なぜタマゴ型UFOの目撃者たちは口を閉ざしたのか!? 歴史的「ソコロ事件」の謎に迫る新情報/並木伸一郎
「ムー」メインライターを務めるオカルト界の重鎮、日本を代表する超常現象研究家の並木伸一郎先生が「並木ミステリーCH」で今こそ明かす“あの事件”の真相!
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宇宙空間にはどんな香りが漂っているのだろうか? また、異星人の体臭とは? 実は宇宙とニオイには意外な関係があったのだ!
UFOの中はどんなニオイなのか? と考えたことがある人はいるだろうか?
「くるまにポピー」というフレーズを聞いてピンとくるあなたは、おそらく昭和生まれだろう。ここで言う「ポピー」とは、ロングセラーの自動車用芳香剤のことだ。
そんなポピーは、今ではヨーロッパで人気が高く、特に長距離トラックの運転手から強く支持されているという。ほとんどの時間をトラック車内で過ごすドライバーにとって、香りは重要なのだろう。
宇宙人も長距離トラックの運転手のように、地球に来るまでの長い時間をUFOの中で過ごすはずだ。ならば、お気に入りの芳香剤のひとつも置いているかもしれない……などと想像してみるのも楽しい。彼らはいったいどのような匂いを好むのだろうか?
前提として、UFO内部はその宇宙人が住む星の大気と同様のもので満たされていると考えるのが妥当だろう。予測可能な範囲で、太陽系の惑星で考えてみよう。
火星はメタンチオールや硫化ジメチルがオナラに近い臭いを発生させているというから、きっと臭いはずだ。
生命の存在が期待されている土星の衛星タイタンの大気は、窒素、メタン、エタン、ベンゼンなどで構成されており、悪臭の上に健康にも悪そうだ。
天王星も硫化水素が主体の大気で、これも臭いに違いない。こういった星から来たUFOの室内は、地球人には臭く感じるだろう。
UFOが長期間宇宙の旅を続けていると仮定すると、自分の星の大気以外にも、宇宙空間そのもののニオイがするかもしれない。では、そもそも宇宙にはニオイはあるのだろうか?
それを知る手がかりとして、スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)の例を見てみよう。ほぼ真空の宇宙空間で、宇宙飛行士は数々の”宇宙のニオイ”を報告している。
報告の中では火薬臭が最も多く、似たようなものとしてアーモンドクッキーと表現する者もいた。他には「溶接で溶けた金属」「オゾン臭」「揚げ焼きしたステーキ」「サーキット場の匂い」「アルコール臭」などなど。
300日以上のISS滞在記録を持つ宇宙飛行士の野口聡一氏は、「刺激臭のある独特の金属臭」と表現している。
これらの宇宙の臭いの原因にはさまざまな説がある。ひとつは宇宙空間にもともと存在している、あるいはISS内で宇宙服に付着した酸素分子が紫外線で分解されてできた原子状酸素(O)が、船外活動から船内に戻る際のエアロックで再加圧され、新鮮な空気と反応してオゾン(O3)となって臭うという説。他には、恒星が最期を迎える際に発生する多環芳香族炭化水素という分子が宇宙服に付着するのが原因だという考えもある。
また、アルコール臭については、天の川銀河の中心部にある射手座B2とも関連づけられてきた。ガスと塵で構成される巨大な塵雲であるB2には、メタノールやエタノールが含まれているからだ。ラム酒やラズベリーといった匂いは、ギ酸エステルによるものかもしれない。
地球に降り立ったとされるUFOとの遭遇譚でもニオイの報告は多く、種類もさまざまだ。硫黄、擦られたマッチ、猫の尿、電線、焦げたオイル、シナモン、アフターシェーブ、パコ・ラバンヌの香水……宇宙飛行士が嗅いだニオイと近いものが多いことに気がつくだろう。
前記した宇宙空間や惑星の大気に存在する物質にも、これらと近いニオイを発するものがある。この結果はUFO=外宇宙飛来説を強化するものに成り得るかもしれない。
そして彼らが発したニオイから、その出身地に目星をつけられないだろうか?
