禁断の地の怪奇を都市ボーイズが紹介「行ってはいけない 呪いの村」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    行ってはいけない 呪いの村

    都市ボーイズ 監修

    無気味でおぞましく、とにかく怖い、49編の怪異譚

    「神社の人柱として〈美少年〉を生贄に捧げる村」「〈憑き物筋〉の家系を殺し続ける女の怨念」「〈家畜たちの供養〉のために剥がされる人間の皮」「行方不明になった人間が住む〈異世界〉」「人間を豚にする〈ゴタイトウチ〉という罰」「死姦……ダルマ女……超絶変態に人間を売る地獄風俗」。
     何とも無気味な、おぞましいトピックがずらりと並ぶ。
     GDPでいえばまだ世界第3位の「先進国」である21世紀の日本。だがこの狭い国土の闇の部分に目を向ければ、怪奇な陋習を墨守する「集落」に、人里離れた「禁断地」に、あるいは大都会・新宿の裏通りに、怪異も恐怖も依然としてあふれかえっているのだ。
     本書は、今なお日本各地に残る「いわくつきの地」で起こる怪異譚を、49編も集めたアンソロジー。それぞれの話が、とにかく怖いことが最大の特徴だ。
     監修者の「都市ボーイズ」は、「都市伝説やオカルト、怪談などを収集し、初心者でも楽しめるように発信している"怪奇ユニット"」。
     本書には、このユニットを中心に大勢の執筆陣が参加している。いずれも、怪談をこよなく愛する人たちとのこと。
     なお本書は、かつて本欄でもご紹介した同じ監修者による『超・怖い村の話』(宝島社)に新規原稿を加え、改訂・再編集したものであるから、同書をすでにお持ちの方はご留意されたい。

    宝島SUGOI文庫/880円(税込)

    (2023年11月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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