どちらさま? 民俗資料に生きる「よくわからない人たち」/黒史郎・妖怪補遺々々
ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々(ようかいほいほい)」! 今回は、どこからか現れる正体不明の「ひとたち」
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毎回ひとつの占術を取りあげ、占い師の方が現場でどんなふうに占っているのかを見せていただくコーナー「この占術を見よ!」。第3回は、高橋桐矢さんの「ルーン占い」です。
幼いころから文章を書くのが大好きで、10代のころにタロット占いと西洋占星術を学び、現在は作家として、また、さまざまな占術を得意とする占い師として活躍している高橋桐矢さん。じつは、今やすっかり占い界に定着した感のある「ルノルマンカード占い」をいち早く現場に取り入れた方としても知られています。ルーン占いについても、数十年前から研究に着手。初心者にもわかりやすいルーンの解説書を、という要望を受けて生まれたのが、最新刊『一番わかりやすい はじめてのルーン占い:すぐ占える! オリジナル切り取り式ルーンカード付』(日本文芸社)です。
2022年10月5日のライブ配信では、MCの桜野羽咲さんやムー編集部の望月氏を実際に占っていただきました。3人のトークをダイジェストでお届けします(文中敬称略)。
望月:普段はどんな占いをされるんですか。 高橋:いろいろやっています。ルーンだけではなく、ルノルマンカードとかジオマンシー(土占い)とか。そして今日は、こんなものを持ってきました。2015年6月号の「ムー」の付録になったルーンカードです。
望月:これを見ても、何が何だかわからないんですよね。 高橋:今回のルーンの本を書くときに、すごくわかりやすく書いてください、といわれました。文字を見ても意味がわかりませんよね。たとえば氷、水、馬などの動物や、太陽もあります。そういうものが文字になっています。 望月:馬を意味する文字なら、馬を描いておいてほしいかも。 桜野:確かに。けっこう単純な文字ですよね。棒1本だけとか。 高橋:ルーンは北欧で生まれた神秘文字、魔力のある文字ですが、木や石に刻まれたので、直線でできているんです。 望月:直線1本だけの文字がありましたが、たまたま意図せず彫れてしまっても、ルーンではない? 高橋:魔力はたぶん、形に加えて心が作用したときに発動すると思います。護符も思いを込めて書くとか、お守りでも魂を入れるとか、ありますよね。 望月:なるほど。
望月:では、占っていただきましょう。桜野さん、何かありますか? 桜野:私、先日までお仕事が忙しくて、やっとひと区切りついたんです。自分にご褒美をあげたいと考えているんですけど、どこへ行って何をするのがいいのかな、と。それをルーン占いで見ていただけますか。 高橋:とてもいい質問です。ルーンは、いろんな道具で占えるんです。
高橋:今回は、羽咲さんがお好きだというブルーレースのルーンストーンでやってみましょう。この袋の中から5個、石を取り出してください。わかりやすいようにカードを隣に並べてみますね。これは「ファイブカード」という占い方です。 高橋:最初に出たのは「ダイスカップ」というカードで、意味は「謎」。だからミステリーツアーとか……。 望月:おっ、「ムー」に寄せていただいた? 高橋:いえいえ、つくっていませんし、ヤラセでもないんですけど、そういうものをいちばん望んでいる。これが過去の位置に出ました。 真ん中(現在)に出たのが「ベルカナ」で、これは育む、育てるという意味です。心を癒すような旅行をされたいのかな、と思います。 右(未来)に出たのは、「一日」を表すルーンです。たぶん現実的には、そんなに長くお休みを取れないですよね。だから一日でも一泊でもいい。ぎゅっと詰めて楽しいことをする旅行がいいかな。 上(表面に現れていること)に出ているのは「地元」を表すルーンです。地元は東京ですよね。東京でも意外に行っていない場所があるかもしれません。 下(裏面や内面にあって見えていないこと)は「雹」。自分が今いるところとは違う環境に行きたい、というカードです。仕事を真面目にやっているけれど、ときどき全部投げ出したいような気持ちになることがあるのかも。 