「腐った卵のような臭い? 天王星人だ!」「おならみたいな香りだった? 火星人かな」といった具合である。だが気をつけて欲しい。他の惑星の大気は地球人類にとって有害な場合がある。実際は吸い込まないほうが身のためだ。
筆者個人としては、UFOが発する焦げ臭いニオイの原因は、内燃機関によるものではないかという説を唱えてみたい。昨今ではあまり報告されないが、古いUFOの目撃事件には内燃エンジンを搭載していたことを思わせる報告が少なくない。
大量の煙を排出しているもの、ロケットかジェットエンジンのように炎を後方から発しているもの、気球を思わせるもの、プロペラがついているもの……。これらは車や飛行機と同じく、何らかの燃料を燃やしたエネルギーで推進していると思われる。硫黄、マッチ、オイル臭なども、内燃機関で説明がつく可能性がある。そういった報告の中には、実は”地球製UFO”も多数含まれているはずだ。
宇宙空間、そしてUFOの中の匂いがどんなものか、興味をお持ちいただけただろうか? 残念ながらわれわれ人類は、大気のない宇宙空間で直接その匂いを嗅ぐことはできない。そもそも、宇宙に行けるのは限られた人間のみで、かなりお金がかかる上、UFOに遭遇してそのニオイを嗅ぐとなると、さらに可能性が低そうだ。我々が気軽にそれらの匂いを嗅ぐことはできないのだろうか?
NASAも宇宙の匂いに興味を示しており、2008年に香料メーカー「Omega Ingredients」の創設者で化学者のスティーブ・ピアースに、宇宙の香りの再現を依頼している。彼は宇宙飛行士達の残した証言などをもとに宇宙の香りの再現に成功し、その具体的なニオイをこのように紹介している。
「心地よい金属のような感覚、甘い匂いの溶接ヒューム、熱された金属、オゾン臭、刺激臭、クルミとブレーキパッド、火薬、果物、ラム、そしてアーモンドクッキーの焦げた匂い……」
そして、NASAとスティーブ・ピアースによって再現された宇宙の香りの情報を、情報公開法に基づく開示請求によって取得し商品化するというKICKSTARTERのクラウドファンディング・プロジェクトが立ち上がり、現在では『オーデスペース(Eau de Space、宇宙の水)』と名付けられたその香水が、ウェブサイトから誰でも購入することができるようになっている。
この香水は様々なメディアで好意的に扱われ、CNNは「これが宇宙のニオイです」、ニューヨーク・ポストは「元NASAの天才によって作られたボトル入りの宇宙の香り」と紹介している。さらに、テクノロジー・ニュースサイト「Ars Technica」の紹介は、我々の心情を代弁しているといえるだろう「宇宙への飛行費用が払えない?それならこの匂いを楽しんで」。
また、さらに『オーデルナ(Eau de Luna)』という月のニオイを再現した香水も販売されており、それは「使用済み火薬のような、説明の難しいユニークな香り」なのだそうだ。
これらを購入すれば、我々も遠い宇宙、そしてエイリアンに思いを馳せることができる。UFOマニアはぜひ手に入れたい逸品だ。
人間はニオイで思い出す記憶がある。いわゆるプルースト効果というやつだ。たとえばあなたが、昔の恋人に出会い、その人の香水の匂いで、自身のアブダクション体験を思い出したとしたら、それはドルチェ&ガッパーナならぬ宇宙の香水オーデスペースを彼女が身につけていたせいかもしれない
【参考】
https://theneedleblog.wordpress.com/2021/07/02/what-does-a-uap-smell-like/
https://www.kickstarter.com/projects/eaudespace/what-does-outer-space-smell-like-nasa-designed-fragrance/
オオタケン
イーグルリバー事件のパンケーキを自作したこともあるユーフォロジスト。2005年に発足したUFOサークル「Spファイル友の会」が年一回発行している同人誌『UFO手帖』の寄稿者。
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