や大学生の皆さん」にもすんなり理解できて興味をそそられる内容となっている。
当然、最低限の数式は登場するが、本書では単なる挿絵と変わらない。この数式は「美しい」とか、あの定数項の追加は「美しくない」とかいって眺めているだけでよいので、数学音痴の文系の人でも安心である。
あのカリフォルニア大学教授・野村泰紀氏が推薦しているというだけで、本書の価値と面白さは、わかる人には自ずとわかるだろう。

(月刊ムー 2026年02月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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