オダイ覚醒した中井シゲノの受難と神託の半生を追う!(2)/松原タニシ超人化計画
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内藤憲吾 著
霊能者・砂澤たまゑの半生記『霊能一代』の姉妹篇
今から20年ほど前の2004年、『霊能一代』と題する書物が上梓された。稀代の霊能者・砂澤たまゑが自ら語る波瀾万丈の半生記、という体裁だったが、実際に執筆に当たったのは、たまゑに膨大なインタビューを敢行した本書の著者・内藤憲吾氏であった。その後、同書は大した話題になることもなく絶版となったが、なぜか最近になって人気が爆発、古書価格が高騰する(何と80万円!)という異常事態となった。これを受けて同書は、2024年2月『増補改訂版 霊能一代』として二見書房より再版の運びとなった。
本書はこの『霊能一代』の姉妹篇ともいうべきもので、内藤氏が自分の言葉で、自分の立場から、たまゑという人物を客観的に語っている。背景となる戦中戦後の日本の歴史や世相も事細かに記されており、思わず読みふけってしまう。
砂澤たまゑは、京都は伏見稲荷大社のオダイ(御代)。オダイとは行者・霊能者のことで、たまゑは17歳の時、伏見稲荷の御神璽を受けてこのオダイとなった。たまゑは大正11年、兵庫県に生まれた。内藤氏の見立てによれば、幼いころの事故による額の切開でチャクラが開き、霊能が開花したという。その後、何度も死線を潜る厳しい修行を経て、その能力は増強・洗練を極め、単に神様の声を聞くのみならず、神様に反抗できるまでになる。だが神様に気に入られるというのも、なかなかに難儀なものであると痛感させられる。
(月刊ムー 2025年3月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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