怪談が連鎖する! 松原タニシ・煙鳥・吉田悠軌が共演したラスト・サマー怪談会の現場
台風に負けるな!この夏最後(?)の怪談会は怪しいワード連発の盛り上がり。
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人気テレビ番組「世界 ふしぎ発見!」。そのミステリーハンターとして、歴代最多の出演回数を誇る竹内海南江かなえさん。これまでに100を超える国を訪れた彼女が、実際に目にし、体験してきた出来事とは?(ムー2022年3月号掲載)
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TBSの超人気番組『世界 ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして、世界各国を訪れてきた竹内海南江さん。「ムー」的視点からいえばおそらく、「もっとも多くのオーパーツに直接触れた日本人」という位置づけになるはずだ。
その竹内さんに、世界のオーパーツについてさまざまな話をうかがう機会を得たのでご紹介しよう。
まずは、記憶に残っているオーパーツから挙げていただいた。
「クリスタル・スカルですね。あとはピリ・レイスの地図、インカの黄金ジェット、インドのパンチマリで見た恐竜に乗った人間の壁画、デンデラの古代エジプト電球の壁画、そしてコスタリカのまんまるな石……ティワナク遺跡のさまざまな人種の顔が刻まれた壁も印象深かったです。
ただ、クリスタル・スカルに関しては、ドイツのとある村で作られたものらしいという話を耳にしましたが(笑)」
すらすらと名前が出てくる。このあたりはさすがといったところだ。
またクリスタル・スカルについても、一部について近代の製作物であることが判明していることは事実だ。こうした情報についてもぬかりがない。
彼女によれば、生きる時代によって、人の目に映るものの見え方は違ってくるのだという。取材を通してオーパーツを俯瞰したときには、そんな思いが頭をよぎるのだそうだ。では、これらのうちで特に不思議だと感じたものは何なのだろうか。
「コスタリカのまんまるな石は、何のために作られたのかまったくわからないんです。現地には完全な球体の石がごろごろ転がっています。置かれているのがレイラインのような場所なので、何かあるのかもしれません。
なかには、庭石用にと持って帰ったりする人もいるみたいですが、オリジナルの状態で持たされていた意味については何もわかっていないんです。完全な球体は自然界に存在しませんよね。現場は山の中なので、波で削られたとか、そういう自然の力による現象ではありません」
たしかに、きれいな球体を削りだす技術はどうやって実現できたのだろうか。とても不思議なことだ。
ストーンヘンジやカルナックなど、巨石を主体にしたオーパーツ的な遺跡は世界に点在している。しかし球体の完成度という見地から考えると、コスタリカの石球はまさにスペシャルなものだ。
すると竹内さんは、オーパーツというものを次のような言葉で表現してくれた。
「真実というものは、時代とともに塗りかえられていくと思うんです。たとえばエジプトの発掘現場でも、新しい発見が次々とあります。オーパーツだって、発見当時は驚かれることのほうが多くても、今になって『やっぱり、作られた時代にも車輪があったんじゃないか』という意見も含めて、いろいろな要素が出てくるでしょう? だから結果として、オーパーツじゃなかったということもあるんじゃないかなと思います。
もちろんその逆もあるでしょう。そういう流動的なところがあるから、結局何かわからないのかもしれません。
でも、昔の人たちは当時実際にあったかもしれないものを、自分たちのイマジネーションのなかで具現化しているので、私たち現代人にとってはスペースシャトルにしか見えなくても、それはひょっとしたらバッタとかチョウチョをデフォルメしたものなのかもしれません。
そう考えると、オーパーツってとてもおもしろいと思うんです。同じ人間なのに、頭の構造が少し違うと、見え方も変わってきます。縄文土器だってすごいと思う人が多いでしょう? 現代人には、作ろうと思っても作れなかったりします。マヤの遺跡の描けそうで描けないウマヘタな絵もそうですよね。同じトラを描いても、時代によって見え方が違うんです。
ラスコー洞窟の壁画に描かれている牛はすごく写実的ですが、ウマヘタな感じで描かれているものもあります。人間のイマジネーションや感覚といったものが垣間見えるところに、オーパーツのおもしろ味を感じますね。
どう見えてもいいじゃない、と思います。リンゴは赤じゃなければならないという思いがある一方で、青いリンゴもあるわけです。そのあたりの振れ幅は、昔の人たちのほうが自由だったんじゃないでしょうか。
だから現代に当てはまらないものがあっても、おかしくはありません。何でもひとつに当てはめようとするから、変なことになるんだと思います。それはそれで、逆手に取って遊んじゃえばいいという気がしますね。そういう意味で、オーパーツは必要なものだと思います」
ここで少しスケールアップして、オーパーツ的な色合いが濃い遺跡についても話していただくことになった。
「ティワナクの遺跡には、さまざまな人種の特徴を強調したと考えられている彫刻が残されています。モンゴロイド、コーカソイド、ネグロイドの各人種を思わせる顔があります。遺跡が造られた時代にさまざまな人種がそこにいたのか、それとも世界中と交易をしていたのか……。現地は標高4000メートルもあって、なぜそんなところにそんなものがあるのか、理由はまったくわかりません」
では、地上絵についてはどうですか、と話を振ってみた。
「ナスカの地上絵に関しては、特別な許可を得て、大きなスリッパみたいなものを履はいて実際に歩きました。
描き方はわかっているのですが、あそこまで描きこんだ理由は何だったのか、その部分が謎のままです。ただ、似たような地上絵はアメリカにもあります。それに、イギリスにもマウンド(盛り土・土塁)に大きな白い馬が描かれている場所がありますね。
