250年後に的中した「伝道師バスチャン4つの予言」とは? 今週のムー的ミステリーニュース!

文=羽仁礼

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    8月9日~8月15日に世界を騒がせたオカルト・考古学・民俗学などの最新不思議ニュースから、超常現象情報研究所と編集部が厳選!

    当たらない地震予知

     8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、政府は初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。これを受けてSNSでは、「地震雲を見た」「8月11日に南海トラフ地震が起こる」などの書き込みが増大した。8月12日付『読売新聞』朝刊「スキャナー」は、こうした傾向に警鐘を鳴らし、日時と場所を特定した地震予知は現代科学でも困難であり、こうした情報はデタラメであること、地震雲も科学的根拠はないことを訴える内容になっている。その後、地震活動や地殻変動に特段の異常は見られず、「臨時情報」は15日午後5時をもって終了した。

    https://www.yomiuri.co.jp/national/20240811-OYT1T50223

    令和のホラーブームの特徴

     8月13日付『朝日新聞』朝刊「ホラーブーム令和に再び」は、現在令和のホラーブームが起きているとして、ネットから始まった『近畿地方のある場所について』やテレビ東京の深夜番組「イシナガキクエを探しています」、ゲームの「8番出口」などを紹介する。これらの特徴として、現実か虚構かわからないフェイクドキュメンタリーやモキュメンタリーという手法が席巻しているとする。解説で登場した吉田悠軌によれば、以前「2ちゃんねる」にあったスレッド「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」から、本当かどうかわからない話をひとまず本当にあったこととして楽しむ風潮が生まれ、陰謀論の広がりとともに虚構と現実が不安定になった世相も影響しているという。

    https://www.asahi.com/articles/ASS89221SS89UCVL00DM.html

    今も受け継がれるバスチャン暦

    画像は「おらしょ-こころ旅」より引用

     8月11日付『読売新聞』朝刊「編集手帳」は、かくれキリシタンが現在まで伝える「バスチャン暦」を紹介。長崎市黒崎地区では、かくれキリシタンの子孫が独自の暦であるバスチャン暦を守っている。これは17世紀前半に日本人伝道師バスチャンが作成したもので、キリスト教の祝祭日や断食の期間を示すが、月の満ち欠けを基準としているため太陽暦とは毎年ずれが生じる。この暦の計算法を継承する村上茂則は、暦により信仰が守られたと述べている。なお、「長崎県文化振興・世界遺産課」によると、バスチャンは以下の4つの予言を残したが、約7世代後にあたる約250年後の日本に黒船が来航し、現実になったとされる。

    1. 皆を7代までわが子とする
    2. その後はコンヘソーロ(告白を聞いてくれる神父)が大きな黒船でやってきて、毎日でもコンピサン(告白)ができるようになる
    3. どこででも大声でキリシタンの歌を歌って歩けるようになる
    4. 道で異教徒とすれ違うときには相手が道を譲るようになる

    https://www.yomiuri.co.jp/note/hensyu-techo/20240811-OYT8T50000

    海底に沈んだ海賊都市

     8月12日放映の「クレイジージャーニー」(TBS系)は、「世界のビッグプロジェクトに同行2時間SP」と題する特番で、水中考古学者の山舩晃太郎による海に沈んだ海賊都市「ポートロイヤル」発掘と、スキージャンパー小林陵侑による300メートルジャンプ計画に密着。ジャマイカのポートロイヤルは、イタリアのバイア、エジプトのアレクサンドリアの海底都市と並んで世界三大海底都市遺跡とされ、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』にも登場、漫画『ワンピース』に登場するキャラクターのモデルとなる海賊も大勢拠点を構えていた。しかし、1692年にマグニチュード7.5の地震によって町の3分の1が沈没。現在はジャマイカ政府が禁じているため、潜って調査することも難しくなっている。今回は山舩がジャマイカ政府の許可を得て、30年ぶりの発掘調査に挑み、世界の専門家も無償で参加したが、水中に沈んだ砦の場所を確認し、いくつかの物品を回収しただけで終了した。

    https://tver.jp/episodes/epokcrlv1d

    太陽フレアと月

     8月13日付『日経新聞』朝刊「月面有人探査へ共同研究」は、京都大学大学院総合生存学館とアメリカ航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターが年内に覚書を交わし、月面での太陽の活動の影響を探る共同研究を行うと報じた。大気を持たない月面では、太陽フレアが起こると地球上や国際宇宙ステーション(ISS)内部よりも多くの放射線が降り注ぐため、そうした放射線が人体や探査活動に及ぼす影響を精緻に予測して対策を施す必要がある。

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG040MN0U4A600C2000000/

    羽仁 礼

    ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
    ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。

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