鎌倉時代に捕獲された「全長150メートルの人魚」の謎! ほか今週のムー的ミステリーニュース7選

文=羽仁礼

    11月7~13日にかけて世界を騒がせたオカルト・考古学・民俗学などの最新不思議ニュースから、超常現象情報研究所と編集部が厳選!

    全長150メートルの人魚

     11月12日付『朝日新聞』朝刊「リレーおぴにおん」では、福岡県博多区竜宮寺の岡村龍生 住職が、寺に800年前から伝わる人魚の骨について述べる。寺の伝承では、鎌倉時代の1222年に博多湾で捕らえられ、全長は150メートルあったという。湾にかかる橋のたもとにあった観音堂近くに一旦埋葬されたが、その後観音堂が後竜宮寺となり、1600年に現在の場所に移転した際に骨も掘り起こされて安置されたという。ただし現在は、長さ5~40センチほどの6片が残るのみ。

    https://www.asahi.com/articles/ASTC73PPLTC7UPQJ007M.html

    地震研究所設立100年

     世界の地震研究を先導してきた東京大学地震研究所が、11月13日に創設100周年を迎えた。11月9日付『日経新聞』朝刊「科学の扉」及び11月11日付『東京新聞』朝刊「TOKYO発」は、地震研究所設立の経緯やこれまでの成果を紹介。研究所は、1923年の関東大震災が契機となって1925年に設立され、地震が断層のずれによって起きることを解明、地震の規模の計算法を開発するなど世界的な成果を残してきた。現在はAIを活用した研究も行っている。

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG122H90S5A111C2000000

    アグアダ・フェニックス遺跡の新事実

    アグアダ・フェニックス遺跡の空撮写真 画像は「Wikipedia」より引用

     日本・アメリカ・メキシコなどの国際調査団は5日、今から3000年前に建造が始まったメキシコの「アグアダ・ゲニックス遺跡」の最新研究結果を科学誌に発表した。世界各地の大規模な古代遺跡は、強力な権力を持つ中央集権国家によって作られる場合が多いが、同遺跡では権力者を象徴する石像などが見当たらず、建設のために強制的な動員が行われた痕跡もないという。どうやら周辺の小集落に点在する住民が自発的に造成に関わったと推定される。11月7日付『日経新聞』朝刊「古代マヤ、遺跡に王の痕跡なし」に関連記事。

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0500V0V01C25A1000000

    大絶滅展

    画像は「大絶滅展」より引用

     11月1日より国立科学博物館において特別展「大絶滅展」が開催中。7日付『読売新聞』朝刊は「絶滅と生物進化 化石が語る」と題した関連記事を掲載。地球では過去5回の生物の大量絶滅が発生しており、「ビッグファイブ」と呼ばれている。大絶滅では毎回全種の70~80%、時には90%が死滅しているが、そのうち4回は大規模火山活動、最後の白亜紀末の大絶滅は巨大隕石の衝突が原因と考えられている。史上最大と言われるものは2億5200万年前のペルム紀末の大量絶滅で、シベリアでの大規模火山活動が引き金となり、大量の火山ガスが数百万年にわたって放出された結果、急激な寒冷化が起き、陸上生物種の97%が絶滅した。

    https://www.yomiuri.co.jp/science/20251106-OYT1T50132

    安倍元首相暗殺にまつわる陰謀論

     安倍晋三本首相を銃撃した山上徹也被告の裁判が始まったが、今もネット上では「現場付近のビル屋上にテントがあり、そこに他のスナイパーがいた」という説がくすぶっている。11月9日付『毎日新聞』朝刊「ファクトチェック」は、この謀論を検証。ビル屋上のテントは換気扇を取り替える工事の作業員のためのものであり、銃弾は上からではなく水平方向で発射されたと結論づけている。また、銃弾が一発消失しているのは、救命医療で血を吸い込んだ際に一緒に吸い込まれたと可能性が高いという。

    https://mainichi.jp/articles/20251108/k00/00m/040/014000c

    宇宙ゴミの衝突

     中国国営新華社通信は5日、中国の宇宙船「神舟」20号に小さなスペースデブリが衝突した可能性があるため、同日予定していた地球への帰還を延期したと伝えた。「神舟」20号は4月24日に打ち上げられ、以後宇宙ステーション「天宮」にドッキングしていた。10月31日に交代要員を乗せた「神舟」21号が天宮に到着したため、3人の宇宙飛行士は11月5日地球に帰還予定だった。宇宙空間では人工衛星やロケッットの部品など数千万以上とも言われる宇宙ごみが猛スピードで飛び交っている。11月6日付『産経新聞』朝刊「中国の有人宇宙船にスペースデブリ衝突か」に関連記事。

    https://www.sankei.com/article/20251105-J3OLR2SNZBONRDNY4ZHVUMFAEE

    レモン彗星の過去

    2025年11月3日に撮影されたレモン彗星 画像は「Wikipedia」より引用

     11月12日付『読売新聞』朝刊「古今をちこち」では、執筆者の磯田道史が、前回のレモン彗星接近の時期を史料から探った結果について述べる。彗星の軌道は数年ずれることがあるが、計算上前回は678年頃に接近したことになる。『日本天文史料』を調べると、『日本書紀』に676(天武5)年旧暦7月に満月の15倍の長さの尾を引く彗星の記述があった。ところが5年後の681年にも彗星の記述があり、どちらがレモン彗星かは確定できなかった。なお676年の彗星出現中、壬申の乱で天武天皇の味方をした重臣3人が相次いで死亡したという。

    https://www.yomiuri.co.jp/culture/20251111-OYT8T50123

    羽仁 礼

    ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
    ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。

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