幻視から生まれたアート展、ゲゲゲ忌、はにわ祭、ほか今週のムー的ミステリーニュース7選

文=羽仁礼

    11月14~20日にかけて世界を騒がせたオカルト・考古学・民俗学などの最新不思議ニュースから、超常現象情報研究所と編集部が厳選!

    最古の光合成

     米カーネギー研究所は17日、南アフリカで見つかった約25.2億年前の岩石に、光合成で作られた可能性の高い物質を確認したと発表。チームは現生の生物と、化石や隕石など計406個を熱分解したガスを分析、AIにも化学的な特徴を学習させ、生物が非生物か、動物か植物か、光合成による物質かどうかを識別させた。これまで光合成の証拠は約17.5億年前が最古だった。この方法は地球外生命の痕跡探しにも役立つ可能性がある。11月18日付『朝日新聞』夕刊「最古の光合成痕跡、見つけたのはAI」に関連記事。

    https://www.asahi.com/articles/DA3S16346859.html

    幻視画の展示会

     11月19日付『東京新聞』朝刊「TOKYO発」は、レビー小体型認知症が原因で、奇妙なものを幻視する三橋昭を紹介。三橋は大田区立蒲田図書館の指定管理者をしていた2019年にこの病気と診断され、以後さまざまな幻視を見るようになった。美術の得意な三橋は、幻視を絵に描くようになり、これまで1300枚の幻視画を描き、30回の展示会を行っている。

    https://www.tokyo-np.co.jp/article/450029

    ゲゲゲ忌

     漫画家水木しげるの命日である11月30日に合わせ、生前の水木が住んでいた調布市で18日から「ゲゲゲ忌2025」が始まった。30日までの期間、ゆかりのスポットなど市内12か所を巡る「ゲゲゲのスタンプラリー」が行われるほか、調布市文化会館たづくりでは献花台を設置、水木が描いたイラストや妖怪画なども展示する。他にも各種の催しが予定されている。

    https://www.city.chofu.lg.jp/040040/p023328.html

    はにわ祭

     11月17日付『毎日新聞』朝刊「文化財のあした」は、9日に千葉県芝山町で実施された「芝山はにわ祭」を紹介。町の周辺は古代に武社(むさ)と呼ばれ、多くの古墳が残る。殿塚古墳や姫塚古墳を含む古墳群は1958年に国史跡に、発掘現場から出土した埴輪は昨年に国の重要文化財に指定された。40回目となる今回は、町の人口の1.5倍にあたる約1万人が訪れ、屋外ステージでは古墳シンガーまりこふんや俳優の荒井紀人も登場した。

    https://mainichi.jp/articles/20251117/ddm/014/040/028000c

    古代のネットワーク

     11月19日放映「3か月でマスターする古代文明」(NHK Eテレ)では、名古屋大学教授の周藤芳幸が、古代ギリシア文明の最新研究を紹介。従来、古代ギリシアにおいては、民主制が広まる以前に強大な王が支配していたという見解が支配的であったが、紀元前2000年頃から栄えたミノア文明においても、権威を示すような王墓も王の像も出土しておらず、王はいたようだが王権はあまり強力ではなかったという見方が支配的になっているという。また、1830年にギリシア王国が成立するまで、歴史上ギリシアという国は存在せず、古代ギリシア文明は言語や宗教を共通する数多くの都市国家のネットワークであったとも指摘。

    https://www.nhk.jp/g/ts/3JYG9W8MQ5/blog/bl/pWLJ5nBLJb/bp/pnJKMr69Kk

    ブルーオリジンの快挙

     ジェフ・ベゾスが率いる宇宙企業「ブルーオリジン」は13日、無人火星探査機を載せた大型ロケット「ニューグレン」の2回目の打ち上げを成功させ、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機「エスカペード」を予定軌道に投入した。上空で切り離された1段目ロケットの回収にも成功。イーロン・マスク率いる「スペースX」に続く2社目の快挙となる。11月14日付夕刊各紙に関連記事。

    https://www.yomiuri.co.jp/science/20251114-OYT1T50194

    日本の次世代宇宙輸送船

     10月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型補給船「HTV-X」1号機が「H3」ロケット7号機で打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。11月15日付『読売新聞』朝刊「新補給船宇宙での実験活用」は、この新型補給船についての解説記事。先代機種「こうのとり」に比べ、積み荷の冷蔵や冷凍が可能になり、補給後大気圏に突入するまでに内部で実験も行えるようになった。1号機は超小型衛星の放出や、衛星の姿勢・位置を精密探知する機器の実験を行う。アルテミス計画でも活用が予定されている。

    https://www.yomiuri.co.jp/commentary/20251114-OYT8T50095

    羽仁 礼

    ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
    ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。

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