磁石の大砲「レールガン」の仕組みと課題とは? 桁違いの速さと破壊力だが… 最新兵器のリアル/久野友萬
サイエンスライター・久野友萬の新著『ヤバめの科学チートマニュアル』より、編集部が“ヤバめ”のテーマを厳選! 一部を抜粋して特別公開!
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2025年1月号、第489回目の内容です。
ドイツではこのほど年金受給者のクラウスディーター・フリック老人(84歳)が、軍用兵器の不法所持等の容疑で逮捕され、老齢に配慮した執行猶予付きながら、懲役1年2か月プラス罰金20万ユーロ(約3千300万円)の懲罰刑を宣告された。
警察がハイケンドルフ市のフリック氏の邸宅内で発見したのは、違法に隠匿された第2次世界大戦当時の大小さまざまの古い軍用兵器類のコレクションだった。
その膨大な兵器コレクション中には、旧ナチスドイツの対空砲や傷ひとつないパンター戦車など、マニア垂涎の品々もあった。
もともとは旧ナチスドイツが戦時中に盗んだ芸術作品を捜す目的で、当局がフリック宅に踏み込んだのが始まりだが、想定外の収穫となった対空砲とパンター戦車を邸外に撤去するには、餅屋は餅屋で軍隊の助力が必要になった。
結局、戦車1台を運びだすのに、兵士20人がかりでほぼほぼ9時間もかかった。
「デイリーメール」紙2021年8月4日付によれば、さらにフリック氏はそのほかにも、魚雷1基、撃砲1門、さらにアサルトライフルに至っては、なんと70丁も密かに所有していたそうだ。
兵器オタクとしては、まさにギネスブックものでしょうな。
「懐中電灯を持った不審なマスク男が、教会に忍び込んでる!」
米ワシントン州スポーケンの警察が、窃盗犯グラント・シモンソン(28歳)をいち早く現行犯逮捕できたのは、地元民からそんな通報があったからだった。
駆けつけた警官たちは、教会のオーディオ装置を盗みだそうとしていた男に「両手を挙げて床にうつ伏せになれ!」と命じた――
2022年8月10日付「メトロ」紙によれば、同地の保安官事務所スポークスマンは報告する。
「まさにちょうどその瞬間、だしぬけに1匹のスカンクが出現し、シモンソンの顔のすぐ真ん前で例の一発をかましたのです!」
窃盗犯はたちまち悶絶し、スカンクはそのままそそくさと姿を消した。警官たちもまた大慌てで、その場から一斉に、一時避難せざるを得なかった。
「もちろんスカンクにはなんの罪もありません。ただの野生動物ですから、人間社会の法執行機関とも教会とも一切無関係です。いうなれば、天罰の一発でしょうか」
ブルース・ウィリスといえば、大ヒット映画『ダイ・ハード』に主演したハリウッドの人気スターで、先ごろ、失語症を理由に芸能界引退を宣言した話題で知られる。
そのウィリスが今度は〝おのれの顔の永久使用権を制作会社に売却する世界第1号となった〟と公表して、再び映画の世界で大きな話題となった。
つまりその買い手はAI(人工知能)を使って、新作映画の中でウィリスのデジタル映像を好き放題に使用できるというわけだ。
2022年10月2日付「BBCニュース」によれば、やはり大ヒットしたウィリスのホラー映画『シックス・センス』では、生きている?〝死人〟を演じてみせたウィリスならではの行動で、まさに文字どおりの〝不死身〟男と評しても過言ではないだろう。
南米フランス領ギアナの沿岸沖合いで、魚釣り旅行を楽しんでいたブラジル人のロマルド・マセド・ロドリゲス氏は、乗っていた全長7メートルの木製の船が、だしぬけに何の前触れもなく沈みはじめたので仰天した。
命が助かる唯一のチャンスは、船に載せている冷凍庫の中に閉じ籠ることにしかないと、なぜか強く直感した。
それから11日間、幸い船は沈みかけたままの状態で450キロも漂流し、ロドリゲスは飲まず食わずのまま必死に耐えつづけて、ようやくスリナム沿岸の沖合いで、地元の漁船に救助された。
2022年9月2日付「メトロCO.UK」によれば、衣服はボロボロ状態で熱中症と見当識障害に陥っていて、体重は10キロ近くも激減していたが、「冷凍庫は神様だ!」と涙ぐんでいたそうだ。
英国の観光名所・湖水地方のパーク(国立公園)レンジャーたちは、このところ立てつづけに発生する不可解な〝ガチョウ失跡〟事件にひどく困惑している。
地元住民ウェイン・オーエンスさんの目撃談によると、1羽のガチョウが湖面を後ろ向きに引きずられていって、あっという間に湖中に消えたという。
別の住民クリスチャン・グラマーさんの話では、やはり1羽の鵞鳥が水中に消え去るのを目撃。このときは複数のガチョウが湖面で翼をバタバタやっていたが、そのうちの1羽の姿が急に消えたそうだ。
パークレンジャーたちの間では一応〝犯人川獺〟説が有力だが、目下のところ実際に事件の現場で、川獺を見た者はなく、完全な濡れ衣の可能性もある。
そのほか可能性としては、ヨーロッパオオナマズやパイク(サケ目カワカマス科)など、体長2~3メートルに達する大型肉食性淡水魚も候補に挙げられたが、残念ながらどれも仮説の域を出ない。
湖水地方にはとくにネッシーのような水棲怪獣伝説もないので、〝犯人ネッシー族〟説もちょっと無理そう。お生憎さまです。
オーストラリアはクイーンズランド州ゴールドコースト市ラブラドールの住宅街の雨水管内に、人間の骸骨と思しきものが発見されて、警察官が急行した。
実際に運び上げてみると、それは医学生が使う単なる人体模型と判明して一件落着――
のはずが、2022年12月16日付「ゴールドコースト」紙によれば、どういうわけかこの発見に続いて、隣接する市街各所でただならぬ血溜まりやら(人か動物かなど詳細は今のところ不明)入れ歯の落とし物やらと、奇妙な不審物が立てつづけに見つかるなどしたため、「連続怪事件だ!」とマスコミが騒ぎ立てはじめている。
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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