でも、それはだれにでもある自然な気持ちだと思います。お勤めをされている方でも、今日は会社へ行かないで反対向きの電車に乗っちゃおう、と思うことはありますよね。一生懸命がんばっていらっしゃるから、「今日は一日、仕事のことは考えない」みたいな日をつくって、ミステリーツアーでもいいし、降りる駅を決めずに電車に乗るとか、目をつぶって地図を指差して、その場所で美味しいものを食べて帰ってくるのでもいい。 旅だからと、遠くへ行かなくてもいい。それがたぶん羽咲さんにとっての充電の旅行になると思います。 望月:面白いですね。ミステリーツアーか。
高橋:ルーンがまったくわからない人でも今すぐ占える方法があります。 自分のイニシャルのルーンを引くまで、カードや石を並べていくんです。ルーンは文字ですから、アルファベットに対応させることができます。 羽咲さんのイニシャルはUなので、それに対応するのは「野牛」。本能を表すルーンです。まず願い事を決めて、これが出るまで引いてください。紅白に出たいとか、ビルボードで1位をとりたいとか、願い事はなんでもいい。ルーンは25文字ですから、25番目に出ちゃったら、実現するのはかなり遠いと読みます。1個目で引く可能性もあります。 桜野:え! それを聞いてから引くのはめっちゃ怖い(笑)。じゃあ、私、ARCANA PROJECTというところに所属してるんですけど、いつ売れるか。いきます!(1個ずつ取り出しては並べ……)あ、これですか? 10個目です。これだと売れるまでにどれくらいかかりますか?
高橋:まだけっこうかかります。たぶん、羽咲さんが今思っている「成功」のレベルが高いんだと思います。ちょっと売れたくらいでは「成功」と思えない。目標が高いから、そこまでいくにはけっこうかかるという結果です。 桜野:私が想像したのは、武道館でライブする、みたいな感じです。 高橋:ああ、いいですね。1年以内というのは難しいかもしれないけれど。 桜野:でも、そんなにかからないかもしれない? 高橋:はい、25個のうちの10個目ですから。 桜野:ああ、よかった! 望月:今度は視聴者の方からの質問です。「社会人だけど大学受験をしようと考えています」とのことですが、どうでしょう。 高橋:では、視聴者の方の代理で石を1個、引いてもらえますか。来年の受験を考えていらっしゃるのかな。 桜野:これです。 高橋:あ、いいですね。豊かさを表す「イング神」のルーンです。見えない力に応援してもらえるし、ご自分にとって収穫があるという結果です。合格かどうかはわかりませんが、受験をすると決めて行動することで収穫が得られます。やってよかったと思えるはずです。チャレンジしてほしいですね。
望月:ルーンストーンは石に文字が彫ってあるんですよね。ルーンの知識がある人なら、石に触れば文字がわかりますから、好きなものを選べるのでは。先ほどの問いに対して「実り」を出そうとする、ずるい自分がいたりしそう。 高橋:そんなことをしたら、占いをする意味がなくなりますよ。神社のおみくじもそうですが、ルーンもその背景には北欧神話の神々がいて、占いの結果はご神託なんです。1回きりの偶然に神様の答えがあります。ご神託をいただくときは真っ白な気持ちで「よろしくお願いします」というのが大事だと思います。 望月:文字そのものに魔力があるということは、お守りにもなりますか。 高橋:はい。たとえば先ほどの「野牛」なら、力や勇気がほしいときにはカードやルーンストーンがお守りになります。これは太陽を表すルーンで、明るさやまぶしい魅力、物やお金を引きつける成功のパワーが得られます。ご自身で書くのもおすすめです。形をなぞることで、そのパワーを自分の中に取り入れることができますから。
望月:自分のイニシャルルーンや、そのときに必要なものを書いたり持ったりするとよいということですね。興味のある方は、高橋先生の本をどうぞ。とてもわかりやすい内容です。今日はどうもありがとうございました。
山河ゆい
オカルト系のネタが大好きなフリーエディター兼占い師。これまでアパレルメーカーのサイトや女性誌などにのべ25年間、占い記事を連載。占いの研究歴は約35年。
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