侵略エイリアンの恐怖を描くクラシカル UFOホラー『Greyhill Incident』/ムー通

文=藤川Q

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    おぞましい存在に抗えるのか!?

     ニューヨーク上空に出現したUFOをはじめ、2025年9月10日にはアメリカ連邦議会でも公聴会が開催され、われわれの遙か上空を飛ぶUFOの暗躍は陰謀論とも接続するこのタイミングだからこそ、ややクセは強いものの、『Greyhill Incident』をおすすめしたくなってしまう。なにしろ本作は、90年代初頭に人知れず地球を侵略してきたエイリアンの恐怖を描く、それはもうクラシックなサバイバルホラー作品なのだから。

     以下に引用したゲームの説明を読むだけでも、本作の魅惑が伝わるはず。

    "90年代初頭のアメリカで、メディアは気象観測気球や陰謀論について語っています。しかし、小さな近所の住民はすぐに気づきます! 政府は嘘をついている。ここ数日間の最近の超常現象の増加は、政府が何らかの形で関与していることを怖がっていて、今では妄想的なグレイヒルの住民を確信させています。彼らはだれも信用していません。グレイヒルの小さな近所の人々は、声を上げることを恐れ、精神病棟に送られることを恐れて、警察に電話することを避けています。ひとりで、彼らは窓に乗り込み、近所の見張りを設立して準備します。"

     ムー民の皆様なら、きっとUFOや宇宙人にはロマンを掻き立てられるだろう。しかし本作をプレイすると……その恐ろしさに戦慄することうけあい。陰謀は秘匿されているからこそであり、目の前で牧場の牛たちがキャトルミューティレーションされていくところを目撃し、自宅の廊下に異形の異星人が入り込んできたところを目にしたら、もうあなたは自宅にある手ごろなバットや武器で身を固めつつ、頭にはとんがったアルミホイルの帽子をかぶって覚悟を決めて、政府が秘匿してきたおぞましい存在に抗うほかないだろう。

    (本作のムー民度  ★★★★☆)

    Steam 2,300円 配信中

    © Aaron Roller. All rights reserved.

    (月刊ムー 2025年11月号)

    藤川Q

    ファミ通の怪人編集者。妖怪・オカルト担当という謎のポジションで、ムーにも協力。

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