未解読資料にデータサイエンスで挑む「ヴォイニッチ写本」/ムー民のためのブックガイド
「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
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久野友萬 著
手ごろなオカルト・サイエンスの入門書
幽霊が発する声、UFOの正体、幽体離脱の原理、動物や植物の超能力、さらには妖怪や人魂の真相……いずれも本誌においては幾度となく採り上げられた、読者諸兄の大好物ともいえる話題である。
本書は、そうした謎と不思議に、皆神町に住む小学生であるマコトやサワ、そして漫画家兼駄菓子屋店主で、「大手企業の研究所で新素材の開発をしていた物性のスペシャリスト」である「作家先生」らの面々が挑んでいくという痛快な読み物。
標題となっている「オカルトは科学で解けますか」という問いに対しては、いわゆる「オカルト」の中には、現在の科学で十分説明できるものもある、という、だれもが納得の妥当な解答が用意されている。
漢字は総ルビで、漫画風のイラストもふんだんに収録され、利発な子なら、小学校低学年でも十分に楽しめる、手ごろなオカルトおよびサイエンスの入門書。古参の本誌読者なら、可愛いお孫さんへのプレゼントにもまさに好適。
このような好著をきっかけとして、日本の健全な少年少女が、科学とオカルト、両方の分野への愛を育んでいただけるなら、評者としてこれに勝る喜びはない。
なお、本欄の書影では確認できないが、本書の帯では本誌編集長の三上丈晴氏が堂々顔出しの上、満腔の気合を込めて本書を推奨している。本誌愛読者としては、何としてもその心意気に呼応したいところである。
(月刊ムー 2025年10月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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