幻の東京五輪を悼む「結界神事」が行われていた! 1938年「聖矛継走」という国家イベントとは
かつて幻に終わった「1940年の東京五輪」を知る人は多いが、「1938年に催行された聖矛継走」をご存じだろうか。聖火のトーチでなく、聖なる矛が国土をつなぐ結界神事の史実がある。
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桜井識子 著
日本各地に刻まれた図形のパワーを検証する
本書のメインテーマは「図形のパワー」。北斗七星の形に配された平将門ゆかりの東京の神社や、京都の晴明神社を中心とする五芒星など、日本各地に刻まれた図形のパワーを、著者が実際に現地を訪ねて検証するという趣向である。また後半では、ミステリースポットとして知られる「五色不動」や「本所七不思議」なども俎上に上げられる。著者の人となりがにじみでるような、非常に親しみやすい文体なので、読んでいるだけで笑顔になれる。
著者の桜井識子氏は、神仏研究家で人気ブロガー。「霊能者の祖母、審神者の祖父の影響で霊や神仏と深く関わって育」ったという。そのためか異常に霊感が強く、神社に参拝したりすると、そこの神様が普通に出てくるのである。そしてさも当然のごとく、著者と談笑したりしているのだから驚く。
たとえば神田明神へ行くと、祭神である平将門が出てくるわけだが、どういうわけかこの「将門さん」、「ニコニコの笑顔」で「ワシのところに来ればいいではないか」などといってくる、やたら気さくな神様なのである。評者の中でこれまで抱いていた日本最恐の大怨霊・平将門のイメージは微塵に砕け散った。
それはともかく、それほど神様と親しい著者ですら、迂闊なことをすると呪いを受けたりもする。素人が実践する際には、あくまで神仏への敬意を第一に、慎重に取り組むことが重要であろう。
(月刊ムー 2024年10月号掲載)
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