フリーメーソンの悪魔「バフォメット」の謎/MUTube&特集紹介 2025年1月号
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岡本佳之 著
日本神話の土台には、メソポタミアの史実がある
先般、本欄でも紹介した『アマテラス解体新書』(内外出版社)。
何とも壮大、かつ新鮮な歴史書であったが、本書はその続編にあたる書物で、さらに深遠な歴史の謎が開示される。
ただ、いたるところに「『アマテラス解体新書』で解説したので詳細は省くが~」のような記述があり、本書の前に、まずは前書を押えておくことをおすすめする。
さて本書によれば、「アナトリアから古代のメソポタミアへ南下した、セム語系遊牧民の「アムル人」こそが天孫族の祖であり大和民族の祖」である。
このアムル人はその後、紆余曲折を経て、エジプトに大量移住。エジプト王家と混血、エジプト第18王朝と深い関係を築き、東に移動して周王朝を建国するも、その敗退後、日本列島にやってきたらしい。
そんなわけで、よく知られた日本神話、たとえば天孫降臨や国譲りといったエピソードの土台には、メソポタミアの史実がある、というのだ。
それだけではない。DNAの解析の結果、現在のスコットランド人とユダヤ人がこのエジプト第18王朝に起源を持つことは「確実」であるというのである。
さらに話は、イエス・キリストの正体の解明へと転じ、そこにテンプル騎士団やフリーメーソンが絡んでくる。そして、スコットランド系であるフリーメーソンは、後にアメリカ建国を経て、同じエジプト第18王朝と深く関係する日本人に「明治維新」を起こさせるにいたった。その際、うわさの「天皇のすり替え」も行われたというから、ただ事ではない。
本書の冒頭、目次の次に、イキナリ目の潰れそうな、細かい文字で参考文献が羅列されていて、度肝を抜かれる。その物量たるや、おそらく常人なら、一生かけても読みきれぬほど。
このすべてに目を通し、頭の中で精緻に組み立てて立論し、アウトプットしているのだから、いったい著者の頭の中はどうなっているのかと疑問が湧くが、何しろ著者・岡本佳之氏は、英国の名門・ロンドン大学大学院の出身というから、そもそも凡人とは頭の構造が違うといわねばならぬ。なお、このロンドン大学は、かの伊藤博文も留学していた大学であり、不思議な縁を感ずる。
前著で評者の度肝を抜いた、まるで格闘ゲームのキャラクターであるかのような、スタイリッシュな神々のイラストは本書でも健在。
それも相まって、文字通り超一級の知的エンタテインメントに仕上がっている。
(月刊ムー 2025年4月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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