大きな絵を空に向けて描くという行いは、南米でも北米でもイギリスでも行われていたわけで、それ自体に特別な意味があるということではないのかもしれません。コスタリカのまんまる石ほどレアではないと思います(笑)。
ただ、人間の心理的・生理的な面から、満ちて欠ける月であるとか、太陽とか星とか、上からのものに対して畏い敬けいの念、畏い怖ふの念をもって、それに向けてメッセージを届けるためには大きな手紙を書かざるを得ないということだったのではないでしょうか。現代人である私が想像できるのは、そのあたりまでですね。
アメリカのマウンドはネイティヴアメリカンの風習であり、イギリスではよく似たものがスピリチュアリティ寄りの解釈をされます。でも、結局は現代人の後づけ的な解釈かもしれません。そうであるなら、どのような後づけにしたらより楽しいのか、それを考えるほうがおもしろいと感じます」
オーパーツというくくりで始めていただいた話は、地上絵や不思議な性質の遺跡という方向性にまで広がった。そこでここからは、さらに「ムー」的な流れに向けていただきたくなって、幽霊との遭遇について質問をしてみた。
「とあるホテルに泊まったとき、朝起きたらタバコの吸い殻を見つけたという体験をしたスタッフがいます。この人はもちろんノンスモーカーです。これは、不思議な現象が起きて、そのはっきりした証拠が残される例があったということです。
アメリカのあるホテルでは、到着した瞬間に何かがいることを実感しました。泊まれるのがそのホテルしかなく、車で着いたのは黄昏時でした。
何かがいるな、という感覚がずっと続いていて、窓の外から室内を覗きこんでいるものがいることもわかっていました。でもみんなが『このホテル、実はね……』なんていう話を始めたので、黙っていることにしました。
アメリカの南北戦争が始まった町にあるこのホテルは、超有名ないわくつき物件だったようです。黒人の方々が眠る墓地を見下ろす高台に建っているのですが、下は渓谷になっていて、そこから南北戦争が始まりました。いわゆる古戦場ですよ。
コーディネイターの子が怖がって、『自分の部屋で寝られない』といっていたので、私の部屋で一緒に寝ました。全米でも5本の指に入るほど〝絶対に出る〞幽霊ホテルだと知ったのは、しばらくたってからでした」
これだけも背筋がぞっとする。だが、そこからさらに、予想以上の怖い話が飛びだしてきた。
「アウシュビッツのSSの宿舎に泊まったこともあります。そのときは、雨が降っていないのに雨音がしたり、バスルームから水が流れる音がしたり、ということがありました。それに、空気も異様に冷たく感じられたんです。
重い、という感じだけではなかったんですね。悲しい歴史があった場所なので、無意識に何かを感じていたのかもしれません。
そこはひとつのフロアを十字に区切って、4つの部屋に振り分けられていました。共同のバスルームがあって、それぞれの部屋の四隅にベッドが置いてありました。ひとつの部屋のベッドが4つという配置ですね。そのとき、私はアシスタントの女の子と一緒に部屋を使いました。
完璧にSSの施設の敷地のなかにあるこの建物が唯一の宿泊施設だったのでそこに泊まらざるを得ず、他に行くところもないし、ウォッカを買ってきて飲んだのですが、みんな、ぜんぜん酔わないんです。トイレに行くのも嫌だ、みたいな雰囲気でした。そして、そろそろ寝ようかということになって、同行していたディレクターだけがひとりで部屋を使いました。
朝起きると、彼が寝ていた対角線上にあるベッドに、人が寝たような痕跡があったんです。窓を開けると、目の前にルドルフ・ヘスが亡くなった処刑台がありました」
現場で実際に体験した不思議な話はまだまだ終わらない。
「ホピ族の取材でアリゾナに行ったときは、ものすごい数のUFOと遭遇しました。20くらいは飛んでいましたね。本当は車を停めてきちんと撮影したかったんですが、ちょうど目的地のホテルのレストランのラストオーダーの時間が迫っていて……(笑)。それに、車を停めていて、ホピの警察に不審な日本人だと誤解されるのも嫌でした。取材テープを没収されたら大変です。
夜の一本道を走っていると、上空で星が動いているんです。そのUFOらしき光が、一度シリウスの方向に行って、戻ってきてホピ族の集落であるメサの頂上に集まるんです。その夜はちょうど、メサに精霊が集まるという儀式が執り行われていました。当時は取材用の大きなカメラしかなかったので、すぐに撮るというわけにはいきませんでした。今だったらスマホで動画が撮れましたね。
ホテルに着いた後も、メサに向かって夜空を飛んでいく光が見えました。ちなみにこのとき泊まったホテルも、奇妙な人形のコレクションがあるいわくつきのホテルでした(笑)」
さすがミステリーハンターだ。さらに怪光つながりで、こんな話もしていただいた。
「アマゾン川で変な光に追いかけられたこともありますよ。移動が夕方出発で、甲板に屋根がついている場所にハンモックを吊って寝ました。しばらくして起きたら、船頭さんが『オレンジ色の光がずっとついてきた』といいはじめました。
船を止めると、光も止まったそうです。一定の距離を保っていたんですね。音がするかもしれないと思ってエンジンを切ると、何も聞こえなかったそうです。川の分岐点に差しかかると、船から遠ざかっていったそうです。かなりキャリアの長い船頭さんなのですが、『あんなものは、今まで見たことがない』といっていました」
このエピソードを話していただいたところで、ちょうどお時間となってしまった。
海外の取材体験が豊富な竹内さんならではの、本当に盛りだくさんで楽しいインタビューになった。
それにしても、古代遺跡のみならず、世界中のミステリー現象に遭遇した彼女こそ、まさに本物の「ミステリーハンター」といえるのではないだろうか。
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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